人事関連の業務プロセスと作業手順の整備

2023.12.19
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
組織の中には人事に関わる様々な業務プロセスや作業手順があります。
人事業務が安定した質や効率で実施できるように整備されていることもあれば、不安定で非効率なままになっていることもあります。
今回は、人事関連の業務プロセス作業手順の整備についてまとめます。

人事関連の業務プロセスとは?

人事関連の業務プロセスとは、採用・入社・人事異動・管理職の就任・昇格・昇給など、人事に関わる業務のプロセスのことです。
業務プロセスを可視化することで、対象業務の工程・依存関係・担当者などを関係者が把握できるようになります。
これにより、連携の不足、工程の非効率など、プロセスに関わる課題を発見しやすくなります。

改善対象となる業務プロセスの種類

改善対象となる業務プロセスには以下のような種類があります。
  1. 未整備の業務プロセス
  2. 共有されていない業務プロセス
  3. 安定していない業務プロセス
  4. 非効率な業務プロセス

未整備の業務プロセス

未整備の業務プロセスは、一切整理されていない業務プロセスです。
一連の業務は、定まったプロセスや手順がなく、各担当者がアドリブで実施している状態です。

共有されていない業務プロセス

共有されていない業務プロセスは、本来必要な関係者全体に共有されていない業務プロセスです。
こういった業務プロセスは必要な関係者全員の目を通していないこともあり、このあとに続く「安定していない業務プロセス」であったり、「非効率な業務プロセス」である可能性を含んでいます。

安定していない業務プロセス

安定していない業務プロセスは、業務プロセスはある程度整理され、文書化されているものの、その一部が属人的に実施されているような業務プロセスです。
該当部分の実施が抜け漏れたり、質が安定しなかったりする原因になります。
また、該当業務を未経験の人が手順を元に対応しようとすると、どのように実施していいか困ることになります。

非効率な業務プロセス

非効率な業務プロセスは、必要な業務プロセスは整っているものの、改善余地があるような業務プロセスです。
例えば
  • 余分な業務プロセスが存在する
  • 自動化可能な業務プロセスが存在する
  • 依存関係が考慮されていないため、組み換え余地のある業務プロセスが存在する
などのようなパターンがありえます。

改善対象の業務プロセスを発見する方法

改善対象となる業務プロセスは以下のような方法で発見できます。
  1. 対症療法を行っているは業務プロセスを見つける
  2. 複数の関係者をまたぐ業務プロセスを整理する
  3. 第三者目線を取り入れる

対症療法を行っているは業務プロセスを見つける

業務の実施時に対応のぬけもれや、ミスが発生し、即時対応で対応することがあると思います。
いわゆる対症療法を行っているケースです。
都度応急処置となる対応をしていると、一見業務に問題ないように見えるかもしれませんが、業務プロセスそのものを整えておけば、ぬけもれやミスの予防が可能になります。

複数の関係者をまたぐプロセスを整理する

複数の関係者をまたぐ業務プロセスは複雑で改善余地が残りがちです。
関係者全体で業務プロセスの全体像を共有していない場合、部分最適に陥いることがあるためです。

第三者目線を取り入れる

自分が当事者をしている業務に対してはどうしても問題点に気づきにくい側面があります。
第三者目線に該当業務の流れを説明する機会を作ると、フラットに俯瞰した目線で改善対象をフィードバックしてもらえることがあります。
また、第三者に整理して伝えようとすること自体、問題に気づきやすくする側面があります。

業務プロセスを整備する方法

業務プロセスに関わる前提情報を収集する

業務プロセスを整理するにあたって、以下のような前提となる情報を洗い出します。
  • 該当業務に関わる部門はどこで、担当者は誰か?
  • 該当業務にはどのような制約があるか?

業務プロセスを洗い出す

前提情報が分かったら、あとは具体的な業務プロセスを洗い出します。
該当する部門、担当者にヒアリングを実施し、業務プロセスの詳細を洗い出します。
業務プロセスを整理する場合
  • 一本道か?分岐があるか?
  • 各工程の担当部門はどこか?担当者は誰か?
を踏まえつつ整理します。
また、業務時間の短縮の目的がある場合は各工程に必要な時間も洗い出します。

洗い出した業務プロセスを文書化する

収集した情報を文書化します。文書化の方法として業務プロセス図があります。
業務のプロセス図は、関係者が業務の全体像を理解するための図で、BPMN記法などを用いて記載されます。
プロセスの依存関係と、主体が誰かが分かるような形で図示します。
例えば以下のような形です。

人事関連の作業手順とは?

人事関連の作業手順とは、採用・入社・人事異動・管理職の就任・昇格・昇給など、人事に関わる業務における個別のタスクの実施手順のことです。
作業手順を手順書という形で文書化することで、対象業務を決まった手順で実施することができるようになります。
これにより、作業のぬけもれを防いだり、成果の質の安定度を高めることができます。
また、一度手順に起こした状態をスタート地点として継続的に手順の質を高めるきっかけにもなります。

作業手順書を掘り下げたい人へ

作業手順書について詳しく知りたい方は、以下を参照ください。

例外について

業務プロセスや作業手順に向かないケース

常に同じプロセス、手順とは限らない、アドリブが必要な業務は業務プロセスや作業手順の整備が向かない領域です。

業務プロセスや作業手順の整備を見送るケース

業務プロセスや作業手順が整備されているに越したことはありませんが、これらの整備と継続運用には導入コストが掛かります。
そのため、
  • 導入によるメリット
  • 導入コスト
  • 他の課題との相対的な重要度
などを加味して、業務プロセスを整備したり改善することをあえて先送りにするケースもあります。
例えば、実施頻度が多い業務プロセスほど整備時の効率化度合いが大きくなります。また、実施の質が低かった場合に及ぼす業務への悪影響が大きいほど、安定して高い質で実施できるようにした場合の恩恵が大きくなります。こういった部分が対応有無の判断に影響してきます。

まとめ

人事関連の業務プロセス作業手順の整備についてまとめました。
人事業務の中には一定のプロセスと手順を必要とする場面が多々あります。
これらを可視化、整理し、不安定な状態から安定した対応ができる状態を作り、それを土台に継続的な改善を実現可能にしましょう。

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