RDS for Oracle 11g のサポートが終了間近です!

RDS for Oracle 11g サポートが今年いっぱいで終了します。現在、利用しているユーザはどういった対応をする必要があるのか、まとめてみました。
2020.06.24

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こんにちは、崔です。

そろそろ、RDS for Oracle 11g(11.2.0.4)のサポート終了が近づいてきました。
現在、RDS for Oracle 11g を利用している場合、どのような対応を行う必要があるのか確認していきましょう。

TL;DR

  • サポート終了日 2020/10/31(LI), 2021/1/31(BYOL)までに手動でアップグレードする
  • 期間内に手動アップグレードしない場合、サポート終了後のメンテナンスウィンドウ内で自動アップグレードされる
  • 11gでは利用できていたmicroインスタンスが、12.2.0.1以降のバージョンでは利用できなくなる
  • SEでは8xlargeまで利用できていたが、SE2だと4xlargeまでしか利用できない
    • SE2で4xlargeインスタンスを利用するか、EEで8xlargeインスタンスを利用するか
    • ライセンス料金にも注意
  • サポート終了後は、11gのスナップショットからリストアしても19cにアップグレードされる
  • サポート終了の前後3か月で、11gのスナップショットをメジャーバージョンアップグレード可能

サポート終了について

まず、現在の Oracle Database のリリーススケジュールは下記リンクから確認可能です。

2020/6/11 にリリースノートが更新され、19cのサポート期限が2027/4/30まで延長されていました。
各バージョンのサポート終了日は次のとおりとなっています。

メジャーバージョン プレミアサポートもしくは
延長サポート終了日
11.2.0.4 2020/12/31
12.1.0.2 2022/7/31
12.2.0.1 2022/3/31(限定的なエラー修正)
18c 2021/6/8
19c 2027/4/30

メジャーバージョン 11.2.0.4は、2020/12/31でサポート終了です。
では、サポートが終了する場合、どのような対応が必要か、AWSのForumsで案内された内容をベースに、確認していきます。

AWS Developer Forums: Amazon RDS for Oracle - End of Support Timeline for 12.2.0.1 and 11.2.0.4 Major Versions

RDS for Oracle 11g について

インスタンスについて

RDS for Oracle では、License Incluede(以下、LI)と持ち込みライセンス(以下、BYOL)の2種類の利用方法があります。
11gの場合、LIではStandard Edition 1(以下、SE1)を利用できます。
また、BYOLの場合はEnterprise Edition(以下、EE)、Standard Edition(以下、SE)、SE1の全てのエディションを利用できます。

Oracle社は、Oracle Database 11.2.0.4 のサポートを、2020/12/31に終了することを発表しています。
RDS for Oracle 11g では、BYOLのEE, SE, SE1について、同様に 2020/12/31 で終了となります。
しかしながら、LIのSE1のサポートは2020/10/31で終了となります。(2か月早いです)

さらに、サポートが終了する3か月前からRDSインスタンスの新規作成が出来なくなります。
LIの場合は2020/8/1以降、BYOLの場合は2020/10/1以降になると新規作成できません。

エディション ライセンス体系 サポート終了日 新規作成不可
SE1 LI 2020/10/31 2020/9/1 〜
SE1 BYOL 2020/12/31 2020/10/1 〜
SE BYOL 2020/12/31 2020/10/1 〜
EE BYOL 2020/12/31 2020/10/1 〜

また、既存のインスタンスは、サポートが終了するまでに手動でアップグレードする必要があります。
期間内にアップグレードしなかった場合は、それ以降の期間のメンテナンスウィンドウ内で、自動で 19c にアップグレードされます。
LIのSE1はLIのSE2に、BYOLのSE1はBYOLのSE2に、BYOLのSEはBYOLのSE2にアップグレードされます。
(BYOLのEEはそのままBYOLのEEとして19cにアップグレードされます。)

