こんにちは、AWS事業本部の荒平(@0Air)です。
皆さんはインターネット上で「このページの更新を追っかけたいのにRSS対応してない・・・!」となったことはありませんか?
今回はそうなってしまった自分のためにページの更新状況を確認する仕組みを作ってみました。
(RSS非対応を追う仕組みを持つプラグインやサービスはいくつか存在していますが、しっくり来なかったため)
ちなみに、RSSに対応しているページの場合は以下のような仕組みで実現が可能です。
前置き
- この仕組みは、実際に取得リクエストが送信されるため高頻度で実施しないようにしてください(相手のサーバに負荷を与える行為と判定される可能性があります)
- ページを取得してハッシュ化し、差分チェックを行うという仕組み上、ページのレスポンスが毎回異なるサイトなどには利用できません(ハッシュ値が毎回異なるため)
構成図
本エントリの構成図です。
CloudWatch EventsからLambda関数を定期実行し、ウェブサイトを確認、ハッシュ化したものをDynamoDBに格納します。差分があれば、通知するといった仕組みです。
作ってみる
1. ハッシュ格納用のDynamoDB
DynamoDBのテーブルを作成します。
テーブル名は何でもよいですが、ここではWebsiteHashes
とします。パーティションキーはURL(String)としました。
テーブルがアクティブになっていれば準備完了です。
2. 通知先のAmazon SNS
通知先のSNSトピックを作成し、Slackのチャンネル宛にメールが飛ぶように設定を行いました。
SNSトピックのARNはLambda関数に組み込むため、メモなどに控えておきます。
3. サイトチェック用Lambda関数
Python 3.xのランタイムを持つLambda関数を用意し、以下のコードを貼り付けます。(筆者環境はpython 3.11
)
ここでは省略しますが、 requests
のレイヤーを追加する必要があります。(参考)
import json
import hashlib
import requests
import boto3
from botocore.exceptions import ClientError
dynamodb = boto3.resource('dynamodb')
sns = boto3.client('sns')
TABLE_NAME = 'WebsiteHashes'
SNS_TOPIC_ARN = 'arn:aws:sns:ap-northeast-1:0000000000000:arap-slack'
URLS = [
"https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/mgn/latest/ug/mgn-release-notes.html",
"https://docs.aws.amazon.com/drs/latest/userguide/drs-release-notes.html"
]
def lambda_handler(event, context):
changes_detected = []
for URL in URLS:
# URLからコンテンツを取得
response = requests.get(URL)
content = response.text
# コンテンツをハッシュ化
current_hash = hashlib.sha256(content.encode()).hexdigest()
# DynamoDBから前回のハッシュを取得
table = dynamodb.Table(TABLE_NAME)
try:
response = table.get_item(Key={'URL': URL})
previous_hash = response['Item']['hash'] if 'Item' in response else None
except ClientError as e:
print(e.response['Error']['Message'])
previous_hash = None
# ハッシュを比較
print("Hashed:", current_hash, previous_hash)
if current_hash != previous_hash:
# ハッシュが異なる場合は、SNSに通知
message = f'Website content at {URL} has changed.'
sns.publish(TopicArn=SNS_TOPIC_ARN, Message=message)
# 新しいハッシュをDynamoDBに保存
table.put_item(Item={'URL': URL, 'hash': current_hash})
changes_detected.append(URL)
if changes_detected:
return {
'statusCode': 200,
'body': json.dumps(f'Changes detected in: {", ".join(changes_detected)}; notifications sent.')
}
else:
# ハッシュが同じ場合は何もしない
return {
'statusCode': 200,
'body': json.dumps('No change in website content for all URLs.')
}
9行目は作成したDynamoDBのテーブル名を、10行目は通知先のSNSトピック名をそれぞれ置き換えます。
12行目〜15行目については、対象のURLを記載します。
(余談ですが、今回私は、AWS MGNのリリースノートがRSS非対応ページのため、これを確認する目的でこの通知を構築しています。)
ついでではありますが、最近注目していたAWS DRSのリリースノートも対象に入れておきます。
続いて、Lamdba関数の権限を編集します。今回は、以下のインラインポリシーをLambda関数に追加しました。
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "VisualEditor0",
"Effect": "Allow",
"Action": [
"sns:Publish",
"dynamodb:PutItem",
"dynamodb:DescribeTable",
"dynamodb:ListTables",
"dynamodb:DeleteItem",
"dynamodb:GetItem",
"dynamodb:UpdateItem"
],
"Resource": "*"
}
]
}
手動でLambda関数を起動してみます。1回目はDynamoDBにハッシュが格納されていないため、通知が飛び、2回目以降は(更新がなければ)何も起こらないはずです。
4. CloudWatch Eventsで定期実行化
Lambda関数のトリガーを追加します。
Eventsのルール名と、スケジュールを入力して「追加」します。
ここでは、朝9:10に確認して通知して欲しいので、cron(10 0 ? * * *)
としました。
実行結果を確認
ちょうどこの仕組みを作った数日後にAWS DRSのリリースノートページに更新があり、朝9:10にしっかり通知が来ました!
個人的には、早朝キャッチアップ用に使い勝手がとてもよいです。
おわりに
取得先のWebサイトをハッシュチェックして差分を出しているため、どこが変わったのかなどは確認できません。(どのみち、更新されたサイトを見に行くので不要かと思っています)
差分の文章チェックも欲しい場合は、ページごと保存しておくなど追加実装が必要です。
今回は、Slackチャンネルのメールアドレスを使っていますが、AWS Chatbotを使っても面白いかも、と終わってから思いました。是非お試しください。
このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
それでは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)がお送りしました!