くらめその情シス:手戻りなく一直線に間接部門の業務改善を進める方法

2019.04.26

はじめに

IT推進室の渡邉です。「くらめその情シス」の中で、社内のしくみの企画・推進を担当しています。少し格好良くいうと、中小企業から「成長し続ける事業・企業を支える中堅企業のしくみ」へ変えようとしています。今回は、今進めている業務改善の進め方について紹介します。

「業務の品質・LT・生産性改善」を目的とした業務改善です

業務改善には以下のような目的効果があると思います。

  •  法令遵守・認証規格取得・内部統制・ガバナンス・社内規定などのコンプライアンスや制度ルールへの適応
  • (自部門の)顧客へのサービス品質向上、CS向上
  • (自部門の)業務の品質・LT・生産性の改善、コスト削減

今回は、既存システムを利用した「業務の品質・LT・生産性改善」を対象としています。 他の目的効果も含めて一緒に改善も可能と思いますが、コンプライアンス対応やCS向上の方が優先度高いケースが多いと思うので、事前に解決/改善の目処を立てておきます。 また、システム刷新やシステム統合など新システム導入時には、主に業務設計~安定化定着化までの間に同様な対応を行います。

始める前に:業務システムの使用期間の確認を!

以下のようなチェックを行います。

  1.  機能、キャパシティなど企業規模や業務データ量に見合うか
  2.  今後少なくとも1年以上使用予定か
  3.  追加投資必要な場合は投資回収可能か、又は、3年以上使用予定か
  4.  勝ち組み業務と一体となったクラウドシステム(SaaS)か (オンプレミスや自社開発システムの場合は、PC・サーバ・データベース・ネットワーク・データセンタなどのシステム基盤や運用保守サポートなどの契約・計画の確認とともに、最新バージョンの導入を済ませておきます。ただし、2018年経済産業省が発表した「2025年の崖」の解消となりづらいのであれば、新システムへの早めの移行をおすすめします。)

業務改善の進め方

一直線に業務改善を進めるには、進める順番が重要です。(例:不要な業務を自動化しても改善進みません) また、目的効果、目標、改善状況、推進体制、優先順位などに応じて、【必要なステップまで】 ✖  【手戻りしない程度以上の徹底さ】 で推進します。(ステップ2か3までが一般的と思います)

ステップ1.システムを正しく使う

業務システムの前提としている標準的な業務に合わせます(システムを変えずに業務を変えます)。業務フローやルールを合わせる(又は正しく設定する)とともに、以下も参考にしながら課題のあぶり出し整理を行い業務改善を進めます。 基幹系・業務系のように企業の競争優位性、取引、社内外関係者への影響などが大きくなければ、徹底的に行う事で、業務の複雑化・ブラックボックス化の解消にもなると思います。

ステップ2.システム間をトコトン連携する

関連する業務・システムを整理した上で、業務上の最終成果物と期日(労務管理であれば給与支給日など)を確認します。投資対効果や期日未達による影響なども含めて、業務システムごとの期日・処理期間(LT)・連携方法について適正化を行います。

ステップ3.トコトン自動化する

「自動化できそうな業務」「効果出そうな業務」をもとにスグに効果を出す方法もありますが、手戻りなく一直線に業務改善を進めるには、全ての業務を自動化する前提で、自動化できない業務についても整理して業務全体をコントロールします。

  1.  自動化しない/できない業務のあらい出し、最小化
  2.  自動化できない理由、影響、効果の記録  ※ココが重要
  3.  自動化方法の検討・選定・実施

自動化方法は、目的目標、投資対効果、業務システムの制約などに応じて、RPA、機械学習チャットボットクラウド機能活用API連携、システム開発などから検討・選定します。場合によっては、xx認証、センサー、IoT、ロボット、AIプラットフォーム、データ分析基盤など利用可能なシーンがあるかもしれません。きっちりと漏れなく自動化・省力化することで、より正確に、より早く、より大量な処理が可能となり、イレギュラーや様々な変化に対して、より柔軟な対応が行えるようになると思います。