エディション ライセンス
体系
手動アップ
グレード期間
自動アップ
グレード期間
アップグレード先
エディション
SE1 LI 〜 2020/10/31 2020/11/1 〜 19c SE2
SE1 BYOL 〜 2020/12/31 2021/1/1 〜 19c SE2
SE BYOL 〜 2020/12/31 2021/1/1 〜 19c SE2
EE BYOL 〜 2020/12/31 2021/1/1 〜 19c EE

アップグレードの際に気をつける点があります。
まず、LIのSE1からLIのSE2にアップグレードする場合、インスタンスの利用料金が少し変わります。
あらかじめ、確認しておきましょう。

料金 - Amazon RDS for Oracle | AWS

また、19cや18c, 12.2.0.1 では、11gではサポートされていたmicroインスタンスがサポートされていません。
そのため、11gでmicroインスタンスを利用していた場合は、smallインスタンスへのスケールアップが必要になります。
こちらも、利用料金が変更になるので気をつけましょう。

Amazon RDS での Oracle - Amazon Relational Database Service

また、BYOLの場合、ライセンス料金も確認しておいた方がいいでしょう。
特に、SE1からSE2に変わる場合は、金額が大幅に変わることが想定されます。
(SEからSE2、EEからEEの場合も確認することをおすすめします。)

さらに、ライセンス上、注意する点もあります。
RDS for Oracle SE では、8xlargeインスタンスまで利用することが可能でした。
しかし、RDS for Oracle SE2 では、4xlargeインスタンスまでしか利用することができません。
(これは、SEでは最大ソケット数4まで利用可能だったものが、SE2では最大ソケット数2までしか利用できないことに関連します)

クラウド・コンピューティング環境における Oracle ソフトウェアのライセンス

そのため、現在、RDS for Oracle SE を8xlargeインスタンスで利用している場合は、

  • RDS for Oracle SE2 を4xlargeインスタンスで利用する
  • RDS for Oracle EE を8xlargeインスタンスで利用する

のどちらかの対応になると思います。
性能的に4xlargeインスタンスでも問題なければ、SE2を利用するのが良いでしょう。
ライセンス料金もおおよそ半額になります。

しかしながら、4xlargeインスタンスだと性能的に問題があり、引き続き8xlargeインスタンスを利用したい場合は、EEにアップグレードすることになります。
ただ、この場合、ライセンス料金の負担が非常に増加します。
例えば、Single-AZの8xlargeの場合、ハイパースレッディングの32vCPUなのでソケット数4、もしくは16Processorとカウントされます。
SEの場合はおおよそ840(4x210)万、EEの場合はおおよそ9,120(16x570)万となります。
10倍以上ですね…
(注意:ライセンス料金については、Oracle社もしくは代理店に必ずご確認下さい)

スナップショットについて

次に、スナップショットの取り扱いを確認します。
サポート終了日以降に、11gのスナップショットまたはPITRからリストアした場合、自動的に19cにアップグレードされます。
サポート終了から3か月経過すると、11gのスナップショットからは戻せなくなるようです。

また、サポート終了の前後3か月間で、取得済みのスナップショットのメジャーバージョンをアップグレード可能となるようです。

ライセンス
体系
サポート
終了日
スナップショットからリストア後に
19cへ自動アップグレードされる期間
スナップショット自体のメジャー
バージョンアップグレード期間
LI 2020/10/31 2020/11/1 〜 2021/1/31 2020/9/1 〜 2021/1/31
BYOL 2020/12/31 2021/1/1 〜 2021/3/31 2020/10/1 〜 2021/3/31

さいごに

サポート終了すると、稼働しているインスタンスはメンテナンスウィンドウ内でアップグレードされます。
また、スナップショットからのリストアも自動アップグレードされます。
可能な限り、事前にテストを実施して、手動アップグレードでの対応をおすすめします。
また、BYOLの場合は、アップグレードに向けたライセンス確認を忘れないようにしましょう。

18c のアップグレードはこちらで。

公式ブログも公開されました。