【落合陽一氏】社会の包摂性をアカデミア発テクノロジーにより拡張するピクシーダストテクノロジーズの挑戦 #AWSSummit 【レポート】

2020.09.08

せーのでございます。
本日は2020/09/08-2020/09/09にかけて行われたAWS Summit Onlineから特別講演「社会の包摂性をアカデミア発テクノロジーにより拡張するピクシーダストテクノロジーズの挑戦」をレポートいたします。

スピーカーはピクシーダストテクノロジーズ株式会社 代表取締役 CEO 落合 陽一 氏です。

アーカイブ

動画のアーカイブはこちらになります。こちらは2020/09/30までの限定公開となっています。

レポート

概要

  • 弊社のプロダクトの紹介
  • 社会の包摂性(※)を上げるために産学間連携で取り組んでいること
  • 新型コロナ対策に対して取り組んでいること

※包摂性: 様々な立場の人を社会の一員として活動できるように取り込むこと

魔法のように生活に溶け込むコンピュータ技術

  • 人類と計算機の共生ソフトウェア基盤の構築
  • デジタルネイチャー => 計算機と人類がどうやって新しい自然を作っていくのか
  • ビジネスモデルやソフトウェア、プラットフォームとしてのハードなどの作り変えが必要
  • 具体的には空間認識やディスプレイ技術、センシング技術を用いて生活をより豊かにするにはどうしたらよいか、を考える

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社とは

  • 大学から生み出される「研究」を社会に存在する課題・ニーズドリブンで連続的に社会実装する仕組みを作る会社
  • 通常のベンチャーはリサーチと技術開発機能を有していることが多いが、弊社はそれに加えてビジネスとして作ることができる
  • 大学発ベンチャー => 研究費や人件費として新株予約権を発行する事により大学の資金を増やす。その代わりにIP(※)をいただく。
  • 企業に対してその研究技術を使って社会実装を行うことで基礎研究から社会実装までのプロセスを圧縮してスピードを出す
  • 最新の技術や知見を使って課題を持ち合わせている企業の解決をするバリューチェーンを構築している

※IP: intellectual property、知的財産権のこと。

X DIVERSITY(クロス・ダイバーシティ)

  • 少子高齢化による身体障害や認知障害の問題をコンピュータを使って解決する
  • 足りなくなる高齢者を支えるリソースをAIやロボットを使ってインクルージョンする社会を目指す
  • 先天障害と後天障害を同一に扱う

  • 問題がわからず解決策もわからない時は大学のラボなどで発明が突然生まれる
  • 問題がわかっていて解決策がわからない時はR&Dベンチャーなどで解決策を考える
  • 問題がわかっていて解決策もわかる時はお金を入れてスケールさせる
  • 問題がわからず解決策はわかっている時は問題に当てはめるために大学などで考える
  • 問題がわかっていて解決策がシンプルな時はノンテックスタートアップが始まる
  • 認知や障害への対策は「問題がわからず解決策はシンプル」な場合
  • 耳が聞こえない人には隣の人が教えてあげればいい、など
  • 当事者以外が問題がわからない、というものが多い
  • それに対する解決には研究から社会実装、認知までの一気通貫が重要
  • 高いものを使うのではなくスマートウォッチ、スマートフォンなど今ある技術を素早く利用する

デバイス x AI

  • 世の中にあるアプリケーションやタスク、デバイスとコンピュータビジョン、自然言語処理などをどのように組み合わせるか
  • ワークショップを重要視する
  • 例えば音声を認識して振動するデバイスがあった場合、それを機械学習でどのように学習させ、健常者と障害者がお互いをどうやって知ることができるのか、ワークショップを通じて問題をあぶり出していく
  • 課題を抱えている当事者を交えてコミュニケーションを取ることで、技術者の想像ではなく適切な技術を適切に当てはめていく

個人の課題にフォーカスする

  • N人ではなく一人の人が課題を解決する過程を見ていくことで研究が進んでいく
  • 当事者研究として「脚のない方が歩けるようになる」という義足のプロジェクト
  • 作家の乙武洋匡さんに3Dプリンタで作った義足を履いてもらい、彼が歩行を獲得するまでの過程を何年かかけるプロジェクト
  • 最初は膝が曲がっていない。プロジェクトを進めていきながら膝を使って歩くことを獲得していく
  • コミュニティを形成していくことでたくさんの人が知見を寄せる

新しい多様性を考える

  • オーケストラの音楽からセンシングや振動を感じるデバイスなどを使って共感覚的に音を感じるためにはどうしたらよいかを考える
  • 映像で音楽を奏でる、とはどういうことか
  • テクノロジーを使って社会にどう実装していくか、を考える
  • オリンピック、パラリンピックを一つのターゲットにしていたが、延期したため、コロナ禍でどのようにワークショップを行うか、を考えている

草の根でできるツールキット

  • 音声認識を使ってビデオ会議に文字を重ねると耳の聞こえない人でも会議を「見る」ことができるのでは
  • Webに公開した所様々な人がそれを実装してくれた
  • オープンソースを使ってラストワンマイルを企業が作ってくれるのを待つのではなく、自分たちで作れるようにする

なぜAWSなのか

  • 先端技術開発を進めるための柔軟な資源がある
  • 当時GPUで一番早かったNVIDIAのV100を持っていたのがAWSだけだった(P3インスタンス)
  • これを使うことで学習時間が2〜7倍縮まった
  • 共同研究開発においてバイウィークリーでミーティングを回すのに役立った
  • ニーズ・課題に沿ったソリューションの効率的な実装ができた
  • AWSはサービスが豊富だったが、どういう組み合わせが効率的なのかを勉強しなければいけなかった
  • 担当のSAさんがつくことでスピーディに解決できた
  • データの安全性とサービスの継続性が見込まれた
  • AWSは歴史が長く高シェアであるので、サービスを継続していく上で安心感があった
  • サービスをオープンさせる際にセキュリティが重要になるが、AWSはデフォルト設定を安全な方に倒しているなど、細かい部分で安心感があった

Withコロナ時代のBCP継続

  • 従業員に安心・安全な場で働いてほしい
  • 感染者が出たら、ともすれば事業停止になるかもしれない
  • 職場の安全性の評価、対人距離を測定、記録して、感染者が出た時にエビデンスを提示できるソリューション「magickiri」
  • コロナ禍でも事業を継続させるための安全基準を出すのが目的

まとめ

最も適切に課題を解決するために当事者と話し合い、この部分ならこの技術で解決できる、というアイデアを出す、また既存の技術やデバイスを組み合わせることで新たな価値を産み出す、という部分はクラメソが取り組んでいる内容に非常に近く、とても共感できました。
その際に大学の研究機関とつながることで最先端の技術が使える、というのは確かに大きなアドバンテージだと感じます。
非常に参考になるお話でした。