Typesafe StackをインストールしてScala/Akkaの開発環境を作ろう

2012.01.16

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

はじめに

オープンソース企業Typesafeは2011年10月にScalaやAkkaなどの最新ソフトウェアプラットフォームをまとめたTypesafe Stackを公開しました。
今回はこのTypesafe Stack(とその関連項目)についての概要とインストールについてご紹介します。

Scalaとは

ScalaはMartin Odersky氏がスイス連邦工科大学で開発したプログラミング言語です。
JVM上で動作し、静的な型付けやオブジェクト指向言語と関数言語の両方の特性をもっています。
ポストJavaとしても最近人気が上がってきている注目の言語です。

Akkaとは

Akkaとは、ActorモデルによるプログラミングをおこなうためのScala/Java用フレームワークです。
Scalaは標準でActorモデルの並行プログラミング機能を持っていますが、
パフォーマンスやスケーラビリティにおいて十分とはいえない部分があります。
Akkaはこれらを改善し、とくに分散環境で負荷分散や耐障害性に強いという特性をもつ高機能な汎用ライブラリです。

Typesafeとは

Martin Odersky氏とAkkaを開発したJonas Boner氏は、2011年5月、Scalaを専門とするオープンソース企業「Typesafe」を発表しました。
さらにJavaの父として知られるJames Gosling氏も、Typesafeのアドバイザーになっています。 ※1

Typesafe Stackとは

Typesafe Stackは最新のソフトウェアプラットフォームで、ScalaとAkkaを含む開発環境として提供されます。
具体的には下記項目が含まれます。

  • Scala本体
  • Akkaのmicrokernelとコアモジュール
  • emacsやvim用のScalaサポートツール
  • ScalaやAkkaに関するPDF/HTMLドキュメント

これらはすべてインストーラで簡単にインストールすることが可能です。
Typesafe stackをインストールしてなくても、ScalaやAkka等を個別にインストールすることも可能ですが、
まだ何もインストールしていない場合はTypesafe Stackを使用すればひと通りインストールされるので非常に楽です。

Typesafe Stackのダウロードとインストール

ではTypesafe Stackをインストールしてみましょう。
今回使用した動作環境は以下のとおりです。

  • OS : MacOS X 10.7.2
  • Java : 1.6.0_26
  • Eclipse : 3.7

ここからOSに対応したインストーラーをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストーラーを起動させ、パッケージを選択してインストールします。

インストールが完了すると、Applicationディレクトリの下のtypesafe-stackにインストールされます。
各ディレクトリの役割を簡単に説明します。

  • bin:ScalaとAkka用のスクリプト
  • config:ScalaやAkkaの設定ファイルを置くためのディレクトリ
  • deploy:ここにAkka用ソースをおいておくと、AkkaのMicrokernelによってロードされる
  • doc:ドキュメント
  • lib:Scala,Akkaで使用するjar
  • man:Scala,Akka用スクリプトのUnix用man
  • misc:Scala用のツール
  • src:ScalaとAkkaのソース
  • Uninstaller:Typesafe Stackのアンインストーラ

typesefe-stack/binディレクトリにPATHを通せばTypesafe Stackの持つScalaやAkkaのコマンドを使用することができます。

まとめ

今回はScala/Akkaの開発プラットフォームであるTypesafe stackについて簡単に解説しました。
インストーラーで簡単に動作環境ができるので、ぜひ試してみてください。

参考サイトなど