FSx for ONTAP: Enterprise-grade unified storage for any application に参加してきました#AWSreInvent

2023.12.28

Breakout Sessionの「STG220-S | FSx for ONTAP: Enterprise-grade unified storage for any application (sponsored by NetApp)」のセッションを聴講しました。

そちらのレポートになります。

セッション概要

In today’s fast-paced business landscape, organizations are engaged in a contest of technological advancement. They need to deliver applications faster, more reliably, more securely, and more efficiently. AI accelerates and intensifies the game, introduces challenges, and expands the size of the prize. NetApp solutions can turn disruption into opportunity with performance-enhancing, cost-cutting, data-protecting storage and cloud data services. In this session, featuring two NetApp customers in a panel discussion, explore Amazon FSx for NetApp ONTAP enhancements and how to migrate, run, and scale enterprise applications like generative AI, VMware Cloud, SAP HANA, databases, and more. This presentation is brought to you by NetApp, an AWS Partner.

(以下機械翻訳)

目まぐるしく変化する今日のビジネス環境において、企業は技術的進歩の競争にさらされている。より速く、より確実に、より安全に、より効率的にアプリケーションを提供する必要がある。AIはこの競争を加速し、激化させ、課題をもたらし、賞金の規模を拡大します。ネットアップのソリューションは、パフォーマンスを向上させ、コストを削減し、データを保護するストレージとクラウドデータサービスによって、混乱をチャンスに変えることができます。本セッションでは、ネットアップのお客様2社をパネルディスカッションにお招きし、Amazon FSx for NetApp ONTAPの機能強化と、ジェネレーティブAI、VMware Cloud、SAP HANA、データベースなどのエンタープライズアプリケーションの移行、実行、拡張方法についてご紹介します。このプレゼンテーションは、AWSパートナーであるNetAppがお届けします。

レベル : 200

セッション動画

レポート

Amazon FSx for NetApp ONTAPの概要

まず、信頼性やアジリティの向上、総所有コスト(TCO)の削減など、クラウドコンピューティングの利点を紹介されていました。特にWernerのKeynoteで紹介されていたThe Frugal Architectのとおり、コストが重要な要件ということが強調されていました。

why run your applications in the cloud

Amazon FSx for NetApp ONTAP(以降FSxN)はフルマネージドサービスであるため、先述のクラウドコンピューティングの利点を享受しやすいということですね。EC2インスタンスでファイルサーバーを構築するより、運用負荷は非常に低くなると思います。

また、PBレベルに対応できる唯一のフルマネージドストレージサービスのようです。これはFabric Poolという技術を使うことによって、SSDだけでなくキャパシティプールストレージにストレージを拡張しています。

why fsx for ontap for storage in aws

続いて、FSxNの機能や特徴についての紹介がされました。

  1. SNB/NFS/S3やiSCSIなどのマルチプロトコルに対応
  2. Single-AZとMulti-AZのどちらにも対応
  3. NVMeキャッシュやFabric Poolを用いたアクセス頻度に用いたTiering、重複排除/圧縮/コンパクションなどのStorage Efficiencyなどパフォーマンスやデータ削減に役立つ機能が豊富
  4. FlexCloneを使ったThin Cloneの作成、SnapLockによるロバスト性のあるバックアップなどデータの管理に役立つ機能
  5. SnapMirrorを使ったリージョンレベルのDR対策や、オンプレミスや別リージョンへのキャッシュの配置
  6. CloudWatchやEKSなど他AWSサービスとの連携

このような豊富な機能を使うことで、アーカイブ目的の強いファイル共有サーバーとして使用したり、HPCのデータストアをして使用したり、様々なアプリケーションの要件に対応することが可能です。

個人的にはFabric Poolというアクセス頻度の低いデータを安価なストレージに自動で階層化してくれる機能が好きです。

データが数TBあったとして、そのデータの多くが頻繁にアクセスされないかと思います。そのような場面でFabric Poolを使用することでSSDの使用量を抑えることができ、TCOを大きく削減することが可能になります。

