AWS認定トレーニングの選び方ガイド
お知らせ
最新版のトレーニングガイドを公開しております。
以下、旧バージョンです
AWS認定トレーニング講師の平野@おんせん県おおいたです。
みんな、温泉入ってますかー? (挨拶
今日は本業のAWS認定トレーニングについて書きます。
このブログでお話ししたいこと
AWS認定トレーニングにはいくつかのコースがあります。 どのコースも、「受講して良かった」という声を多くいただきます。
一方で、受講者とコースのミスマッチにより、満足度が下がるケースも見受けられます。 簡単すぎたり難しすぎたりするケースです。
そこで、自分にあったコースを選んでいただけるように、ブログにまとめてみることにしました。
AWS認定トレーニングとは
AWS認定トレーニングは、AWSの公式トレーニングメニューです。 クラスメソッドも2021年1月から提供しています。
次のような特徴があり、
- AWSのトレーニングチームが開発/アップデートをしている
- 世界中の企業が技術者育成に活用している
- AWSとAWSが認定したパートナー企業(ATP)が提供できる
- 専用カリキュラムに合格したトレーナー(AAI)が登壇できる
下記のようなトレーニングコースを提供しています
AWS認定トレーニングの使い方
AWS認定トレーニングは、皆さんのAWSスキルアップストーリーの中に位置付けるものだと思っています。どのようなストーリーかは、皆さんそれぞれ異なると思います。 ここでは、2つのケースに分けて考えたいと思います。
個人で勉強している人
まずは、具体的な業務指示はないが、自分自身のスキルアップのためにプライベートな時間に勉強されている方です。 個人の勉強であれば、「期限」を設ける必要がありませんので、様々なハンズオンや、コミュニティの勉強会などに繰り返し参加することで、AWSのスキルアップできます。
一方、AWS認定トレーニングは有料ですので、個人で負担するには勇気が必要です。お財布とよく相談してご参加ください。
企業での人材育成
次に、業務としてAWSを利用する必要がある場合です。 企業活動ですので、事業計画が存在し、そこにはゴール/期限があります。
そのためには、効率的に組織としてのAWSスキルを向上させる必要があります。
AWS認定トレーニングは、限られた期間(1日〜3日)を最大限活用できるように設計されています。つまり、効率的に学べるということになります。
もちろん、AWS認定トレーニングだけで全てが完結するわけではありません。継続的なスキルアップも必要になってきます。最初に述べたスキルアップストーリーを持って受講することで、受講の効果を大きく伸ばすことができます。
例えば、受講後にAWSの勉強を始めるためのリンク集などを活用いただき、社内勉強会を開催するのも1つの方法です。 また、AWSを利用した実務自体も大きな成長の機会です。現場での課題解決の経験を共有することで、組織としてのスキルアップにつながります。AWSの利用方法に困ったらクラスメソッドメンバーズのサポート窓口を利用いただくこともできます。さらに、社内で課題解決できない場合は、弊社コンサルティングなども活用いただけます。つまずきも重要な成長のチャンスです。どんどんチャレンジしてください。
「AWS認定トレーニング」が「受講してよかった」だけで終わらないようご活用ください。
コースの選び方
では、本題の「コースの選び方」です。 今回はクラスメソッドが現状提供している3つのコースの選び方をガイドしていきたいと思います。
1. AWS Cloud Practitioner Essentials
概要
20以上のAWSサービスを、広く浅く学びます。サービスの詳細より、サービスの目的/どう役立つのかに焦点を当てて理解を深めます。
期待される結果
- 業務で利用するAWSの基本用語を理解でき、コミュニケーションが円滑になります
- よりベストプラクティクスにそったAWSの利用方法を選べるようになります
- 「AWS認定クラウドプラクティショナー」レベルの基本的な知識を習得できます
オススメしたい人
- これからAWSを始めるIT部門の方
- 営業、企画、財務部門など、IT部門以外の方
オススメしない人
- AWSスキルのある方。例えば、すでに認定資格をお持ちの方。
受講前にやっておきたいこと
- AWSの入門本、入門用コンテンツなどにざっと目を通しておく。キーワードだけでも知っておくと、トレーニングでの吸収力がUPします。
- マネージメントコンソールにログインして、ざっと見学しておく。ログイン経験があると、ハンズオンラボをスムーズに行えます。
2. AWS Practical Startup Workshop
概要
EC2+RDSをベースにしたWEBアプリケーション環境を、ハンズオンメインで構築アップデートしていきます。
期待される結果
WEBサーバー環境の構築からモニタリングまでの一連の流れを、実際に手を動かして経験することで、現場での実践力が身につきます。
