SORACOMのGPSマルチユニットで100円ショップの加湿器の性能を測る

SORACOMのGPSマルチユニットを試してみました。難しい設定なしで超絶簡単にIoTを試すことができます。GPS機能が標準で利用できるのもアツイです。
2020.04.30

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

SORACOMで最近販売されるようになった「SORACOM GPSマルチユニット」を入手しました。
暖かくなってきたので加湿器の利用シーンはなくなりつつありますが、簡単な動作確認として少し触ってみました。

GPSマルチユニットSORACOM Edition(バッテリー内蔵タイプ)スターターキット - IoT プラットフォーム 株式会社ソラコム

SORACOMのGPSマルチユニットって?

元は京セラ社のGPSマルチユニットですが、これにSORACOMのSIMを使って簡単に各種環境センサーの値を取得して、IoTを試してみることができます。取得できるデータは、「温度」「湿度」「加速度」「位置情報」の4つです。

大きさはこんな感じです。(単3電池と比較)

03-gpsunit

詳しくは下記ページなどでご確認ください。

「GPS マルチユニット SORACOM Edition スターターキット」の出荷を開始いたしました! – SORACOM エンジニアブログ

思い立った背景

ずっと在宅で仕事をしていると、運動不足にもなり自分の健康が心配になります。そこで仕事中は、デスクの上に以前ダイソーで買った「500円の加湿器」を置いて使っています。

そんなある日、ふと「この加湿器の性能は果たしてどの程度のものなのか?自分の健康にプラスに立ってるのか?」と気になり湿度を測りたくなりました。

最初は、温湿度センサーをマイコンにつなげてAWS上で可視化しようと思っていたのですが、ちょうど「GPSマルチユニット」を入手したタイミングだったので、これを使って遊んでみようと思い立ちました。

検証に使うダイソーの加湿器

検証に使った加湿器はこちらです。ダイソーで500円の商品として販売されています。
スタイリッシュなデザイン(色は黒と白の2種類)で2019年冬に発売された当初は、どこの店舗に行っても売り切れで在庫がありませんでした。

中の水がなくなると自動的に停止する他、電源ボタンを長押するとライトが光ります。これで夜に加湿器をひっくり返さなくてもすむようになっています。

04-hum-machine

温湿度を取得して可視化してみる

やること

おおまかにやることを列記すると下記の3点です。

  • GPSマルチユニットのセットアップ
    • SIMを挿入して電源を入れます
  • センサー情報取得の設定
    • 取得データの選別、データ取得間隔などを設定します
  • SORACOM Lagoonで可視化
    • ダッシュボードの作成

GPSマルチユニットを使わず全部構築する場合は、もっと多くの作業が発生します。(下記は一例です)

  • 温湿度センサーのデータシートを確認
    • 配線のための情報などを確認します
  • マイコンのセットアップ
    • Raspberry Piなどのマイコンをセットアップします
  • マイコンとセンサーの配線
    • ブレッドボードやジャンパワイヤを使って回路を作ります
  • データ収集プログラムの作成
    • センサーから値を取得するプログラムを書きます
  • データをクラウドに保存するプログラムの作成
    • データをAWSのデータストアなどに保存するプログラムを書きます
  • 収集データを可視化する環境の構築
    • Kinesis FirehoseでS3にデータ保存するような環境を構築します
    • S3上のデータをQuickSightやElasticsearch Serviceなどで可視化する環境を構築します

GPSマルチユニットを使う場合は、全てソラコムのユーザーコンソールで作業でき、非エンジニアの方でも簡単に行うことができます。
逆に、マイコンを使う場合は、プログラムの作成やクラウド上でのプラットフォーム構築など、専門的な知識が多く問われる形になります。

どの程度簡単にできるかは、下記の動画を試しに見てください。実際にデバイスのセットアップから可視化まで30分でできちゃいます。

動画を見るだけでソラコムLagoonによる可視化まで非常に簡単にできるので、このブログでは具体的な手順は書きません。ぜひ上記の動画を見てください。

やってみた結果

いきなり結果のグラフです。
青色のグラフが湿度で、黄色のグラフが温度を表しています。

02-lagoon-graph

加湿器を置いた部屋は6畳ほどの大きさですが、加湿器を付けると「湿度が10%程度上昇」したことが分かります。ただし、非常に小さい加湿器なので机の周辺だけ変わる程度です。

この日は寒かったので途中でエアコンを付けましたが、机の周りはあまり湿度は変わりませんでした。
加湿器は水がなくなると自動的に停止しますが、止まってから湿度が下がっていることもグラフから分かります。

上のグラフのようにLagoonはグラフのタイトルや色など描画などをカスタムできるので、コンソールから設定するだけで見やすいグラフを作成することができます。便利!

加速度センサーも確認してみる

温湿度だけでは面白くないので、他のセンサーも見てみようと思います。
とはいえ外出自粛中なので、GPSセンサーは諦めて加速度を試してみましょう。

色々と置き方を変えて確認してみます。まずは、平置きしてみます。

05-gps-unit-xyz

この状態でグラフを確認してみると「ーZ」方向(紫色)に重力加速度がかかっていることが分かります。

06-xyz-z

次にそのまま立たせてみます。

07-x

グラフ上では「+X」方向(青色)に重力加速度がかかっています。

08-xyz-x

最後に縦長方向に立たせてみます。

09-y

「ーY」方向(緑色)に重力加速度がかかっていることが分かりました。

10-xyz-y

以上から下記のように加速度を検知できることが分かりました。

11-unit-xyz

最短1分間隔の定期送信になるので、GPSマルチユニットの加速度センサーは使いみちを模索してみたいと思います。

最後に

100均の加湿器とはいえ、それなりの効果があることが分かりました。
せっかくなので本格的な加湿器と比べてみたくなりますね。機会があればレポートしてみたいと思います。

夏場になるとクーラーにより湿度が下がるので、暑くなってきた頃に思い出してもらえると幸いです。

以上です。