【レポート】大阪ガスが実践する IoT サービスと新サービスへの Amazon Forecast の活用 #AWSSummit

はじめに

こんにちは、おおはしりきたけです。 みなさん AWS Summit Online 楽しんでいますでしょうか。

本記事は 大阪ガスが実践する IoT サービスと新サービスへの Amazon Forecast の活用となっています。

セッション概要

スピーカー

  • 大阪ガスマーケティング株式会社 商品技術開発部 青木 拓也 氏
  • 大阪ガス株式会社 ビジネスアナリシスセンター アーキテクト 國政 秀太郎 氏

概要

大阪ガスは 2016 年から IoT 対応のエネファーム(家庭用コージェネレーションシステム)を販売してきた。 機器から取得した電力データを用いることで、家庭の電力需要予測が可能となる。大阪ガスではこの電力需要予測に Amazon Forecast を用い、 この予測結果を VPP(バーチャルパワープラント)など新たなサービスに活用することを計画している。 本講演では、データ収集から、需要予測、活用という流れを紹介する。

セッション視聴のリンクは こちら

セッションレポート

アジェンダ

  • これまでの大阪ガスの取り組み:エネファームIoT化によるサービス提供
  • バーチャルパワープラント(VPP)の取り組みにおける電力需要予測
  • 電力需要予測の課題と解決方法
  • Amazon Forecastによる効果

これまでの大阪ガスの取り組み:エネファームIoT化によるサービス提供

  • 大阪ガスでは2016年4月からエネファームをAWSに接続してきた
  • エネファームとはガスによって発電と給湯行う機器
  • エネファームをIoT対応し自宅の無線LANルーター経由でAWS に接続している
  • これにより大きく3つのことができるようになった
    • 1.故障発生の検知
      • 発電が止まった時に遠隔で検知することができる
    • 2.お客様によるエネファームの遠隔操作
    • 3.機器品質の遠隔監視
  • エネファームは家庭用の燃料電池でガスの中に含まれる水素と酸素の化学反応により発電する機械
  • 発電時に発生する熱を給湯に利用することもできる
  • 発電効率が非常に高いこと、また発電所の排熱も利用できることから従来システムよりも高効率にエネルギーを利用できる機器となっている
  • バーチャルパワープラントでは、高効率なエネファーム発電を制御してさらなる価値を生み出すことを目指している
  • エネファームの現在のサービス
    • 発電の見守りサービス
    • お湯はりや床暖房の遠隔操作
    • エネルギーの見える化
  • 5万台のエネファームをAWSに接続してきた
  • 設置台数に対して8割の方がインターネットに接続いただいているという状況

  • サーバーシステムの構成の特徴としては、AWSと既存の業務システムを連携し、既存の仕組みを活用
  • AWSでは通信は、ロードバランサーを通ってEC2のアプリケーションで処理
  • データはRDSに保存した上で、バッチ処理により分析用のRedshiftにも連携
  • AWSのシステムをDirect Connectで従来の自社システムに繋いでいる
  • これにより従来の社員の認証基盤を活用することができ、お客様情報などは従来と同じオンプレミス環境に保存することでAWSによるサービスを素早く立ち上げることができた
  • 現在は、他のサービスとのAPI連携によって、機能を拡充することを目指している
  • 既に、API Gatewayを使った外部APIを用意しているため、他社様のサービスと弊社システムを接続することが可能
  • このAPIの活用方法の一つが、今回ご紹介するバーチャルパワープラント

バーチャルパワープラント(VPP)の取り組みにおける電力需要予測

VPPとは、電力安定化のために電力の需給を調整する仕組、エネファームの遠隔制御によって実現することを目指し、国のバーチャルパワープラント構築のための実証事業に参画している。 実証では、1500台に対して運転指令を送ることで、どれだけ精度高く需給調整のための制御ができるかということを確認している。

VPPで必要な処理

  • 1.電力需要の予測
  • 2.電力需要速に基づいて発電量を制御
  • 3.実績データの収集
  • 4.予測の精度検証 → 予測精度改善
  • いかに精度高くかつ、用意に予測プロセスを実施できるか

大阪ガス:ビジネスアナリシスセンター

  • 経営からエネルギーの上中下流全て行っている
    • タンカー配線計画
    • プラント故障予知
    • 勤務シフト最適化
    • 緊急車両配置
    • メンテナンス在庫最適化
    • ガス機器故障予知
  • 年間20-30プロジェクトを進めている
  • チームは10名前後、1人あたり2〜3個のプロジェクト

電力需要予測の課題と解決方法

VPPは、エネファームつまり家庭用のお客様の電力需要を読みながら電力の需要調整をしていかないといけないトータルを予測すれば良いというものではなくて、各お客様に対して電力需要を一件一件ずつ、もしくは顧客グループ電力のパターンに応じて顧客グループを作ってそれぞれに最適なモデルを学習しながら需要予測をしないといけない。

  • 多様性
    • 課題:一つのモデルだけでは太刀打ちが出来ない
    • 対策:最適なモデルってのも一つ一つ選択していく。今まではPythonなのでゴリゴリとデータ分駅の検証を繰り返しながらモデルを選択してきた歴史がある
  • イベント性と流動性
    • 課題:季節性のパターンや昨今ではコロナ等などの突然の需要の変化があり、モデルの再学習が必要だったり、精度が落ちてしまう流動性については、VPPやエネファームを拡大していきたいと思っており、そもそもの電力需要の計算をしなければならない
    • 対策:一つのモデルを作って、後は全部システムよければ終わりというわけではなく常に精度の低下とかに注力していく
  • 今まで通りのデータ分析の仕事は、一つ一つを丁寧モデルを作ったりしてました
  • これを続けるとなると、モデルのお守りをする必要があり、様々なモデリング手法を使ってモデルを作っても、終わった後にまた精度が落ち、再学習してモデルのアルゴリズムとなると、非常にモデルの負荷が大きいのが問題
  • 色々と情報収集をしていると、Amazon Forecastに出会い、現在検証している。

Amazon Forecastによる効果

Amazon Forcastの良いところ

  • AutoML
    • 様々な特徴量のエンジニアリング、機械学習のモデルを全て総当りし最も良いモデルを予測に使う
  • カレンダーbuilt-in
    • 日本の平休日がbuild-inされている。
  • シンプルなAPI
    • AWS全体に関係するが、システムに組み込むときにシンプルなAPIを利用できる

Amazon Forcastの精度と計算速度

  • 自社で作成したモデルより、Amazon Forecastのモデルの方が精度が高かった
  • 高頻度で再学習を行う場合はMQCNNを採用し、それ以外はのケースはAutoMLを全て試すのがオススメ

Amazon Forcastを仕様したMLOpsアーキテクチャ

  • 真ん中のモデルの管理、モデル情報、S3の学習データ、Amazon Forcastは、まさにMLOpsの中核
  • 機械学習周りはAmazon Forecastに全部お任せしている状態となっており、非常にシンプルな構成
  • 今後の次の世代への引き継ぎなどの観点から考え、アーキテクチャは非常にシンプルな方が当然有利なのでAmazon Forecastを利用することでシンプルになって良かった

所感

アジリティが高い昨今のビジネス状況では、機械学習領域においても、AWSを利用しAmazon Forcastを活用することで、ビジネススピードを上げ、さらにシンプルなアーキテクチャにすることで、属人性を排除し、次世代にも引き継げるようにしているという点は、やはりAWSを使ってこそ実現できる形かなと思いました。