会社で右肩を脱臼した時の対処と事務手続き

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こんにちは。DI部の春田です。今月4月から新社会人となりました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

タイトル読んで「はあ!?」となるかと思いますが、先日業務中に右肩を脱臼しました。高校で部活をやっている時から右肩に脱臼グセがあったのですが、今回はただ上に伸びしただけで外れてしまい、自分でもびっくりしました。

さて、ITの業務はパソコンの前に座っていることが多いですし、怪我する機会はほぼないかと思います。良い機会ですので、もし業務中に病気や怪我をした時、対応や事務手続きをどう進めていくのか、今回の経験を踏まえてまとめていきたいと思います。(技術ブログとは・・・?)

発生から病院搬送までの流れ

もし勤務中に誰かが怪我や病気をした時、以下の点を確認していきます。

1. 病人・怪我人の状態を確認する

怪我人になるべく安静を保ってもらい、医療機関に状況を説明するために、病人・怪我人がどこを患っているのかを確認します。命に関わる場合は、真っ先に 119 番に通報し救急車を呼びましょう。

救急車を呼ぶべきかの判断に、埼玉県南西部消防本部のページが参考になります。それでも判断がつかない場合には、 #7119 に電話することで、救急相談センターに適切な対処方法を伺うことができます。

救急車を呼ぶ前に - 埼玉県南西部消防本部

また、応急処置については、総務省消防庁に e-learning のページがあります。UI/UXが良く1時間かからずにスラスラ学習することができました。興味のある方は、お近くの消防署で応急手当講習を受けてみるのもいいかと思います。

一般市民向け 応急手当WEB講習

今回のような脱臼は何度か経験しているので、近くにいた人に「肩を脱臼してしまったので、近くの整形外科を探してもらっても大丈夫ですか?」とお願いしました。

2. 医療機関と搬送方法を確認する

救急車を呼ぶ必要がない場合は、まずは適切な医療機関を探します。病院の診療時間 には十分注意気をつけてください。念のため電話もかけておき、状況の説明と今から搬送することを伝えておきましょう。後ほど詳しく話しますが、一時的に保険が適用できない可能性があるので、会計はカード払いできるかどうか、院内にATMがあるかどうかを合わせて確認しておきます。最近はカード払いに対応している病院も増えてきているそうですね。

歩けない怪我人・病人の搬送方法について、自社の車が手配できなければ、タクシーを呼ぶのが一般的かと思います。最近はスマホアプリで手軽に配車できる一方、ユーザー数が多いため配車までに時間がかかる場合があるそうです。オフィスの立地によっては路上のタクシーを捕まえた方が早い場合があるので、緊急時は臨機応変に対応していきましょう。

今回は肩の激痛からまともに歩くことができなかったので、路上のタクシーを捕まえてもらいました。

保健か?労災か?

業務中に起きた病気・怪我で診察は、普段の診察と精算が大きく異なります。と言いますのも、診療に対して 「保険」 が適用されるのか 「労災」 として認定されるのか、その場ですぐ判断することは難しいからです。労災かどうかを判断するのは「本人」 や「会社」 ではなく、「労働基準監督署」 です。そのため、基本的にその場では保険を適用させず、一旦は全額を自己負担することとなります。

労災の分類には様々なものがありますが、今回のケースは業務中に起きた怪我であるため 「業務災害」 という分類になります。業務災害について、厚生労働省は以下のように定義しています。

業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡をいいます。 業務上とは、業務が原因となったということであり、業務と傷病等の間に一定の因果関係があることをいいます。(いわゆる 「業務起因性」 。) また、業務災害に対する保険給付は労災保険が適用される事業に労働者として雇われて働いていることが原因となって発生した災害に対して行われるものですから、労働者が労働関係のもとにあった場合に起きた災害でなければなりません。(いわゆる 「業務遂行性」 。)

出典:業務災害とは(業務上の負傷・疾病) | 福島労働局 (アクセス日:2019/04/12、一部中略)

業務災害は、さらに以下の3つのケースに分かれます。

  1. 事業主の支配・管理下で業務に従事している場合
  2. 事業主の支配・管理下にあるが業務に従事していない場合
  3. 事業主の支配下にあるが、管理下を離れて業務に従事している場合

今回は、「1. 事業主の支配・管理下で業務に従事している場合」に当てはまります。「業務起因性」と「業務遂行性」が認められた場合、特段の事情がないかぎりは業務災害と認められるようです。ただし、以下の4つの状況を除きます。

  1. 労働者が就業中に私用(私的行為)を行い、または業務を逸脱する恣意的行為をしていて、それが原因となって災害を被った場合
  2. 労働者が故意に災害を発生させた場合
  3. 労働者が個人的な恨みなどにより、第三者から暴行を受けて被災した場合
  4. 地震、台風など天変地異によって被災した場合(ただし、事業場の立地条件や作業条件・作業環境により、天変地異に際して災害を被りやすい業務の事情があるときは、業務災害と認められます)

出典: 労災保険給付の概要|厚生労働省 (アクセス日:2019/04/12)

さて、今回のケースは「脱臼グセのもつ者が、業務中に伸びをするという生理現象をして、右肩を脱臼した」という上の例外にも当てはまらず、かといって業務や環境が起因した怪我ではない非常にイレギュラーな事故となってしまいました。その場で労災か判断できなかったため、一旦労基署の確認待ちとして全額を現金で払いました。

翌日労基署の確認が取れ、今回の事故は「背伸びは業務起因性、災害性がないため、労災には該当しない」という結果となりました。後日、保険証を病院と薬局に持っていき、診察料の7割を返金してもらいました。

(改めて全額負担してみると、保険制度のありがたみがわかりますね)

仮に今回の事故が「労働災害に該当する」と認定される場合、労基署に「給付・費用請求書」を提出する必要があります。「給付・費用請求書」はいくつか様式があり、業務災害のケースでは 「様式第5号」 を記入していきます。これには怪我人の住所・氏名・生年月日から、災害の日時や原因、診察を受けた病院の情報、会社の情報などを記入する欄があり、この書類をもとに労働基準監督署から承認が得られると、医療費の全額が会社負担となります。

この他にも、病院まで搬送した交通費などを請求できる「様式第7号」など様々な様式の書類があります。もし労働災害が起きてしまった場合は、まずどの様式を書かなければいけないのかを確認していきましょう。各書類は、厚生労働省のHPからダウンロードできます。

労災保険給付関係請求書等ダウンロード

まとめ

今回の経験をまとめますと、以下のようになります。

  1. 病人・怪我人の状態を確認し、本当に緊急の場合には 119 番に通報する
  2. 病人・怪我人がなるべく安静な体勢になれるよう手配し、必要なら応急処置を行う
  3. 近くの医療機関を探し、移動手段を手配する
  4. 現金をかなり多めに持っていく(重要)。またはカード払いができるか、院内にATMがあるかどうか事前に確認しておく。
  5. その事故が「労災」と見なされるのか、労働基準監督署に確認する
  6. 労災の場合は、給付・費用請求書に必要事項を記入し、労基署に提出する

業務中の発病・怪我は、普段の診療と精算が異なる可能性があるため、お金を多めに持っていくことだけ忘れないようにしてください!