[レポート]「A New Day for Data 大阪」に行ってきました #tableau

はじめに

こんにちは。大阪オフィスのDI部メンバー、tamaです。

9月25日(火)、Tableau社による「A New Day for Data 大阪」が開催されました。本エントリでは、その模様をレポートしたいと思います。セッション内でも言われていましたが、関西でこのようなTableauイベントの開催は初でした。

また、セッション内容に関係ありそうなdev.ioエントリや別ページも合わせて紹介していきます。

概要

  • 日時:2018 年 9 月 25 日(火)14:30 - 19:30
  • 主催:Tableau Japan 株式会社
  • 定員: 200 名
  • 協賛:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、NECソリューションイノベータ株式会社、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(五十音順)

  • A New Day for Data 大阪 | Tableau Software

補足

  • カスタマーセッション(Tableau社以外のセッション)の写真撮影はNGだったため、スライド等の写真はありません。

セッションレポート

Tableau キーノート”A New Day for Data”

  • 登壇者 Tableau Japan 株式会社 社長 佐藤豊 氏
  • 新機能デモ Tableau Japan 株式会社 田中香織 氏

当イベントについて

  • 2018年4月に社長に就任した
  • 大阪で開催したイベントといえば、バージョン10の発表イベントが思い出される
  • 今回の「A New Day for Data」は大阪のみの開催となる
    • Tableau Japanのビジネスとして、いま一番伸びているのが関西地方だから
    • また、大阪府では万博も控えており、今後も一層新しいビジネスを築いていけそうだから
  • スポンサー紹介とカスタマーセッションの紹介

今後のTableauについて

  • かつて「デジタルデバイド」という言葉があった
    • 「ITを駆使する人と、そうでない人との格差」のこと
    • この「デジタルデバイド」を変えたのが「スマートフォン」である
    • スマホの登場によって、ITに詳しくない人でも”情報”を扱えるようになった
  • Visual Analytics
    • 当然だがTableau社は全員Tableauを使用している
    • Tableauを使う前、一体どうやってデータ分析を行っていたか思い出せない
    • 先ほどのスマートフォンと同じで、Tableauの登場によって、データ分析そのものが大きく変わった
  • 現在のTableauについて
    • 全世界で78000組織が利用している
    • 国内で代表的なユーザーの1社に、リクルートライフスタイル社がある
      • Tableauを導入したきっかけは「脱Excel」
      • 「じゃらん」の営業は「もうTableauが無いと顧客に提案できない」と言い始めているレベルにきている
    • ユーザーグループも世界で450以上存在している
      • 国内だと10くらい存在している
      • 西日本だけでも4つある(関西、四国、広島、九州)
  • 「データの活用」について
    • Tableau社は「 Every Company is a Data Company」であるべきと考えている
    • これを実現するためには以下のことを行っていく必要がある
      • データを活用できる人を早く育成すること
      • そういった人材を多く集めること
    • Uber社やテスラモーターズ社などは既にこういった取り組みを行っている
    • しかし、多くの企業は、こういったデータドリブンカルチャーの醸成は達成できていない
    • そして、その多くの企業は、データネイティブな新興企業(NETFLIX、Amazonなど)の革新を恐れている
    • つまり、「個人レベルのデジタルデバイド」はスマートフォンで無くなったが「企業レベルのデジタルデバイド」は未だ顕在である
      • 企業間でも部署間でも「デジタルデバイド」はある
      • 今後、この差はもっと広がるだろう
    • 「企業レベルのデジタルデバイド」が未だ存在するのは「データが使える状態になっていないから」とTableau社は考えている
  • Tableauが目指すところ
    • Tableauは(上記のような)デジタルデバイドを埋めていくような存在を目指す
      • データアクセス、データ準備、データ統治、データ探索、分析、コラボレーションを内包するプラットフォームを目指す
      • もちろんセキュリティも担保する
      • APIも充実させて、他システムとの連携も容易にする
  • 上記の実現のために行っていること
    • 今年は売上の28%を開発に投資している(昨年は38%)
    • リリースを3ヶ月に1回行うようにした
    • バージョン名称も変更した
    • これまでに100を超える機能を搭載してきた

新機能のデモ

  • Tableau Serverのメンション機能の紹介
  • ダッシュボードのモバイル向けデザインの紹介
  • Tableau Mobileの紹介

Tableau Prepの紹介とデモ

  • データ分析は、データの前処理に8割の時間を要するといわれている
    • Tableauはこれを解決するためにTableau Prepを開発した
    • 既存ユーザーは無料でついている
    • 現在のところかなり高い評価を受けている
    • Tableau Prepは毎月リリースを行う
  • Tableau Prepのデモ
    • ワイルドカードユニオンの紹介
    • 画面の下部で処理状態がひと目でわかることの紹介