FSx for ONTAP architecture

re:Invent期間中にあったFSxNのスケールアウトファイルシステムについても触れられていました。

こちらを活用することでReadの最大スループットが4GBpsから36GBsと大幅に増加しています。パフォーマンスが9倍も向上していることになります。

Furthering performance with Scale-out

このアップデートによりHPCやVFXなどのハイパフォーマンスを求めるワークロードにも活用しやすくなったと思います。

FSx for ONTAP Scale Out

スケールアウトのアップデートについては以下記事でも触れています。詳細は以下記事をご覧ください。

ユースケース

ユースケースについても紹介されていました。

ONTAPをオンプレでも活用しているハイブリッド構成であることも多いとのことです。

例えばEDA分野ではFlexCacheを使って効率的なキャッシングを行なっているようです。FlexCacheを活用することで全てのアクセスが拠点間ネットワークが通るのではなく、キャッシュに存在しないもののみオリジンへアクセスするようになります。こうすることでネットワークレイテンシーの影響を小さくすることが可能です。

FSx for ONTAP for EDA workloads

また、ミッションクリティカルなDBなど高性能で低レイテンシーを必要とするアプリケーションのためにiSCSIのデータストアとして利用するユースケースも紹介されていました。

EBSボリュームでやろうにもMutli-AZ構成とするためには、自前でデータレプリケーションの仕組みを組む必要が必要です。これにはコストも手間もかかります。

Block Storage with FSx for ONTAP

FSxNではMulti-AZのファイルシステムを用意して、iSCSI LUNを作成するだけで簡単に用意することが可能です。加えて、FlexCloneでThin Cloneを作成したり、重複排除・圧縮などのStorage Efficiencyを聞かせることで物理的なデータ使用量を減らしてTCOの削減にも繋がります。

SQL Server のFailover Cluster InstanceやSAP HANAデータストアとして使う事例もあります。さらに別のリージョンにFSxNファイルシステムを立ててSnapMirrorで転送することで簡単にRPO/RTOが短いDR環境を構築することが可能になります。

SQL Server with FSx for ONTAP

Modernize SAP environments with for FSx for ONTAP

また、NetAppが提供しているTridentというCSIドライバーを活用することで、FSxNの高性能で豊富なデータ保護機能のメリットを享受することが可能です。

Imperove cost, agility, time to value for EKS

生成系AIとの組みわせも紹介されていました。ベクターデータベースのストレージやMLパイプラインとして使えるのではないかとのことでした。個人的にはONTAP S3が既存のS3バケットと連携するような形になれば、より活用しやすいのではと思っています。

Unlock the value of generative AI with enterprise data

パネルディスカッション

以降はパネルディスカッションです。

クラウドに移行するにあたってSnapMirrorを使用されたようです。ブロックレベルで差分転送することでフォルダやファイル数の影響を受けづらいですし、重複排除や圧縮などのデータ削減効果を維持しながら転送できるのは強いです。やはりオンプレでもONTAPを使っている場合はSnapMirrorがファーストチョイスですね。

また、Storage Efficiencyによるデータ削減効果や、Fabric Poolによる階層化も活用されているようでした。FSxNに移行することでワークロードのパフォーマンスとスループットを向上させ、管理のオーバーヘッドを削減しているとのメッセージが多分に含まれていました。CloudWatchやCloudFormationとAWSサービスを活用したり、SnapCenterというNetAppのサービスでバックアップのオーケストレーションをしているようです。

FSxNは万能ストレージ

「FSx for ONTAP: Enterprise-grade unified storage for any application」のセッションの紹介をしました。

FSxNの万能ストレージ感を存分に味わうことができるセッションでした。ただし、利用をする際は他のストレージサービスとの違いやユースケース、Pros/Consを加味した上で採用しましょう。

また、日々のアップデートにより、昨日までのベストプラクティスが今日もベストプラクティスとは限らないこともあります。何を持ってそのサービスを採用したのかの根拠を明らかにしておくことが重要だと考えます。

この記事が誰かの助けになれば幸いです。

以上、AWS事業本部 コンサルティング部の のんピ(@non____97)でした!