AWSトレーニングの初級コースがリニューアルされます

2022年4月から、これまで提供されていた初級の2つのトレーニングコースがリニューアルされます。どのように変わるかをブログにまとめました。
2022.01.14

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AWS認定トレーニング講師の51shivaです。 本日はトレーニングコースのバージョンアップのお知らせです。

概要

2022年4月から、これまで提供されていた初級の2つのトレーニングコースがリニューアルされます。

  • Cloud Practitioner Essentials(CPE)がバージョン2からバージョン3へ変更されます
  • Practical Startup Workshop(PSW)の提供を終了しTechnical Essentials バージョン5(TESSv5)としてトレーニングが提供されます

これに伴い、旧コースは3月末日でトレーニングの提供が終了となります。

それぞれのコースにどのような変更があるのかをお伝えしたいと思います。

Cloud Practitioner Essentials v3(CPEv3)の主な変更点

バージョン2からの変更点を簡単にまとめます。

コース内容が座学のみに変更されていますので、技術者ではないビジネスサイドの方にもご受講いただけるような内容になっています。

従来のコースでは、マネージメントコンソールの操作やシェルの操作なども必要でしたがラボがなくなりましたので、AWS初学者の方にもより受講しやすいカリキュラムに変更されていると思います。

また、無償で提供されているデジタルトレーニングCloud Practitioner Essesntials(CPE)と類似の内容になっていますので、まとまったトレーニングのお時間を取れない方はデジタルトレーニングをご利用いただいて、ご自身のペースでトレーニングを受講いただくことも可能です。

もちろん、お時間が取れる方は認定トレーナーによるトレーニングの受講をご検討ください。

バージョン2とバージョン3のトレーニング、デジタルトレーニングの目次レベルの違いを表にまとめてありますので、受講検討時の参考にしてください。

バージョン2 バージョン3 デジタルトレーニング
モジュール1: AWS クラウドの紹介 モジュール1: アマゾン ウェブ サービスの紹介 モジュール1: アマゾン ウェブ サービスの紹介
モジュール2: クラウドの開始方法 モジュール2: クラウドでのコンピューティング モジュール2: クラウドでのコンピューティング
ラボ1: Amazon Simple Storage Service モジュール3: グローバルインフラストラクチャと信頼性 モジュール3: グローバルインフラストラクチャと信頼性
モジュール3 :クラウドでの構築 モジュール4: ネットワーク モジュール4: ネットワーク
ラボ2: Amazon EC2 にウェブサーバーを構築する モジュール5: ストレージとデータベース モジュール5: ストレージとデータベース
モジュール4: クラウドアプリケーションのセキュリティを強化する モジュール6: セキュリティ モジュール6: セキュリティ
モジュール5: クラウドアプリケーションのサポート モジュール7: モニタリングと分析 モジュール7: モニタリングと分析
ラボ3: AWS Trusted Advisor でセキュリティを監査する モジュール8: 料金とサポート モジュール8: 料金とサポート
モジュール6: アーキテクチャ モジュール9: 移行とイノベーション モジュール9: 移行とイノベーション
- 10: AWS 認定クラウドプラクティショナーの基本 モジュール10: クラウドジャーニー
- - モジュール 11: AWS 認定クラウドプラクティショナーの基本

Technical Essentials v5(TESSv5)の主な変更点

Practical Startup Workshop(PSW)からの変更点を簡単にまとめます。

  • Practical Startup Workshop(PSW)の提供が終了し、トレーニング名称Technical Essentials v5 (TESSv5)でコースが提供されます
  • ラボの比重が小さくなります (講師が解説する時間が多くなりラボの時間が少なくなります)
  • ラボの難易度が簡単になります
  • ラボで取り扱うデータベースサービスがDynamoDBへ変更となります
  • ラボが独立して実施できるようになります

従来のPractical Startup Workshop(PSW)は日本のAWSトレーニングチームによって開発され、日本独自のコースとしてトレーニングが提供されていましたが、今回の変更で全世界共通のTechnical Essentials v5(TESSv5)としてトレーニングが提供されることになります。

また、このコースは初学者の方にはなかなかハードルの高い内容となっていました。

従来は前段で実施したラボ環境を使って、さらにその環境を進化させていくというラボとなっていましたので、何か一つトラブルがあると次のラボをうまくこなせないことがありました。

新しいコースでは、それぞれのラボが独立しているため、前段のラボが完了していなくても次のラボを実施していただくことが可能になっています。

今回の変更で初学者の方にも優しいコースになっていると思います。

初学者の方にとって優しいコースになったことで、技術力のある方にとっては若干物足りなくなっているかもしれません。

Practical Startup Workshop (PSW) と Technical Essentials v5 (TESSv5) の目次レベルの違いを表にまとめてありますので、受講検討時の参考にしてください。

Practical Startup Workshop Technical Essentials v5
モジュール0: イントロダクション はじめに: コースの概要
モジュール1: Amazon EC2 とAmazon RDS で最小構成のブログサイトの構築 モジュール1: Amazon Web Serviceの紹介
ラボ1: Amazon EC2 とAmazon RDS で最小構成のブログサイトの構築 ラボ1: AWS Identity and Access Management (IAM)
モジュール2a: 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part1 モジュール2: AWSコンピューティング
ラボ2a: 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part1 ラボ2: Amazon EC2 インスタンス
モジュール2b: 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part2 モジュール3: AWSネットワーキング
ラボ2b: 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part2 ラボ3: Amazon VPC
モジュール3: システムをモニタリングする モジュール4: AWSストレージ
ラボ3: システムをモニタリングする ラボ4: Amazon S3
モジュール4: Amazon EC2 と Amazon RDSにスケーラビリティを追加 モジュール5: データベース
ラボ4: Amazon EC2 と Amazon RDSにスケーラビリティを追加 ラボ5: Amazon DynamoDB
モジュール5: バックアップ・リストア モジュール6: モニタリング、ロードバランシングおよびスケーリング
ラボ5: バックアップ・リストア ラボ6: アプリケーションの高可用性
モジュール6: まとめ モジュール7: コースのまとめ

最後に

日本独自のPractical Startup Workshop(PSW)はトレーニングのデリバリの観点では参加される受講者ごとの進捗が異なることが多いのでペースの作り方が非常に難しいコースではありますが、ラボの内容が非常に良く考えられていてAWSのコンセプトやWell-Architected Frameworkを体感いただくには最適なトレーニングだと思っていたので、このコースが終了してしまうというのは非常に残念です。

手順があるとはいえ、高可用性(マルチAZ)、ロードバランシング、モニタリング、自動化、AutoScaling、災害対策サイトを構築するといったことをトレーニングの中で体感いただけます。

オンプレミスの環境でも同じような環境を作ることは出来ますが、たった8時間のトレーニングの中でその環境構築を体感いただけるのはこのトレーニングだけだと思います。

お勧めのトレーニングになりますので、ハードなラボでAWSのコンセプトを体感したい方は、トレーニングの提供終了前に是非Practical Startup Workshop(PSW)の受講をご検討ください。