新しいライセンス体系

  • 今までは製品別のライセンス体系だった
    • これにより価格が高いといわれていた
  • 製品別ではなく、「データ分析業務に対する役割」別にライセンスを用意した
    • Creator、Explorer、Viewer

関連エントリ

「データ活用・分析に必要なプラットフォームとは」

  • 登壇者 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 小林 範昭 氏

ロシアワールドカップで使用されたデータ分析システムについて

  • 3つのシステム
    • VAR
      • ビデオ判定
    • GLT
      • ボールが入ったかどうかの判定
    • EPTS
      • 選手につけたセンサー
      • 走行距離やパス成功率、脈拍などを記録する
      • 別途カメラによるモニタリングもしている
  • タブレットが各国チームに2台づつ配布(ベンチ、裏方)
    • 各国がそれを使用して分析できる
    • ドイツ等はこれを非常に活用した
  • 当システムのデータの課題
    • データ定義にばらつきがある
      • FIFAで能力をカテゴリしている
        • 例えば走る能力を6段階にカテゴリしている
          • このカテゴライズは、選手の身体能力的に日本にそぐわないため、日本は独自カテゴリを使用している
          • そのため、分析時には補正をかける必要がある
    • リアルタイム性
      • データ収集に時間がかかる
      • パスかシュートかの判定は、後で人力で行う必要がある
    • 網羅性
      • 欲しいデータが揃わない
      • 日本代表のデータ分析官いわく、クラブチームのデータは無い
        • 日本代表のデータとクラブチーム時のデータを組み合わせたくても、できない

データ分析の問題

  • 上記の課題は、ビジネスのデータ分析の課題とほとんど同じといえる
    • データ定義
    • 異常値の処理
    • データ収集が大変
    • etc…
  • データ分析の対象となるデータの範囲は、これからどんどん広くなるだろう
    • 特に非構造化データが増えていく
  • データの価値を高める必要も出てくる
    • データの収集や準備を丁寧に対応していく必要がある
    • データの品質が上がれば、価値も上がっていく

データ分析に必要なものとは

  • スケーラブルな「データレイク」のようなプラットフォームが必要になってくると思われる
    • データを一元管理し、データ収集に時間がかからないようにする
  • データ品質を向上させるため、データ前処理を行えるプラットフォームも必要
    • データの整形なくして有効なデータ分析なし

データ分析を行う人材にも課題あり

  • 人材育成に関しては、近道はないと考える
    • 地道にしっかり取り組むしか無い
  • 育成にあたって、現場の既存作業に負荷がかからないようにする必要もある

関連リンク

「アナリティクスの民主化をワンストップで。」

  • 登壇者 NECソリューションイノベータ株式会社 寺川 孝之 氏

データアナリティクスについて

  • 4つの段階が存在する
    • 記述的分析(BI)
    • 診断的分析(BI)
    • 予測的分析(アナリティクス)
    • 処方的分析(アナリティクス)
  • 北米では上記のアナリティクスの部分にどんどん投資している
    • VISA社など
    • 数百人単位でデータサイエンティストを抱えている

「dotData」

  • 北米企業のように「アナリティクス」に莫大な投資を行うことは難しい
  • この「アナリティクス」を誰でも利用できるようにするために、NECソリューションイノベータ社は「dotData」というプロダクトを開発した
    • 「アナリティクス」を自動化するツール
    • 1日未満で分析処理が完了する
    • 課題設定〜結果出力まで自動化できる

「dotData」の使用例(画像を用いた機能紹介)

  • 「オフィス器具を販売する企業の購買データを分析したい」とする
    • このデータから「将来買ってくれそうな顧客」を予測したい
      • データのインポート
      • 「ユースケース」の作成(プロジェクト名のようなものに見えました)
        • 「1ヶ月以内に買ってくれそうな顧客」という名称をつける
      • モデル設計のタスクを実行する
        • モデルが50個生成される
        • スコアが良い順に並ぶ
        • パラメータの調整を行っての再処理も可能
      • 予測結果の出力
        • DBに出力する
        • Tableauで結果を確認することもできる
          • バブルチャートで表示
          • 買ってくれそうな顧客は赤色で表示
        • 特徴量も自動で表示する

