概要調査アンケートと詳細調査アンケート

2024.01.03
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
従業員エンゲージメントパルスサーベイのように対象の概要を把握するための調査(概要調査アンケート)は、小さな負荷で大まかな傾向を把握するのに便利です。一方で、単発の調査では問題の詳細まで把握することが難しい面があります。
そこで、詳細調査アンケートと組み合わせることで、問題を明確にする方法についてまとめます。

詳細調査アンケート

詳細調査アンケート対象領域について詳細に調査を行う手法です。
従業員エンゲージメントを確認するためのサーベイの対比としては
  • パルスサーベイ
    • 実施頻度 - 月次など頻繁
    • 概要調査アンケート - 少数の設問で概要を把握
  • センサスサーベイ
    • 実施頻度 - 年次、半期など長期
    • 詳細調査アンケート - 多数の設問で詳細を把握
のような2種類が定番です。
昨今の流れとしては、世の中の変化の速さとそこへの適応の必要性からパルスサーベイを選択するケースが増え始めています。一方で、パルスサーベイ単体では詳細を把握することが難しく、設問の中から課題のある箇所が把握できたら、その詳細を把握するための追加調査が必要になります。
追加調査は
  • 個別インタビュー
  • チームで議論
などの方法もありますが、アンケートで実施する場合、詳細調査アンケートを実施することになります。なお、概要調査アンケートと詳細調査アンケートは専門用語ではなく、便宜上区別するためにこの記事において独自で命名しています。

パルスサーベイにおける詳細調査アンケートの例

例えば、パルスサーベイで「成長実感」に関する以下のような設問があったとします。
  • 日々の業務を通して自分が常に成長できているという実感がある
この部分のスコアが低かった場合、要因を絞るために詳細調査アンケートを以下のような内容で実施します。
  • 自由記述
    • 自己の成長における最大の課題は何ですか?
  • 選択方式(5段階のリッカート尺度
    • あなたは成長を求めていますか?
    • 担当している業務の中に、成長につながる要素がありますか?
    • 成長のために必要な知識、スキルを把握していますか?
    • 成長につながる要素を自分で作り出すことが得意ですか?
    • 成長について考える場合、他者ではなく、過去の自己と比較していますか?
    • あなたが成長できたことについて周囲から言及されることはありますか?
    • 周囲から成長につながる支援を受けていますか?
この結果によって、「成長実感」という大枠の課題感から、どの部分に不足があるのか更に詳細化した情報を得ることができます。

まとめ

概要調査アンケートと詳細調査アンケートについてまとめました。
今回は従業員エンゲージメントパルスサーベイを例にしましたが、例えば顧客満足度調査におけるNPSは概要調査に当たるため、詳細調査と組み合わせることで、顧客満足度の不足をより詳細化して捉えることができるかもしれません。例えば、NPS調査で
  • 顧客の推奨度を10段階で回答
  • 推奨度の理由
を取得していた場合、推奨度の理由の内容から課題感を大枠で把握できたとします。その課題感を更に掘り下げるような詳細調査アンケートを実施するような流れが考えられます。
課題感を把握する前に詳細すぎる大量の設問でアンケートを実施すると、確認項目が膨大になってしまいます。
場合によっては、特に課題感のない部分について詳細調査をすることにもなります。
概要調査アンケートと詳細調査アンケートの組み合わせで、課題感のある部分のみに対してコスパよく詳細調査をできるといいところどりができます。

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