この業務整理は当初は時間かかりますが、「できない理由」は最終的に(人の判断不可欠など)数種類となり、業務理解が深まり、自動化範囲が均一化されて広がり、現行システムでの限界点が見え、改善後当面は検討の余地なしと周囲から認知されやすいなど、長期的持続的根源的な観点や業務管理体制の健全性など多くの面で収穫が得られると思います。

※解決されたい事・お困りの事があれば、ぜひ当社にもお問い合わせ・ご相談下さい!

ステップ4.トコトンやりつくす

外部情報の活用や外部の力を借りることで自部門の位置づけがわかり、更なる改善ができると思います。BPO/BPMサービスとの比較や顧客へのサービス提供検討なども原動力や手助けになると思います。

  • 外部情報(他社事例、ベンチマーク情報など)の収集
  • ポジション、強み、課題などの確認
  • 社内外リソースの活用
  • 業務のパッケージ化・更なる改善の推進など

ステップ5.システムとパートナーとの関係性をトコトン見直す

ここまで成果獲得してきたとすると企業内では勝ち組み部門、間接部門でありながら企業の特徴や競争優位性にも少なからず関与する一目置かれる部門(となってるハズ)と思います。市場/顧客のニーズやメリットがあれば、外販(他社へのサービス提供)の事業化も検討できると思います。また、有効な関係性や立場を利用して、パートナーとより優位な契約締結、パートナーの追加/再選定など、より勝ち組みモデルへの進化もできると思います。

  • 当社利用SaaS例: SmartHR、KoT、HRMOS、MFクラウド、Salesforce、Sansan、Pardot、G-Suiteなど

出口戦略:成果獲得後の準備を!

業務改善により人時生産性が改善され、少人数で回せるようになった後の体制、キャリアプラン、異動先などを事前に企画しておくと、より前向きに改善が進むと思います。人手不足の他の職務への配置転換/異動というのが一般的と思いますが、発想を変えて、リーダ・マネージャ・スペシャリストなどノウハウや成果獲得された方のキャリアアップについて検討してみてはいかがでしょうか。

  • 業務改善や自動化ツールの他部門への横展開
  • より高度な専門性を発揮する業務へのステップアップ

最後に

間接部門(経理財務・人事労務・知財法務・広報宣伝IR・総務など)は各々が専門職であり、1つの職務を非常に長い間担当される方も少なくありません。事業・企業の成功成長を支えサポートするだけでなく後押ししていくには、世の中や環境などへの変化対応、販管費率を上げない事とともに、個々人がより高度な専門性を発揮して事業や経営に応えていく必要があると思います。そのためには、業務システムを複雑化・ブラックボックス化から解消させて、日常業務を容易に身軽にしておく事が重要と思います。

日々の業務を行いながら、日々動き続けている業務を変えること、定着化させること、安定状態にすることは覚悟と努力と協力と労力と勇気が必要です。そのために、できる限り手戻りなく確実に前進できる事、関係者が前向きに取り組める事を念頭において試行錯誤しながら確立してきたものがこの進め方になります。(ただし、現時点では、あくまでも個人の知識経験や独断と偏見によるたたき台案です)

私自身は前職までに基幹系・業務系を中心に業務改善(システム刷新やシステム統合を含む)の企画・推進・コンサルタント・オーナーなどを20年以上行いましたが、ステップ5相当まで進めて成果を得られたのはシステム数で2件くらいです。ステップ3又は4以降は必要ないと思われる方も少なくないと思いますが、変更機会少なく一度にまとめて改善されたいケースや手戻り発生させないためには、少なくとも情報収集しておく事をおすすめします。 実際にこれをもとに関連部門の方と業務改善を一緒に進めていますが、内容をブラッシュアップして、いつの日か部門や企業のガイドラインとなると良いかなと思います。