2019|中国・深センというキャッシュレス都市にキャッシュのみで突撃してきた話(前編)

2019年は日本国内でもキャッシュレス化の流れが都市圏を中心に広がりを見せつつありますが、その先進国でもある中国では日常生活にどのように取り入れられているのか実際に現地視察してきました。今回は深センに住んでいる中国人のお友達に協力してもらい、微信支付(ウィーチャットペイ)や支付宝(アリペイ)を使ったモバイル決済やシェアリングサービスを体験してきました。キャッシュのみで。

深センの場所

深圳市(深セン:Shenzhen)は中国の広東省にある副省級市です。面積は1952.84 K㎡、約1500万人の人々が暮らしています。もともとは小さな漁村でしたが、鄧小平氏の改革開放により、1980年に経済特区に指定されてから約40年で急速な発展を遂げました。日本との時差は1時間。テンセントファーウェイディー・ジェイ・アイの本拠地もここ深センにあります。台湾からも比較的近く温暖な気候です。

深センの行き方

日本から深センへは大きく二つの航空ルートを調べました。一つは日本からダイレクトに深セン宝安国際空港に向かうルート、もう一つは日本から一度香港に行きそこから陸路で深センへ入るルートです。この二つを比べると香港経由の方が、圧倒的に航空券が安くて便数も多かったので後者のルートで行きました。航空会社がキャセイパシフィックだったというのも香港経由をチョイスした理由の一つですが。私は中国へ行くのはこれが初めてでしたが「これから深センへ行ってみたい!行くかもしれない!」という方のために何か参考になるかもしれないので、今回使ったルートを詳しく説明します。

今回使ったルート(香港経由)

  1. 成田空港(NRT) → 飛行機で5時25分 → 香港国際空港(HKG)
  2. 香港国際空港(HKG) → 電車で25分 → 九龍駅(Kowloon)
  3. 九龍駅(Kowloon) → 徒歩で10分 → 西九龍駅(West Kowloon)
  4. 西九龍駅(West Kowloon) → 新幹線で15分 → 福田駅(Futian)
  5. 福田駅(Futian) → 電車で15分 → 華強北(Huaqiang Bei)

成田空港から香港国際空港へ

日暮里から京成スカイライナーにより成田第二ターミナルへ。事前にオンラインチェックインしていたので、セキュリティチェックと出国審査を済ませて指定のゲートから飛行機に搭乗するだけです。成田の出国審査はシステムで自動化されているのでスムーズだし、本当に便利な時代になりました。ちなみにオンラインチェックインをしていても、スーツケースなど大型の手荷物を預ける場合は、チェックインカウンターでの手続きが必要になるので時間には余裕をもって行くとよいです。私は身軽なのが好きなので大体どこでもリュック一個で行きます。

香港国際空港から九龍へ

香港国際空港から九龍へは「エアポート・エクスプレス」を使うと乗り継ぎもなくて便利でした。空港から九龍までは約25分で到着します。東京で言うところの成田エクスプレスや京成スカイライナーの感覚で快適です。料金は1名分だと片道で105HKD(1500円程度)ですが、2名分だと150HKD(2100円程度)というように、まとめて購入する人数によって割引がありました。最大4名分まで割引できるっぽいので、複数人で行く場合は誰か一人が人数分まとめて買うとおトクになるようです。これは日本にも欲しいサービスですね。

 九龍から深セン福田へ

エアポート・エクスプレスで九龍に到着したら歩いて西九龍へ向かいます。プラプラ歩いても10分くらいで到着。本当は香港も探検したかったのですが時間もないので、そのまま西九龍から広深港高速鉄道にに乗って深セン福田へ向かいました。この広深港高速鉄道ですが、香港の西九龍駅〜中国の広州南駅までをつなぐ全長142Kmの日本で言うところの新幹線です。料金は席のグレードによって変わりますが、西九龍から深セン福田までだと、最も安い二等席で片道79HKD(約1100円)でした。乗車時間は15分程度。時間的にも料金的にも東京〜新横浜間を新幹線で移動した感覚と近いです。

香港から中国への出入国手続きはまとめて西九龍駅で行えました。ここの出入国で長蛇の列を並ぶ、というようなこともありませんでしたが、到着した時間が遅かったのか列車の座席が空いておらず、約1時間後の列車になってしまいました。少し香港探検する時間あったかも。ただ到着する時間や曜日にもよるかもしれませんが、西九龍で列車に乗るまでに必要な時間はある程度余裕を見ておいたほうがよかもしれません。西九龍で出入国手続きを終えて高速鉄道に乗ってしまえば、約15分で深セン福田へ到着します。高速鉄道はもっと乗っていたいなぁって思うくらいちょっぱや快適です。ここまでは英語も通じるし国際クレジットカードで支払うことができました。ここまでは。

ちなみに香港から深センへは広深港高速鉄道を利用する以外だと、バスや地下鉄に乗って福田口岸や羅湖から入るルートもあるようです。興味がある方は調べてみてください。

福田から地下鉄に乗り華強北へ

深センの主要な場所は地下鉄で移動できます。タクシーも日本に比べると気軽に乗れちゃう価格なのですが、地下鉄は破格でした。地下鉄の初乗りで2元(約33円)、福田から華強北まで3元(約50円)なので行けました。だいたい地元の人はスマホを自動改札機にかざして入場(ウィーチャットペイのミニプログラムでQRコード決済)しているので、券売機を利用している人は見かけなかったことと、空港にあるようなセキュリティチェック(手荷物スキャン)が設けられていたのが印象的でした。この日のホテルは華強北の近くに予約をしていたので地下鉄で向かいます。

