2023年版 世界中で最適なAuth0リージョンを探してみる #Auth0

2023.10.25

現在Auth0のパブリックリージョンは 日本(JP)、アメリカ(US)、イギリス(UK)、ヨーロッパ(EU)、オーストラリア(AU) の5つから選択できます。

世界中のデータセンターからAuth0にアクセスする場合、どのリージョンを選べば良いのか、ログインにかかる時間をもとに考えていきたいと思います。

本ブログは 2023年版 アジア(Tokyo)に最適なAuth0リージョンを探してみる の続編となります。

検証方法は前回記事をご覧ください。今回は結果だけまとめていきます。

結論

データセンター(DC)から地理的に近いリージョンを選択するのが最適

データセンター 最適リージョン
アメリカ - サンフランシスコ US
アメリカ - ワシントン US
ドイツ - フランクフルト EU
イギリス - ロンドン UK
中国 - 香港 JP
シンガポール AU
オーストラリア - シドニー AU
インド - ムンバイ UK,US,AU

気づき

USリージョンに対しては、東海岸DCより西海岸DCの方が早かった
→Auth0のUSリージョンは西海岸側に存在する?

EUリージョンに対しては、イギリスDCとドイツDCでほとんど差がなかった
→ヨーロッパ圏の複数拠点でAuth0を構築する場合EUリージョンが有力候補になるか

香港DCからは、JPリージョンとAUリージョンでほとんど差がなかった
→地理的に日本が近いが意外な結果に 香港からはJP, AUリージョンのどちらで構築しても良さそう

やってみた

Auth0のエンドポイントに対して、トークンを取得しログインユーザーの情報を取得するスクリプトの総実行時間(Duration)をSyntheticsで取得し可視化

対象DC

  • アメリカ - サンフランシスコ
  • アメリカ - ワシントン
  • ドイツ - フランクフルト
  • イギリス - ロンドン
  • 中国 - 香港
  • シンガポール
  • オーストラリア - シドニー

対象リージョン

  • 日本 - ラベル名:auth0region_to_jp
  • アメリカ - ラベル名:auth0region_to_us
  • ヨーロッパ - ラベル名:auth0region_to_eu
  • イギリス - ラベル名:auth0region_to_uk
  • オーストラリア - ラベル名:auth0region_to_au

さあ、世界中のデータセンターにとって最適リージョンはどこ?

可視化

New Relicで以下の2つのクエリをそれぞれで実行し、可視化をしました

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

SELECT percentile(duration,50)
FROM SyntheticCheck
WHERE locationLabel = ''
FACET monitorName
TIMESERIES 5 minute
SINCE 1698166800 UNTIL 1698199200

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

SELECT max(duration),min(duration),average(duration),percentile(duration,50)
FROM SyntheticCheck
WHERE locationLabel = ''
FACET monitorName
SINCE 1698166800 UNTIL 1698199200

アメリカ - サンフランシスコ(西海岸)

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

アメリカ - ワシントン(東海岸)

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

ドイツ - フランクフルト

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

イギリス - ロンドン

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

中国 - 香港

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

シンガポール

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

オーストラリア - シドニー

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

まとめ

何点か意外な結果はありましたが データセンターから地理的に近いリージョンを選択すること が最適だと思います。

(追記)インド - ムンバイ

インドにとって「地理的に近い」のは日本、オーストラリア、ヨーロッパでどこになるのだろうと疑問になり、追加調査しました。

1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ

2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル

インドからは、イギリス(UK),アメリカ(US),オーストラリア(AU)リージョンが早い結果となりました。かなり僅差ですね。 ただ予想と違い日本(JP)とヨーロッパ(EU)リージョンが上位になかったのが意外でした。陸路より海路の方がより早く繋がることができる、ということでしょうか。