Amazon S3 の低冗長化ストレージ

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Amazon S3 の SLA

Amazon S3 は、SLA(サービスレベル保証)として99.9%をコミットメントしています。これは一見低い数字のように見えますが、SLAはあくまでもサービス保証として定義したもので、万が一達成できなかった場合に値引きしますと定義しているだけです。

標準ストレージ

特にオプション指定せずに普通にAmazon S3 を使うと標準ストレージを使うことになります。どの程度安心のサービスかと言いますと、1年に対して99.999999999% の耐久性と、99.99% の可用性でデザインされています。これはオブジェクトが0.000000001%の確率で消えてしまいます。って言われてもイメージできませんよね。言い換えますと、1年で10,000,000,000(100億)個の内1つ消失する確率です。うーむ、消えませんねw。ちょっと古い情報ですが、2008年にAmazon S3 で保存されているObjectの数は400億個あります。この中で4個消えるかもってことですよねw。滅多に消えないことが分かりましたが、とっても大事なObjectだったらVersioningしておけば古い情報を取れますので、さらに安心度が増すかもしれませんね。

低冗長化ストレージ (RRS)

Amazon S3 の標準ストレージはミッションクリティカルなストレージを実現していますが、用途によってはそこまで高い要求が必要ない場合もあるかとおもいます。例えば、動画変換のために用意された一時的なデータ保存などです。こういった場合は、できるだけ利用料金を減らしたいと思う訳で、低冗長化ストレージサービスを指定することができます。これを指定すると、30%以上値引きされます。どの程度安心のサービスかと言いますと、1年に対して、 99.99% の耐久性と、99.99% の可用性を提供するようデザインされています。これはオブジェクトが0.01%の確率で消えてしまいます。言い換えますと、1年で10,000個の内1つ消失する確率です。結構消えますねw。長期保存には向いていませんね。

ストレージ料金表

以下にストレージの料金表をご紹介します。2011/7現在

データ保存料金を見てみましょう。1TB(テラバイト)のデータを保存した場合、標準ストレージだと$0.150 / GB掛かりますから、合計で$150/月掛かります。低冗長化ストレージだと$0.100 / GB掛かりますから合計で$100/月です。

データ転送料金

データの安心具合についてご紹介しましたが、ここではデータの通信料金に付いてご紹介します。最近、AWSの全サービスにおけるデータ転送インが無料になりました。これは、ユーザがAmazon S3などにファイルをアップロードする際に無料になるということです。これは大きいですね。

データ転送アウトについて見てみましょう。1TB(テラバイト)のデータをダウンロードした場合、$0.201 / GBの通信料金が掛かります。よって合計で、$201/月掛かります。具体的な例を挙げますと、100MBの動画を10,000(1万)人がダウンロードした場合に掛かる料金と同じです。

まとめ

Amazon S3 は標準ストレージの利用をすることでほとんどデータが消えないことが分かりました。また、低冗長化ストレージを指定することで、標準よりも3割安く利用できることが分かりました。また、利用する際の用途は一時保存などの長期保存を目的としないものが良いということが分かりました。

用途を理解してたくさん使いましょう。