「dotData」の事例

  • 三井住友銀行
    • 数日かかっていた処理が1日未満で完了するようになった

「dotData」の国内展開について

  • 日本の販売計画はこれから

関連リンク

「Tableauあるある」を乗り越えるNTTデータ流導入・推進メソッド

  • 登壇者 株式会社NTTデータ 伊藤 沙知 氏

Tableauの導入時に現れる「あるある」タイプとその克服法

  • 孤軍奮闘タイプ
    • 担当者が一人というタイプ
    • 動画コンテンツを作成して学習してもらう
      • サンプルスーパーストアではなく、お客さんのデータを使ったコンテンツにする
    • 担当者の上位層を味方につける
  • 業務部門通信タイプ
    • 初期の体系的なトレーニングを実施する
  • 効果に懐疑的タイプ
    • Tableauの能力に疑いをもっているタイプ
    • 実際に触ってもらう機会を創出して対応する
    • Tableauの得意領域を訴求する

Tableauの導入時に現れる「壁」とその克服法

  • 文化の壁
    • 帳票文化が強すぎる組織(従来手法固執タイプ)
    • データ可視化の目的をはっきりさせる
    • Guided Analyticsを活用する
  • 組織の壁
    • 「(Tableauによって)自分たちの仕事がとられるのではないか」と心配するタイプ
    • 決してそうなることはなく、別の高度な業務も存在することを伝える
  • 時間の壁
    • 「(Tableauを使用する)時間がない」という理由で導入できないタイプ
      • 業務プロセスにTableauを取り込んでしまう
      • KPIダッシュボードを作成してポータルサイトに埋め込むなど
    • 「ダッシュボードの表示が遅い」という理由で導入できないタイプ(性能の時間の壁)
      • 作成するVizをシンプルにする
      • ダッシュボード作成に詳しいプロをつける

「Excelすら使えなかった『原始人』がBIエバンジェリストに『進化』した今、社内で起きていること」

  • 登壇者 大阪ガス株式会社 高木 大輝 氏

登壇者について

  • 2013年に新卒で大阪ガス入社
  • 配属は情シス部門
    • その中のデータ分析専門組織(ビジネスアナリシスセンター)に所属
  • エネファームに関するデータ分析などを行っている

ビジネスアナリシスセンターについて

  • 大阪ガスグループ向けに分析ソリューションを提供している
    • 予算をもらって案件としているため、グループ内とはいえ緊張感を持って業務を遂行している
  • 2冊ほど本を出している
  • NHKプロフェッショナルにも出演
  • 個性的なメンバーが揃っている組織

ビジネスアナリシスセンターの事例紹介:エネファームの自動故障診断システム

  • 運転データが自動でAWSに上がるようになっている
    • エネファームは「家に化学プラントがくっつている」と言われているくらい複雑な仕様
      • エラーコードだけでは判断できないくらい複雑
    • これらをわかりやすいものに変えてフィードバックするシステム
      • エラーがわかりやすくなり、お客さん対応が簡単になる→カスタマーサポート品質が上がる
    • プロトタイピングはTableauで試している
      • システムの要件定義も削減

ビジネスアナリシスセンターの事例紹介:AI(DataRobot)導入

ビジネスアナリシスセンターが大事にしている考え

  • 現場の人に(データ分析結果を)わかりやすい説明を心がけること
    • 意思決定に反映させないと、データ分析の意味がない
  • しかし、データ分析自体のスキルも大事

登壇者の入社時のスキル

  • 統計学→全く分からない
  • IT活用スキル→PCとか触りたくない
  • プログラミング→高専で習ったが、先輩のコードをコピペしないとできない
    • MATLABっていう存在は知ってるけど、中身は全くわからない
  • Excelすら分からない
  • とにかくスキルが全く無い状態だった

登壇者の進化その1

  • 現場に入ると、統計はわかるようになってきた
  • Excelの関数もわかるようになってきた
  • 最初の業務
    • 床暖房の一部データ(期間などを削ってもらった)
    • こういう「軽い」データで訓練を重ねる
  • 社内講習でデータ分析のマナーを学んだ

登壇者の進化その2

  • スキルを少しづつ学んでいくと、どんどん他の分析スキルも学びたくなってくる
  • RとかPythonも自ら学習するようになった
  • 業務で扱うデータも増えてくる
    • 必然的にRやPythonのスキルが必要になってくる
  • 組織のメンバーそれぞれで使用言語がバラバラなので、教えてもらうのは効率が良くないと考えた
    • ネットでググりまくって学んだ
    • Qiitaとかで大体わかる
  • Excelで済む業務を、わざとPythonとかでやってみて修行

登壇者の進化その3

  • ついにBIツールを利用し始める
    • (データ分析のための)プログラミングには落とし穴があることがわかった
      • データ型を気をつけないといけない
      • 3日経つと自分が書いた処理内容を忘れる
      • プログラミング自体に頭のリソースを割かないといけない
    • Tableauを使うと、上記の課題が解決した
      • データ分析そのものに頭のリソースを使える
      • Tableauを使ってプレゼンすると、単純に相手のウケがいい
        • ある意味大事なこと

