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【書評】「Chef活用ガイド」はChefをもうちょっと深く広く知りたい人にオススメの一冊

2014.05.11

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はじめに

こんにちは植木和樹です。2014年4月28日にアスキー・メディアワークスより「Chef活用ガイド コードではじめる構成管理」が出版されました。

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実は私、本書のレビューに参加させていただきまして、4月の下旬にクリエーションライン様より本を頂戴していたのですが、ご紹介に時間が経ってしまって申し訳ありませんでした。

手元に本が届いて最初の感想が「厚っ!重っ!」というものでした。レビューは電子ファイルで行っていたのでピンとこなかったのですが、ページ数にして671ページ(!)あります。ビックリなボリュームです。決してボリュームに腰が引けてレビューが遅れたわけではないんですよ。

Chef初めての人には「入門Chef Solo」それは変わらず

私自身Chefを知り使い始めたのは昨年2013年の2月頃です。ちょうどネット界隈でChefが話題になった時期ですね。その後、伊藤直也さんの書かれた「入門Chef Solo - Infrastructure as Code」を読んで、そこで分からないことは本家のリファレンスを読みつつレシピを書いておりました。

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こちらの本は、Cookbookを作ってサーバーを構成するまでに必要な内容が、コンパクトかつ十分な文量で紹介されています。そのため、これからChefを始めたい・覚えたいという人には1年経った現在でも、この「入門Chef Solo」が最適の一冊だと思っております。

では「Chef活用ガイド」は誰にオススメかといいますと、「入門Chef Solo」で深く取り上げられなかった機能を知りたい人に手にとっていただきたいです。

お役立ちポイント

個人的には以下のトピックが大変参考になりました。

  • DataBag(第8章)
  • Environment(第9章)
  • Ohai(第3章)
  • Recipe DSL(第11章)

(すべての目次は書籍ページに掲載されていますので参考にしてください。Chef活用ガイド

Chefを使ってしばらくすると、いくつか躓くポイントがあると思います。

  • 「Environment(開発・本番)でAWSのクレデンシャルを切り替えたいんだけど、どうしたらいいんだろう?」
  • 「ある特定のノード(Role)だけ設定(Attribute)を変えたいんだけど、どこに設定すればいいのかな?」
  • 「無理やり execute リソースで処理しちゃったけど、もっと適したリソースないのかな?」
  • 「すべての環境に同じOSユーザーを作りたいんだけどEncrypted DataBagの使い方がよくわからない・・・」

ネットを調べてもChefについてまとまって書かれている日本語情報はなかなかありません。Chefのこの機能ってどんなものなんだろう?という調べ物のきっかけとして「Chef活用ガイド」を読むことをオススメします。

この本のオススメの読み方

それにしても671ページってすごいボリュームですよね。

Chefの機能は非常にたくさんありますし、Cookbookの作成だけでなくレシピのテストやChefを用いた運用までも含めると扱うべき内容は膨大です。さらにこの書籍は「Chef-Server」や「Ohai」「test-kitchen」「LWRP」の話題まで含んでいます。しかし実際に読んでみると1つ1つのトピックはそれほど文章量はなく、コードサンプルやコマンド一覧のようなリファレンスが多いことに気付きます。

扱う範囲が広いので、すべての章が万人に有用なわけではないと思います。そのためこの本は「入門Chef Solo」と違い頭から最後まで読み通す本でなく、「あれ、これってどんな機能だろう?どうやって使うのかな?」と思った時に、その章をめくって参照するのが良いと思います。

そのため電子書籍版もでていますが、個人的には紙の方を一冊買って職場の自分の本棚に置いてパッと取り出せるようにしておき、わからない箇所に付箋をつけておく使い方がいいじゃないかなと思ってます。

まとめ

というわけで「入門Chef Solo」から約1年。「入門Chef Solo」では触れられなかった機能の解説や、Chef界隈のこの1年の機能追加のフォロー、そして現場のノウハウが詰まった本が出てくれてうれしい!というのが個人的な感想です。

関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。

どうやら今月には「Chef実践入門 ~コードによるインフラ構成の自動化」が技術評論社からでるようです。著者の安藤さんいわく「2冊の書籍が異なるキャラクターで被る部分があまりない」ということなので、こちらも出版が楽しみな1冊です。ぜひ2冊購入してChefマニアになりましょう!

※ ほぼ同時期にでるChefの本でタイトルも似通っているので、自分の中では「Chef白本/黒本」で識別しています。今回ご紹介したのは「黒本」です。

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↑ amazon記法で書くと共著者が全員でない!著者陣が超豪華でご紹介しないのはもったいないのでここでご紹介します。吉羽 龍太郎さん(@ryuzee)、 安藤 祐介さん(@yando)、 伊藤 直也さん(@naoya_ito)、 菅井 祐太朗さん(@hokkai7go)、 並河 祐貴さん(@namikawa)。

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↑ こちらは著者が澤登 亨彦(@sawanoboly)さん と樋口 大輔さん。そしてクリエーションライン株式会社様が監修となっています!