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AWS認定トレーニングの選び方ガイド

自分に合ったAWS認定トレーニングを選ぶための要点・注意点などをまとめてみました。
2021.06.17

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お知らせ

最新版のトレーニングガイドを公開しております。

以下、旧バージョンです

AWS認定トレーニング講師の平野@おんせん県おおいたです。

みんな、温泉入ってますかー? (挨拶

今日は本業のAWS認定トレーニングについて書きます。

このブログでお話ししたいこと

AWS認定トレーニングにはいくつかのコースがあります。 どのコースも、「受講して良かった」という声を多くいただきます。

一方で、受講者とコースのミスマッチにより、満足度が下がるケースも見受けられます。 簡単すぎたり難しすぎたりするケースです。

そこで、自分にあったコースを選んでいただけるように、ブログにまとめてみることにしました。

AWS認定トレーニングとは

AWS認定トレーニングは、AWSの公式トレーニングメニューです。 クラスメソッドも2021年1月から提供しています。

次のような特徴があり、

  • AWSのトレーニングチームが開発/アップデートをしている
  • 世界中の企業が技術者育成に活用している
  • AWSとAWSが認定したパートナー企業(ATP)が提供できる
  • 専用カリキュラムに合格したトレーナー(AAI)が登壇できる

下記のようなトレーニングコースを提供しています

AWS認定トレーニングの使い方

AWS認定トレーニングは、皆さんのAWSスキルアップストーリーの中に位置付けるものだと思っています。どのようなストーリーかは、皆さんそれぞれ異なると思います。 ここでは、2つのケースに分けて考えたいと思います。

個人で勉強している人

まずは、具体的な業務指示はないが、自分自身のスキルアップのためにプライベートな時間に勉強されている方です。 個人の勉強であれば、「期限」を設ける必要がありませんので、様々なハンズオンや、コミュニティの勉強会などに繰り返し参加することで、AWSのスキルアップできます。

一方、AWS認定トレーニングは有料ですので、個人で負担するには勇気が必要です。お財布とよく相談してご参加ください。

企業での人材育成

次に、業務としてAWSを利用する必要がある場合です。 企業活動ですので、事業計画が存在し、そこにはゴール/期限があります。

そのためには、効率的に組織としてのAWSスキルを向上させる必要があります。

AWS認定トレーニングは、限られた期間(1日〜3日)を最大限活用できるように設計されています。つまり、効率的に学べるということになります。

もちろん、AWS認定トレーニングだけで全てが完結するわけではありません。継続的なスキルアップも必要になってきます。最初に述べたスキルアップストーリーを持って受講することで、受講の効果を大きく伸ばすことができます。

例えば、受講後にAWSの勉強を始めるためのリンク集などを活用いただき、社内勉強会を開催するのも1つの方法です。 また、AWSを利用した実務自体も大きな成長の機会です。現場での課題解決の経験を共有することで、組織としてのスキルアップにつながります。AWSの利用方法に困ったらクラスメソッドメンバーズのサポート窓口を利用いただくこともできます。さらに、社内で課題解決できない場合は、弊社コンサルティングなども活用いただけます。つまずきも重要な成長のチャンスです。どんどんチャレンジしてください。

「AWS認定トレーニング」が「受講してよかった」だけで終わらないようご活用ください。

コースの選び方

では、本題の「コースの選び方」です。 今回はクラスメソッドが現状提供している3つのコースの選び方をガイドしていきたいと思います。

1. AWS Cloud Practitioner Essentials

概要

20以上のAWSサービスを、広く浅く学びます。サービスの詳細より、サービスの目的/どう役立つのかに焦点を当てて理解を深めます。

期待される結果

  • 業務で利用するAWSの基本用語を理解でき、コミュニケーションが円滑になります
  • よりベストプラクティクスにそったAWSの利用方法を選べるようになります
  • 「AWS認定クラウドプラクティショナー」レベルの基本的な知識を習得できます