福田駅には券売機は2つほど設置されておりタッチパネル方式。日本と同じように目的地を選んで支払い(ウィーチャットペイもしくは現金投入)するとトークンが払い出されるので、そのトークンを自動改札機にかざして入場します。このトークンは下車駅の自動改札機に投入した時に回収される仕様でした。ちなみにこの辺りから英語が通じないのと国際クレジットカードがほぼ役に立たなくなりました。今回は多少の人民元を持っていたのでそれで支払いました。

恐るべしキャッシュレス都市

先にお伝えしておくと、深センでは地下鉄、タクシー、ホテル、レストラン、屋台、UFOキャッチャー、マッサージ機に至るまで、ありとあらゆるサービスがモバイル決済を前提に設計されていました。現地で現金を持ち歩いている人はほぼいません。事前にある程度調べてはいたのですが「言ういても現金いけるっしょ」とか安易に考えていた私が甘かった。甘すぎました。中国に行く際は必ず、微信支付(ウィーチャットペイ)を登録して成田空港にあるポケットチェンジで残高をチャージ、そしてバックアップ手段として銀聯カード(ぎんれんカード)を用意して行いくことを本気でおすすめします。

では、深センのキャッシュレス事情について体験してきたことを紹介していきます。

ビジネスホテルにて

初日、福田から移動して華強北駅近くにあるホテルについたのは既に23時を過ぎていたと思います。レセプションで今日予約してる旨を伝えるのですが英語がまったく通じません。ほうほう。掃除のおばちゃんも巻き込んで、双方あらゆる手段を用いて言葉の壁を乗り越えよう努力した結果、どうもチェックイン時間を過ぎてしまったことで予約が自動的にキャンセルされているようでした。本当にすまなかった。

ホテルの部屋にはまだ空きがあるようでしたが、お互い言っていることがわからずに苦労しているとそこに一人の若者が登場。

若者「ダイジョブデスカ?」

 

 私「え?ニホンゴ?」

 

若者「ハイデキマース」

 

この若者の通訳によってホテルスタッフとのやり取りは一気にスムーズに! そして無事部屋を確保!ありがとう!これで寝れるわ!

若者「支払いウィチャペイやで」

 

 私「やっぱそうなんかーい」

 

そうです。ここでもウィーチャットペイ。アリペイもモーマンタイみたいなこと言っていますが現金はNG。ぐぬぬ。 ホテルスタッフに国際クレジットカードなど色々と試してもらいましたが、ハンディターミナルが受け付けず決済できませんでした。

心優しいイケメンと粘り強く対応してくれたホテルスタッフに感謝を意を表し、我々はホテルを後にしました。

高級ホテルにて

現地時間で既に0時を回っていました。空腹に宿なし。徐々に口数も減ってきます。 野宿すっか。いやまて。高級ホテルならば英語も通じて国際クレカも使えるのではないか?

ベトナムでは大活躍した海外向けWiFiルーターもここ中国では電波がよくありません。 土地勘もないし、足で稼いで遂に高級そうなホテルを発見しました。ここであれば。 豪華なエントランスを抜けると笑顔が爽やかな一人のスタッフ。英語通じるー!

彼は国際クレジットカードも使えると言っています。いいぞいいぞ。 ・・きっとでもお高いんでしょ?

爽やかスタッフ「この部屋だと一人ソファーなっちゃうけど2000元ですね」

 

当時のレートで1人民元は16.5円なので2000元だと33,000円くらい。 海外のホテルは大体ルームチャージ。一人あたり10,000円ちょいの計算。

私「じゃ、それでお願いします!」

 

爽やか「あ、でもウィーチャットペイ払いなら1300元になりますよ」

 

私「え、まじすか」

 

爽やかスタッフさんは、絶対その方がおトクだからと何とかしようと考えてくれています。 がしかし、その肝心のウィーチャットペイに残高はないんですよね。。

爽やか「現金ありますか?そしたら私から貴方に送金することができますよ」

 

そんな裏技使っていいんですか。ただ現金も500元くらいしかないんですけど。

爽やか「んー、そうだホテル近くに銀行ATMがあるので試す価値はあるかも?」

 

私「よしやってみよ!」

 

中国の銀行ATMからはたまに偽札が出てくることがある、という話も聞いていましたが何事も体験。 国際クレジットカードを使って無事にATMから2000元のキャッシングに成功。よっしゃー。

現金は手に入れたものの、この作戦の前提は「爽やかスタッフから私たちへ送金が可能」ということ。 まずは少額で試してもらうことにしました。が、結果的に送金はできませんでした。

ウィーチャットペイの仕様的に、誰かからの送金を受け取るためには「中国の銀行口座カードでの本人認証が必要」なようです。 三回くらいエラー出してると「お前のアカウント怪しい」とかの理由で、ウィーチャットからディアクティベートされました。 再びアクティベートする方法はありますが、SMSでの本人認証に加えて、自分以外のウィーチャットユーザーの協力が必要なります。 これは資金洗浄などに悪用されないためかもしれませんね。外国人には不便ですがしっかり考えられて作られているようです。

最終的に割引きなしで支払おうとしましたが、なんと、その爽やかスタッフさんが自分のウィーチャットペイでホテル代の決済してくれました。 何でもアリですか。こういうの解決の仕方って日本だと明らかに無理だろうなぁ・・それをスタッフの個人判断に任せているあたりも驚きました。

本当にいやな顔せずあの手この手を色々と考えてくれた爽やかスタッフさんありがとう!謝謝! 初日でいきなり二人の神に出会って人の暖かさに触れました。

後半につづくよ Under Construction