社内にTableauを広めるために…

  • 山本五十六の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」に応じた広め方を考案した
  • 「やってみせ編」
    • 登壇者はプレゼンの際にパワポを使わなくなってきた(Tableauのストーリーでプレゼン)
      • プレゼンされたほうが「このツールなに?」ってきいてくる
    • 要するに「とりあえず見せてみる」と興味をもってくれる
  • 「言って聞かせてさせてみせ編」
    • 「なんかいい感じに分析して」ってよく言われる
      • これは分析自体が目的化してるのでよくない
    • こういう依頼には、とりあえず「まずはデータを見える化しましょう」と提案
      • その後、ヒアリングしながらデータを探索していくと、本来の目的が見えてくる
  • 「ほめてやらねば編」
    • 既存の、属人的な業務を否定しないようにする
    • (登壇者いわく、「ほめてやらねば編」は結構無理やり当てはめた…とのこと)

だんだんTableauユーザーが増えてくる

  • 様々な活用ニーズが顕在化してきた
  • 自分ひとりじゃ対応できなくなってきた
  • オージス総研と連携して「講習プログラムをつくろう」という話をしている

関連リンク

「新しい名から紐解くTableauが目指す未来」(新機能の紹介)

  • 登壇者 Tableau Japan 株式会社 田中香織 氏

Tableau Online(Server)

  • ダッシュボードスターター
    • いくらTableauが優れているとはいえ、内容によってはワークブックの作成というのは、やっぱり時間がかかる
    • SalesforceとかMarketoに対応したダッシュボードが予め備わっている
    • アカウントを入れるだけで完成する
    • (Tableau Onlineのみの機能)
  • グリッド表示
    • ダッシュボード上にグリッドを表示することで、配置の調整がわかりやすくなった
    • キーボードで微調整も可能
  • コメント機能
    • 削除もできるように
  • Web上で新規ワークブック作成
    • ローカルデータもドラッグアンドドロップで接続可能
  • 並べ替え
    • 列が複数あるビューのときでも、ソートボタンだけできれいに並ぶようになった
    • もうRANK関数などで対応する必要はない
  • データインタープリターもWeb上でできる

Tableau Desktop

  • 空間データのJOIN
    • 区域データと学校の場所の地理データをJOIN
    • 「ある区域に学校がいくつあるか」が地図上に可視化できるようになった
  • 新しいマークタイプ「密度」
    • Tableau Desktopのマークの種類には、人間の脳が無意識に反応できる要素が選ばれてる(色とかサイズなど)
      • 人間の脳と関連しているので、ここの項目が変わることはない
    • ただし、マークタイプの種類は増えた
      • 密度
      • ヒートマップが簡単に作成できるようになった
  • セットインアクション
    • セット機能のおさらい
      • 任意のグループを作って「それに該当するか否か」で分ける機能
    • そのセットの中身をダッシュボードのアクションで動的に変更できる
      • ダッシュボード上で選んだ部分が、そのままセットとして反映される
  • TSM
    • Tableau Serverの管理機能がWebUIで可能になった

データ分析の大事なこと

  • 目的が大事(売上を伸ばしたいなど)
  • その目的を達成するためのタスクに紐付いて、分析→インサイトを得る→タスクを実行…という流れ
  • この一連の流れを妨げないようにするのがTableauの信念としてある

みんながみんなデータ分析をバリバリやるようになるのか?

  • そうはならない。実際にデータをいじる人、分析結果を見て判断を下す人など、それぞれ役割は異なっていくはず
  • だからTableauはライセンス体系を新しくした
  • 新ライセンス体系で一番大事なのは「Viewerライセンス」
    • Viewerとは、ビューを見て心を動かしたり、実際にアクションをとる人
      • データ分析の中で一番大事な人
    • CreatorやExplorerは、ビューを作ったり探索したりする人
  • 「このビューのデータって何のデータですか?」という質問は分析思考の邪魔である
    • Tableauはこういったことを排除していき、データ分析をスムーズにしていく

関連リンク

懇親会

全セッション終了後、懇親会が行われました。かなりの人数が参加しており、関西でもTableauがぐんぐん広がってきていることを実感しました。

おわりに

関西初の大規模Tableauイベントでした。どのセッションも興味深かったですが、個人的に面白かったのは大阪ガスさんのセッションでした。分析の「ぶ」も知らなかった高木氏がどのようにして「分析官」として成長していったのかを、時にギャグを織り交ぜながら話していくところが、やっぱり関西の企業だなあ、と感じられてよかったです(関西弁だったのも個人的に聞きやすかったです)。

私も社内のミーティングとかで、もっと関西弁を出していきたいと思います!スキがあったらかかってこんかい!