オススメしたい人
- WEBサービス構築/運用の経験があるインフラエンジニア
- AWSにチャレンジしたいアプリケーションエンジニア
オススメしない人
- エンジニアとしての業務経験のない方
- Linuxコマンド、mysqlコマンド、vi等エディタの経験のない方
受講前にやっておきたいこと
- WordPressを題材に環境を構築しますので、WordPressインストール・セットアップ、管理画面の利用(投稿)などの経験があるとスムーズに進められます。
3. Architecting on AWS
概要
AWSにおけるアーキテクティングの基本を、3日間かけて学びます。
期待される結果
- ベストプラクティスに基づいた設計ができるようになります
- 「AWS認定ソリューションアーキテクト–アソシエイト」レベルの基本的な知識を習得できます
オススメしたい人
- AWSを利用したサービスの設計構築を行うエンジニア
- 要求仕様を策定/レビューし、アウトソーシングを行う責任者
- CCoEの責任者/担当者
オススメしない人
- AWS未経験者
受講前にやっておきたいこと
- 「AWS認定クラウドプラクティショナー」レベルの知識習得/構築経験
2021.8.追記
2021.9よりセキュリティ系サービスもスタートします。こちらもご参考にしてください。
トレーニングコースの概要
最後にカリキュラムの内容を簡単にご紹介します。
1. AWS Cloud Practitioner Essentials
講義
タイトル | 主な内容 | |
---|---|---|
モジュール1 | AWSクラウドの紹介 | クラウドのメリット グローバルインフラストラクチャ 管理インタフェース |
モジュール2 | クラウドの開始方法 | EC2 EBS S3 VPC |
モジュール3 | クラウドでの構築 | CloudWatch Auto Scaling ELB RDS DynamoDB DMS CloudFormation Elastic Beanstalk Direct Connect Route 53 EFS Lambda SNS CloudFront ElastiCache |
モジュール4 | インフラストラクチャを保護する | 責任共有モデル IAM Inspector Shield |
モジュール5 | 料金モデルとクラウドアプリケーションのサポート | 料金の基礎 簡易見積りツール Cost Explorer Trusted Advisor AWSサポート |
モジュール6 | アーキテクチャ | Well-Architected フレームワーク |
ハンズオン
タイトル | 内容 | |
---|---|---|
ラボ1 | Amazon S3 | バケット作成、アクセス制御、バージョニング、など |
ラボ2 | EC2にウェブサーバーを構築する | VPC、サブネット、インスタンス作成、など |
ラボ3 | Trusted Advisor でセキュリティを監査する | Trusted Advisor、セキュリティグループ、MFAなど |
2. AWS Practical Startup Workshop
講義
タイトル | 主な内容 | |
---|---|---|
モジュール1 | Amazon EC2とAmazon RDSで最小構成のブログサイトの構築 | グローバルインフラストラクチャ VPC EC2 Session Manager RDS |
モジュール2a | 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part1 | S3 AWSの操作-API インスタンスメタデータ |
モジュール2b | 高い可用性を持つブログサイトの構築 Part2 | AMI ELB RDS Multi-AZ |
モジュール3 | モニタリング | CloudWatch Systems Manager |
モジュール4 | Web Applicationにスケーラビリティを追加 | Auto Scaling Auto Healing RDSのスケーリング ユーザーデータ |
モジュール5 | バックアップ・リストア | EC2のバックアップとリストア RDSのバックアップとリストア クロスリージョンコピー CloudFormation |
モジュール6 | コースのまとめ | コースの振り返りなど |
ハンズオン
タイトル | 内容 | |
---|---|---|
ラボ1 | Amazon EC2とAmazon RDSで最小構成のブログサイトの構築 | DBサーバー(RDS)構築 APPサーバー構築 WordPressインストール、など |
ラボ2a | 高い可用性を持つブログサイトの構築 | S3の準備 プラグインのインストール、など |
