【レポート】 AWS Elementalとクラウド利用 #AWSメディア業界シンポジウム #AWSSummit
はじめに
清水です。2017/05/30(火)に行われましたAWS Summit Tokyo 2017 Day1 Dive Deep Day AWSメディア業界シンポジウム「AWS Elementalとクラウド利用」のセッションレポートになります。
スピーカーはKhawaja Shams 氏 (AWS Elemental エンジニアリング担当バイスプレジデント)です。
AWSは2015年9月にElemental Technologiesを買収しました。先日2017年4月には「aws elemental」としてロゴやテーマカラーも一新され、よりAWSとの一体感が出てきているかと思います。本セッションではこのAWS Elementalについての概要や国外での事例が紹介されました。
レポート
AWS Elementalの紹介
- AWS ElementalはAWSの一員
- 映像処理をクラウドで
- 2006年設立。ソフトウェアベースの映像処理
- インターネット上での映像配信、マネタイズ
- 顧客
- グローバル・メディアフランチャイズ
- 有料テレビ事業者
- コンテンツプログラマー
- 放送局
- 政府機関
- オレゴン州ポートランドに本社
テレビ放送の歴史
- TVという言葉は1900年のパリ万博。スクリーン上に写すものとしてTVという言葉
- 1920年はじめ、TVのデモが行われた。部品がたくさんあるもの。まだコントラスト不足している
- 1929年、電子的なTVがはじめて発明された
- 1930年代-40年台、TVの台数が増える。放送ネットワークができはじめる
- 1950/60 カラーテレビ発明、カラーテレビ放送開始。世界的イベントの放送が増えた。スポーツイベント、アームストロングの月面着陸
- 1990s フラットスクリーンのデジタルテレビ。アメリカの98%の世帯でTVを持つ
- 2000年以降。すべてデジタル化。消費者は映像をどこでも持ち運べるようになった。セットトップボックスが複数種類出てきた。OveIPでの配信
革命は加速している
- これまではプロバイダ中心のエクスペリエンス(TV放送局が時間を管理、CMとかも)
- コンシューマ、視聴者中心型への移行
- コンシューマから好きなときに好きなように(好きなデバイスで)見ることができる
AWS Elementalの技術適用範囲
- 「コンテンツを世界中のデバイスつなげる」というのがElementalの目標
- コンテンツ
- オンデマンド
- S3
- Storage
- ライブ
- オンデマンド
- マーケット
- コンテンツプログラマー
- 有料テレビ事業者
- エンタープライズ
- 政府機関
- 放送局
- ディスプレイ
- TV
- スマートフォン
- タブレット
- ゲーム機
AWS Elemental Cloudワークフロー
- AWS Elemental Cloud Deployment
- Processing
- AWS Elemental LIVE
- AWS Elemental Server
- Packaging
- AWS Elemental DELTA
- Storage
- Amazon S3
- Delivery
- Amazon CloudFront
- Processing
- プラットフォーム、リアルタイムエンコーディング、ファイルベースエンコーディングなど広くカバー
AWS Elementalの事例紹介1
- Channel SEVEN 2017 オーストラリアオープン
- ライブ配信、VODもしたい
- 16のカメラ。1080p
- エンコードはオンプレ環境を利用
- AWSとはDXで接続。RTMP送信
- 3つのAZを使用。冗長性をもたせた。DXも含めて
- セキュリティはVPCで実現。VPC内はSEVENのエンコーダのみ
AWS Elementalの事例紹介2
- CAP Cloud-based Workflow
- 韓国の事例。PooQ
- 8個のFHD、39のHDライブ
- エレメンタルクラウドで全て実現
- 配信はPooQのアプリケーションで配信。CloudFrontなどCDNも利用
AWS Elementalの事例紹介3
- BBC iPlayer
- キャッチアップ。プログラム見逃し配信
- 700万ユーザ。視聴者700万、毎日使う
- 1000+のマルチデバイス対応
- 放送したものを素早く、マルチデバイス対応のファイルに変換を行いたい
- 開発は9ヶ月のみ
- ダウンタイムなし。ユーザにもメリットあり。配信早い
- DASHサポートも
AWS Elementalの事例紹介4
- Linear 24/7: Amazon Video Live Streaming
- Amazonビデオでライブストリーミングも対応している
- それぞれの放送局からのライブストリーミングがある。
- 複数リージョンで構成全体が1つのStackとして、1AZに対応
- 4つのAZ、4つの独立したStack
- ソースは2つのリージョンに送信
- 複数リージョンで処理される
- 対障害性レベルが高い
- CDNも複数用意している。どれを使うか、プレイヤー側で決めている
AWSのメディア&エンターテイメントビルディングブロック
- Ingest
- DirectConnect, Snowball, S3 Transfer Accelerator
- Compute
- EC2
- Processing
- Elastic Transcoder
- Storage
- S3, Glacier, EFS & EBS
- Delivery
- CloudFront
- Analytics
- Analytics
まとめ
- 1969年の月面着陸の際の映像中継
- アナログの100MHzの帯域
- 320の解像度、10fps(デジタル換算で10.9mbps)
- 家庭のテレビに向けて放送
- 2017年の宇宙ステーションからの映像配信
- 3840x2160@30fps、2982mbpsの映像(1969年のアポロの274倍)
- H.265/HEVCで圧縮
- 世界中の多様なデバイスでの閲覧用に配信
- 宇宙ステーションからの4K映像配信は明日、セッションがあるのでぜひ来てほしい
- 注: 2017/5/31(水) Day2 AWS Techトラック3で行われたセッション「未来へのつながり:史上初・宇宙からの 4K ライブストリーミングを実現させたテクノロジーとワークフロー(D2T3-7)」
感想
AWS Elementalについてはまだまだ日本語の情報や日本国内事例が少ないかなという印象ですが、本セッションでその概要や事例のいくつかを確認することができました。今後は日本国内でのAWS Elementalの事例の紹介も増えていってほしいなと思います。また私はまだAWS Elementalを実際に触ったことがないのですが、機会があれば触ってみたいなと思いました。