オススメしたい人

  • これからAWSを始めるIT部門の方
  • 営業、企画、財務部門など、IT部門以外の方

オススメしない人

  • AWSスキルのある方。例えば、すでに認定資格をお持ちの方。

受講前にやっておきたいこと

  • AWSの入門本、入門用コンテンツなどにざっと目を通しておく。キーワードだけでも知っておくと、トレーニングでの吸収力がUPします。
  • マネージメントコンソールにログインして、ざっと見学しておく。ログイン経験があると、ハンズオンラボをスムーズに行えます。

2. AWS Practical Startup Workshop

概要

EC2+RDSをベースにしたWEBアプリケーション環境を、ハンズオンメインで構築アップデートしていきます。

期待される結果

WEBサーバー環境の構築からモニタリングまでの一連の流れを、実際に手を動かして経験することで、現場での実践力が身につきます。

オススメしたい人

  • WEBサービス構築/運用の経験があるインフラエンジニア
  • AWSにチャレンジしたいアプリケーションエンジニア

オススメしない人

  • エンジニアとしての業務経験のない方
  • Linuxコマンド、mysqlコマンド、vi等エディタの経験のない方

受講前にやっておきたいこと

  • WordPressを題材に環境を構築しますので、WordPressインストール・セットアップ、管理画面の利用(投稿)などの経験があるとスムーズに進められます。

3. Architecting on AWS

概要

AWSにおけるアーキテクティングの基本を、3日間かけて学びます。

期待される結果

  • ベストプラクティスに基づいた設計ができるようになります
  • 「AWS認定ソリューションアーキテクト–アソシエイト」レベルの基本的な知識を習得できます

オススメしたい人

  • AWSを利用したサービスの設計構築を行うエンジニア
  • 要求仕様を策定/レビューし、アウトソーシングを行う責任者
  • CCoEの責任者/担当者

オススメしない人

  • AWS未経験者

受講前にやっておきたいこと

  • 「AWS認定クラウドプラクティショナー」レベルの知識習得/構築経験

2021.8.追記

2021.9よりセキュリティ系サービスもスタートします。こちらもご参考にしてください。

トレーニングコースの概要

最後にカリキュラムの内容を簡単にご紹介します。

1. AWS Cloud Practitioner Essentials

講義

タイトル 主な内容
モジュール1 AWSクラウドの紹介 クラウドのメリット
グローバルインフラストラクチャ
管理インタフェース
モジュール2 クラウドの開始方法 EC2
EBS
S3
VPC
モジュール3 クラウドでの構築 CloudWatch
Auto Scaling
ELB
RDS
DynamoDB
DMS
CloudFormation
Elastic Beanstalk
Direct Connect
Route 53
EFS
Lambda
SNS
CloudFront
ElastiCache
モジュール4 インフラストラクチャを保護する 責任共有モデル
IAM
Inspector
Shield
モジュール5 料金モデルとクラウドアプリケーションのサポート 料金の基礎
簡易見積りツール
Cost Explorer
Trusted Advisor
AWSサポート
モジュール6 アーキテクチャ Well-Architected フレームワーク

ハンズオン

タイトル 内容
ラボ1 Amazon S3 バケット作成、アクセス制御、バージョニング、など
ラボ2 EC2にウェブサーバーを構築する VPC、サブネット、インスタンス作成、など
ラボ3 Trusted Advisor でセキュリティを監査する Trusted Advisor、セキュリティグループ、MFAなど

2. AWS Practical Startup Workshop

講義

タイトル 主な内容
モジュール1 Amazon EC2とAmazon RDSで最小構成のブログサイトの構築 グローバルインフラストラクチャ
VPC
EC2
Session Manager
RDS
モジュール2a 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part1 S3
AWSの操作-API
インスタンスメタデータ
モジュール2b 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part2 AMI
ELB
RDS Multi-AZ
モジュール3 モニタリング CloudWatch
Systems Manager
モジュール4 Web Applicationにスケーラビリティを追加 Auto Scaling
Auto Healing
RDSのスケーリング
ユーザーデータ
モジュール5 バックアップ・リストア EC2のバックアップとリストア
RDSのバックアップとリストア
クロスリージョンコピー
CloudFormation
モジュール6 コースのまとめ コースの振り返りなど

