コーチングの心構え

2022.03.22

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

皆さん、こんにちは。営業統括本部の三浦です。

先日より始まったコーチングブログの2回目となります。1回目はクラスメソッドのコーチングの概要について書かせて頂きましたが、今回はコーチングを行う上での心構えについて書かせて頂きます。1回目の内容については、以下よりご覧ください。

「素晴らしきかな、コーチング」

心構えは、コーチングをする人=IC(インターナルコーチ)だけでなく、コーチングを受ける人=SH(ステークホルダー)にも必要なものなので、是非参考にして頂ければ幸いです。

ICとSH共通の心構え - 対等

前回のブログでも、コーチングは対話 = 対等な立場で話すに重きを置いていることを書きました。ただこの対話、最初はなかなか難しいものです。

対話を難しくするものは、他でもなくICとSHの間にある上下関係です。

例えば、上司が部下にコーチングを行なうような場合、上司がどれだけ対等な立場を意識して話したとしても、部下はそれを無意識に指示命令に変換して聞いてしまうことがあります。また、上司は上司で、コーチングをしているつもりがいつの間にかティーチングをしてしまっている事があります。上司部下関係でなかったとしても、お互いの年齢や社歴、またビジネス経験などから、無意識にお互いが抱いてしまっている上下関係もあると思います。

2人の間に上述したような上下関係が存在する場合、100%対等な立場を作るのは実質難しいかもしれません。しかしコーチングの効果を最大化するためにも、可能な限り対等な立場を作る努力は必要だと思います。例えば、毎回コーチングの最初に、以下のような言葉を投げかけることで、少しずつコーチングにおける関係が変わっていくのではと思っています。

「コーチングにおいてICとSHはあくまでもフラットな関係です。なので、○○さんが気づきを得るために私も一生懸命問いを投げかけるので、気づいたこと、感じたこと、リクエスト、フィードバックなどあれば遠慮なく言ってください。」

ICの心構え - 成果の計測

ICとしてコーチングをしていると次のような不安を抱く事がよくあります。

「今日のコーチングは、SHに良い気づきを与える問いを投げかけられただろうか?」

昨年のコーチングプロジェクトにICとして参画したメンバーの多くが、同じ不安を抱えた事があると言っていました。かく言う私もプロジェクト前半では毎週のようにこの不安を抱いていました。

コーチングセッションの中でICは、様々な角度からSHに問いを投げかけます。この問いはSHが普段なかなか考えないような、中期的に会社やその人の人生にとって重要な気づきを生み出すものである必要があります。(脳みそに汗をかくような質問と私はよく表現します。)簡単に答えが出る問いは、SHが過去に考えたことがあったり、既に自分の中に答えを持っているものの可能性が高いからです。

あるとき、コーチ・エィ社のプロコーチに相談したところ、以下のような意見をもらいました。

「コーチングの成果はコーチングセッションの中だけで判断してはいけません。次のコーチングセッションまでにSHが何を考え行動したかが大事なので、一喜一憂してはいけません。」

実際にコーチングを進めていくと、前回のコーチングセッションから次のコーチングセッションまでの間に、テーマや目標についてSH自ら考え、行動を起こしている事が多くありました。この経験から、今現在進めているコーチングプロジェクト第二弾では、一喜一憂せず、以前よりも落ち着いてコーチングが出来るようになったように思います。

SHの心構え - 焦らない

昨年のプロジェクトで、私は社内でICとして動く一方、コーチ・エィ社のプロコーチからコーチングを受けるSHでもありました。

コーチングセッションではよく、ICとSHの間にあまり経験したことのないような沈黙が生まれます。それは、その問いに対して、ICもSHも答えを持ち合わせていないからです。この沈黙の時間は、慣れるまで正直あまり心地の良い時間ではありませんでした。それが故に、早く答えを言わないといけないという焦りを無意識に感じていたことがあります。

しかし、この沈黙の時間こそが、まさにSHの脳みそが汗をかいている状態であり、重要な気づきを得るための第一歩になります。

SHは、「誰も答えを持っていないことについて考えているんだから、簡単に答えが出なくて当然」と言う意識を持つことで、コーチングにおける沈黙を楽しめるのではないかと思います。

ICもまた、SHがじっくり考える時間を生み出す努力=沈黙に耐える努力が必要と思います。

基軸となるテーマの意義

クラスメソッドのコーチングプロジェクトでは、SHはコーチングを通じて目標設定を行ないます。その目標は会社が掲げるコーチングプロジェクトのテーマに沿ったものになっています。クラスメソッドが掲げているテーマは以下です。

「全員がビルダーであり、組織で成果を出すプロフェッショナル集団になる」

SHは「全員がビルダーであり、組織で成果を出すプロフェッショナル集団になる」ために自身が何をするのか、どう変わるのかをICの問いを経て考えていきます。

コーチングの初期段階でICは、このテーマを深掘りするための問いを様々投げかけていきます。

  • ビルダーというのは○○さんにとってどんな存在ですか?
  • ○○さんはビルダーですか?
  • ○○さんはビルダーになりたいと思いますか?なぜそう思いますか?
  • ビルダーの増えた会社が社会にもたらす影響はどんなものがあると思いますか?
  • 組織で成果を出すというのはどういう状態だと思いますか?
  • プロフェッショナルと聞いてどんな人をイメージしますか?

etc

目標設定が進み、目標に沿った行動が進んでいくとコーチングセッションで話される内容がより具体的なものになっていきます。これは当然良いことなのですが、一方でテーマへの立ち返りも非常に重要なアクションだと思います。具体化すればするほど、何のための目標設定なのかが薄れてしまいがちというのももちろんありますが、1番の理由は、テーマの捉え方そのものが初期段階と今とで違っている可能性があるからです。

その意味で、コーチングを実施する上での基軸となるテーマを決めておくことは非常に意味のあることだと思います。

 

 

ということで、今回はコーチングを進める上での土台となる心構えについて書いてきました。次回は、より良いコーチングを行うための、問いについて、具体的なノウハウをお伝えしたいと思います。