Oracle Enterprise Manager Cloud ControlでRDSを管理する:Target追加編

2016.10.31

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こんにちは、菊池です。

Amazon RDS for Oracle を Enterprise Manager (EM) Cloud Control 12cで管理する記事の第2回です。

前回の記事でOEMの管理サーバであるOMSを構築し、EMへブラウザでアクセス可能にするところまでを紹介しました。今回はいよいよ、RDSを管理対象として追加してみたいと思います。

構成

OEM_cc_00

必要な設定は以下の2点です。

  • RDSのオプショングループでOEM_AGENTを追加
  • Enterprise Managerにてターゲットの手動追加

詳細な追加手順は公式ドキュメントを合わせて参照ください。

Enterprise Manager Cloud Control 向け Oracle Management Agent | AWS

 RDSオプショングループの設定

まずはRDSのオプショングループの設定です。すでに稼働しているRDSインスタンスがある場合、

  1. インスタンスに適用されているオプショングループにOEM_AGENTを追加
  2. 新規にOEM_AGENTを追加したオプショングループを作成し、オプショングループごと変更

の2通りの方法がありますが、インスタンスに適用されているのがデフォルトオプショングループの場合、オプションの変更はできませんので2.の方法が必須になります。

新規にRDSのインスタンスを作成する場合には、あらかじめOEM_AGENTを追加したオプショングループを作成しておくのがよいでしょう。

それではオプショングループを作成していきます。RDSのメニューからオプショングループの作成に進みます。

oem-agent-001

任意の名前・説明を入力し、適用するRDSに合わせてDBエンジンとバージョンを選択します。エンジンはoracle-ee、バージョンは12.1を選択しました。

オプショングループが作成されたら、オプションの追加を選びます。

oem-agent-002

オプションにOEM_AGENT、バージョンは12.1.0.5.v1を選択、ポートはデフォルトの3872のままです。セキュリティグループの項目ですが、ここで指定したセキュリティグループに対しAgentへの通信が許可されます。OMSサーバに設定したセキュリティグループを選択しましょう。

oem-agent-003

OMS_HOSTには、EMをインストールしたEC2のIPアドレス、OMS_PORTは1159を入れます。AGENT_REGISTRATION_PASSWORDには、EMインストール時に設定した管理パスワードを入力します。「すぐに適用」は稼働中のRDSに対して設定する場合のオプションです。

以上でオプショングループが設定されました。

oem-agent-004

続けて、稼働中のRDS(Oracle EE)インスタンスに対し、オプショングループを適用します。

対象のインスタンスを選択し、インスタンスの操作 -> インスタンスの変更へ進みます。

oem-agent-006

オプショングループの項目で、先ほど作成したオプショングループを選択します。

oem-agent-007

すぐに適用したい場合は、チェックを入れます。運用中の場合にはメンテナンス時間に適用しましょう。

oem-agent-008

変更内容のレビュー画面に進みますので、問題なければ適用します。しばらくして、変更中のステータスからオプショングループが変更され同期中となれば適用完了です。

OMSへの接続に失敗すると、自動でオプショングループがロールバックされます。その場合はOMSのIP、ポートやセキュリティグループが正しいか確認しましょう。

最後に、DBインスタンスのDBSNMPアカウントの認証情報をリセットします。SQL*PlusでRDSインスタンスに接続し、以下のコマンドを実行します。

$ sqlplus master/******@ora

SQL*Plus: Release 12.1.0.2.0 Production on Fri Oct 28 07:49:49 2016

Copyright (c) 1982, 2014, Oracle.  All rights reserved.


Connected to:
Oracle Database 12c Enterprise Edition Release 12.1.0.2.0 - 64bit Production
With the Partitioning, OLAP, Advanced Analytics and Real Application Testing options

SQL> ALTER USER dbsnmp IDENTIFIED BY ****** ACCOUNT UNLOCK;

User altered.

SQL>

Enterprise Managerへのターゲットの追加

続けて、Enterprise Managerへの操作です。

EMのWEBコンソールへ接続し、ログインします。ユーザ名はSYSMAN、パスワードはインストール時に設定したものです。

oem-ins-012

ログインができたら、画面右上の設定から、ターゲットの手動追加へ進みます。

oem-agent-009

下記画面のように、ターゲットタイプ:データベース・インスタンスを選択し、モニタリングエージェントを検索します。

oem-agent-010

RSDインスタンスのエンドポイント名を持ったターゲットが見つかるはずですので、選択します。

oem-agent-011

インスタンスの追加プロパティの項目を入力します。

oem-agent-012

項目 パラメータ
ターゲット名 任意
ターゲットシステム 任意
モニターユーザ名 dbsnmp
モニターパスワード 先ほどSQLでリセットしたパスワード
ロール 標準
Oracleホームパス /oracle
リスーナーマシン名 RDSのエンドポイント
ポート RDSのポート(デフォルトは1521)
データベースSID RDSのSID名

確認画面が出ますので、問題なければ実行します。

oem-agent-013

正常に完了しました。

oem-agent-014

ターゲットに、追加したRDSのDBインスタンスが表示されれば追加完了です。

oem-agent-015

まとめ

以上でOracle Enterprise Manager Cloud Control 12cへのRDSの追加が完了です。OMSの構築から、Targetの追加と2回に分けて紹介しましたが、これでRDSをEMで管理することができるようになりました。

ただし、RDS上のOracle Databaseでは、通常の環境とは管理可能な項目が異なる部分があります。今後、具体的な管理方法やその差分を紹介していきたいと思います。