ラボ2b | 高い可用性を持つブログサイトの構築2 | WEBサーバーの可用性向上 DBサーバーの可用性向上 ELB動作確認 RDSフェイルオーバー確認、など |
ラボ3 | モニタリング | 標準メトリクスのモニタリング CloudWatch Agentの設定 アラーム設定、など |
ラボ4 | Web Applicationにスケーラビリティを追加 | Auto Scalingの設定、動作確認 RDSのスケールアップ、など |
ラボ5 | バックアップ・リストア | WEBサーバーとDBサーバーのバックアップ 別リージョンでのWordPress環境のリストア |
3. Architecting on AWS
講義
タイトル | 主な内容 | |
---|---|---|
モジュール1 | はじめに | クラウドとは クラウドの利点 Well-Architected フレームワーク AWS グローバルインフラストラクチャ |
モジュール2 | 最もシンプルなアーキテクチャ | S3 S3 Glacier リージョンの選択 |
モジュール3 | コンピューティングレイヤーを追加する | EC2 EBS EFS |
モジュール4 | データベースレイヤーを追加する | RDS DynamoDB DMS |
モジュール5 | AWSにおけるネットワーク (パート 1) | VPC,Subnet,ENI セキュリティグループ |
モジュール6 | AWSにおけるネットワーク (パート 2) | VGW Direct Connect Transit Gateway ELB Route 53 |
モジュール7 | AWS Identity and Access Management (IAM) | IAM Cognito Organizations |
モジュール8 | 伸縮性、高可用性、モニタリング | CloudWatch CloudTrail Auto Scaling DBのスケーリング |
モジュール9 | オートメーション | CloudFormation Systems Manager |
モジュール10 | キャッシュ | CloudFront DynamoDB Accelerator ElastiCache |
モジュール11 | 疎結合アーキテクチャの構築 | SQS SNS MQ |
モジュール12 | マイクロサービスとサーバーレスアーキテクチャ | ECS Fargate Lambda API Gateway Step Functions |
モジュール13 | RTO/RPOおよびバックアップの復旧設定 | RTO/RPO 各手段 復旧戦略 |
モジュール14 | 最適化とレビュー | アーキテクチャの再設計 |
モジュール15 | コースのまとめ | まとめ |
ハンズオン
タイトル | 内容 | |
---|---|---|
ラボ1 | 静的ウェブサイトのホスティング | バケット作成 ウェブサイトのデプロイ サイトの公開 |
ラボ2 | AWS でウェブアプリケーションをデプロイする | セキュリティ設定 EC2,RDSのデプロイ |
ラボ3 | 仮想プライベートクラウドを作成する | VPC環境の構築 VPC Peering |
ラボ4 | 高可用性の環境を作成する | Auto Scalingグループ作成 ALB作成 3層アーキテクチャ構築 |
ラボ5 | AWS CloudFormation を使用したインフラストラクチャのデプロイのオートメーション | CloudFormation |
ラボ6 | AWS Managed Services を使用してサーバーレスアーキテクチャを実装する | Lambda SNS DynamoDB S3 Cognito |
グループディスカッション
内容 | |
---|---|
グループディスカッション1 | 新規構築するWeb/DBのアーキテクチャーレビュー ※ |
グループディスカッション2 | 信頼性の低いWebアプリケーションの改善 ※ |
※クラスメソッドのオリジナルコンテンツを利用します
環境確認
開催はオンラインとなります。 アクセス制限のある環境からご参加の場合は、下記の確認用URLにてご確認ください。 (各サービスのドメインへのアクセスをご確認いただけます)
サービス | 確認用URL |
---|---|
zoom | テストミーティングに参加するには(zoom公式) |
Slack | Slackの使い方(Slack公式) |
Qwicklabs | https://classmethod.qwiklabs.com/ |
eVantage | eVantageアカウント作成画面 |
cacoo | https://cacoo.com/ja/ |
まとめ
今回はAWS認定トレーニングの選び方についてまとめてみました。 多くの方がAWSのスキルを取得することで、多くの企業が成功し、個人・組織共にハッピーになっていただきたければと思います。