(レポート) DAT204 – Thermo Fisher事例:AWSとMongoDBによる質量分析時間の短縮 #reinvent

2016.12.20

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こんにちは、菊池です。

re:Inventの事例セッション、"How Thermo Fisher Is Reducing Mass Spectrometry Experiment Times from Days to Minutes with MongoDB & AWS (DAT204)"の動画を視聴しましたのでレポートします。

スピーカーはMongoDB, Inc. CTOのEliot Horowitz氏と、Thermo Fisher社のJoseph Clicker氏でした。

レポート

Thermo Fisherによる事例

  • Thermo Fisher社
    • 50カ国、従業員50,000人、売り上げ規模$170億
    • 質量分析装置の開発
      • 農薬や汚染物質の検出
      • 2020年には火星探査機にスペクトロメータを載せる
  • Thermo Fisher Cloud(デモ)
    • 質量分析器を接続し、リモートモニタリングを可能に

 

  • なぜMongoDBを使うのか
    • Thermo FisherアプリケーションはMongoDBを利用している
    • 科学技術アプリケーションは膨大なデータを扱う
    • 選択理由
      • パフォーマンス
      • 開発生産性
      • コスト
      • どこでも動作する
      • 法規対応
  • MongoDBの進化

  • MySQL vs MongoDB
    • インサート
      • MySQL最適化の40行のコードとMongoDBの1行のコード
      • MongoDBの方が6倍高速
    • Select
      • リファクタリングで3.5倍のコード削減
  • マイクロサービスで構築
    • AWS Lambda
    • Docker / Amazon ECS
    • Spark / EMR
  • MongoDB Atlasを9月から運用
    • ストレスの多い週末から解放
    • 付加価値を顧客に還元できるように

MongoDB Atlas on AWS

  • MongoDBの利点
    • アプリケーションの開発に集中できる
    • データ構造を自由にできる
  • MongoDB Atlas
    • MongoDBから提供される、AWSで稼働するマネージドサービス
    • より楽にアプリケーションを開発するために
    • すぐに稼働し、スケール可能
    • 必要な監視を提供
    • データベースを管理するのに必要な数多くのタスクから解放される
  • MongoDB Atlasのデプロイと機能
    • スペックを数クリックで指定
      • RAMとCPU
      • ノード数
      • ディスクサイズ
    • 一度作成後も上記のスペックを停止時間なしで変更可能
    • シャーディングの有効化
    • セキュリティ
      • IPホワイトリスト(セキュリティグループ)
      • VPCピアリング
      • SSL証明書による認証
    • モニタリング
      • MMS(MongoDB Monitoring Service:2011から5年提供してきた)
    • バックアップ
      • 2014年から提供してきた
    • Atlasは上記、モニタリング/バックアップサービスの上に稼働
    • AtlasはAWSで稼働
      • 現在は少なくとも3つのAZを持つリージョンでのみサービス提供
    • VPCピアリングは特に重要な機能
      • 自分のAWSアカウントIDとVPCを入れて有効化
      • Atlasとのトラフィックがプライベートネットワークになる
    • Atlasを選択する理由
      • 信頼性
      • セキュリティ
      • 簡単
      • 価格
  • Mongo Mirror (2017 Q1登場予定)
    • 現在稼働しているMongoDBクラスタをリアルタイムにAtlasへ移行

まとめ

Thermo Fisher社によるAWSで稼働するMongoDBの事例と、同じくAWSを使ってサービス提供されるMongoDB Atlasの紹介でした。

MongoDB Atlasはすでに当ブログでも紹介していますが、ローンチまもないAtlasをすでに本番サービスで運用しているのは驚きでした。

Atlasのコンセプトである、数クリックで簡単に起動、管理から解放されるといった点は、AWSのRDSなどと共通のもので、同じ方向性を持ったサービスと言えます。

Atlasは3つのAZを持つリージョンでのみ提供とあった通り、現在、東京リージョンでは提供されていません。確かに、レプリカセットが3つのノードを標準とするなど、2つのAZでは提供しにくい点などあるかもしれませんが、是非とも東京リージョンでの提供を期待したいと思います。

また、新サービスとしてMongo Mirrorなども今後の提供がアナウンスされましたので、サービス開始を待って検証・レポートしていきたいと思います。