ハンズオン

タイトル 内容
ラボ1 Amazon EC2とAmazon RDSで最小構成のブログサイトの構築 DBサーバー(RDS)構築
APPサーバー構築
WordPressインストール、など
ラボ2a 高い可用性を持つブログサイトの構築 S3の準備
プラグインのインストール、など
ラボ2b 高い可用性を持つブログサイトの構築2 WEBサーバーの可用性向上
DBサーバーの可用性向上
ELB動作確認
RDSフェイルオーバー確認、など
ラボ3 モニタリング 標準メトリクスのモニタリング
CloudWatch Agentの設定
アラーム設定、など
ラボ4 Web Applicationにスケーラビリティを追加 Auto Scalingの設定、動作確認
RDSのスケールアップ、など
ラボ5 バックアップ・リストア WEBサーバーとDBサーバーのバックアップ
別リージョンでのWordPress環境のリストア

3. Architecting on AWS

講義

タイトル 主な内容
モジュール1 はじめに クラウドとは
クラウドの利点
Well-Architected フレームワーク
AWS グローバルインフラストラクチャ
モジュール2 最もシンプルなアーキテクチャ S3
S3 Glacier
リージョンの選択
モジュール3 コンピューティングレイヤーを追加する EC2
EBS
EFS
モジュール4 データベースレイヤーを追加する RDS
DynamoDB
DMS
モジュール5 AWSにおけるネットワーク (パート 1) VPC,Subnet,ENI
セキュリティグループ
モジュール6 AWSにおけるネットワーク (パート 2) VGW
Direct Connect
Transit Gateway
ELB
Route 53
モジュール7 AWS Identity and Access Management (IAM) IAM
Cognito
Organizations
モジュール8 伸縮性、高可用性、モニタリング CloudWatch
CloudTrail
Auto Scaling
DBのスケーリング
モジュール9 オートメーション CloudFormation
Systems Manager
モジュール10 キャッシュ CloudFront
DynamoDB Accelerator
ElastiCache
モジュール11 疎結合アーキテクチャの構築 SQS
SNS
MQ
モジュール12 マイクロサービスとサーバーレスアーキテクチャ ECS
Fargate
Lambda
API Gateway
Step Functions
モジュール13 RTO/RPOおよびバックアップの復旧設定 RTO/RPO
各手段
復旧戦略
モジュール14 最適化とレビュー アーキテクチャの再設計
モジュール15 コースのまとめ まとめ

ハンズオン

タイトル 内容
ラボ1 静的ウェブサイトのホスティング バケット作成
ウェブサイトのデプロイ
サイトの公開
ラボ2 AWS でウェブアプリケーションをデプロイする セキュリティ設定
EC2,RDSのデプロイ
ラボ3 仮想プライベートクラウドを作成する VPC環境の構築
VPC Peering
ラボ4 高可用性の環境を作成する Auto Scalingグループ作成
ALB作成
3層アーキテクチャ構築
ラボ5 AWS CloudFormation を使用したインフラストラクチャのデプロイのオートメーション CloudFormation
ラボ6 AWS Managed Services を使用してサーバーレスアーキテクチャを実装する Lambda
SNS
DynamoDB
S3
Cognito

グループディスカッション

内容
グループディスカッション1 新規構築するWeb/DBのアーキテクチャーレビュー ※
グループディスカッション2 信頼性の低いWebアプリケーションの改善 ※

※クラスメソッドのオリジナルコンテンツを利用します

環境確認

開催はオンラインとなります。 アクセス制限のある環境からご参加の場合は、下記の確認用URLにてご確認ください。 (各サービスのドメインへのアクセスをご確認いただけます)

サービス 確認用URL
zoom テストミーティングに参加するには(zoom公式)
Slack Slackの使い方(Slack公式)
Qwicklabs https://classmethod.qwiklabs.com/
eVantage eVantageアカウント作成画面
cacoo https://cacoo.com/ja/

まとめ

今回はAWS認定トレーニングの選び方についてまとめてみました。 多くの方がAWSのスキルを取得することで、多くの企業が成功し、個人・組織共にハッピーになっていただきたければと思います。