mixpanelとBIツール(Tableau、Lookerなど)の違いとは?

mixpanelとBIツールの違いについて解説します。
2023.07.25

ミックスパネラーの國崎です。
今回は分析ツールとして比較されることも多い「mixpanel」と「BIツール」の違いについてお伝えします。

この記事でわかること

  • mixpanelとBIツールは何が違うのか
  • それぞれどういう人が扱うのか
  • 選ぶ際に考えるべきポイント

mixpanelとBIツールは何が違うのか

mixpanelとBIツールについて各機能の違いを述べる前に、それぞれの製品がどのようなものなのかを簡単にお伝えします。

mixpanelとは

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mixpanelとは「プロダクト分析ツール」になります。
オンライン上のユーザー行動を可視化する機能に優れており、複雑な条件定義や行動の深い分析もGUI上で簡単に操作できるのが特徴です。

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BIツールとは

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BIツールとは「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、ビジネス上の意思決定を支援するための情報分析ツールです。
代表的な製品だと「Tableau」「Looker」があります。
企業が取り扱うデータを取り込んで加工し、レポートやダッシュボード、グラフなどに可視化します。

2つの製品概要を把握したうえで、以下に違いがわかる比較表を作ってみました。

mixpanel BIツール
データ連携 SDKの埋め込み 連携するデータ元(DWHなど)の準備と連携作業
SQLなどの専門知識 不要 分析内容や取り扱う製品によっては必要
分析面 ユーザー行動を起点にしたデータであれば時間、推移、遷移、量など多くの切り口で分析できる。
マジックナンバーや行動経路の可視化など複雑な定義が必要な分析もGUIで簡単にできる。
ユーザー行動を起点にした分析はある程度の専門知識が必要な上に定義決めが複雑になる。
単純な計測データの組み合わせによる可視化であれば簡単に行える。
データの反映時間 SDKであればリアルタイム反映 データ元の反映とデータ元との連携設定に依存する

各項目の比較について以下補足をいたします。

データ連携における違い

mixpanelにデータを連携する際は、SDKの埋め込み作業が発生します。
BIツールにデータを連携する際は、連携するデータ元の準備とそのデータをBIツールに連携する作業が発生します。

mixpanelのSDKを埋め込む作業は2パターンあり、「WEBやアプリに直接埋め込むクライアントサイド」と「サーバーに埋め込むサーバーサイド」のやり方があります。
クライアントサイドの場合はフロントエンドエンジニア、サーバーサイドの場合はサーバーサイドエンジニアのスキルが必要になります。

ただ、既に埋め込まれているGTMがあれば、そのGTMからmixpanelをSDK埋め込むやり方もありますので、その場合はGTMを扱えるスキルがあればSDKによるデータ連携は行えます。

BIツールにデータを連携する際は、連携するデータ元を準備する必要があり、そのデータがCSVなどのデータであれば特段専門のスキルなどは必要ありません。
ただ、連携したいデータ元がデータウェアハウスにあるデータなどになると、そのデータウェアハウスを扱うスキルと、それらのツールとBIツールを連携させるためのスキルが必要になります。

SQLなどの専門知識

mixpanelでは殆どの設定をGUI上の操作で行うことが可能です。
そのためSQLなどの専門知識がなくても、ユーザーの行動分析においては簡単に、どなたでも扱えるツールとなっているのが特徴です。

BIツールでは分析をしたいデータによっては複雑な条件式を定義しないと使えない機能もあります。
また製品によってはGUI上の操作だけでは機能が制限されているものもあるので、特に初期の設定段階においてはSQLなどの専門スキルがないと扱えない製品もあります。

分析面

mixpanelはオンライン上のユーザー行動を可視化する機能に優れており、「誰がどこから来て、どの行動をどのタイミングで行い、どこで制約したのか」や「ある目標設定に対して最も相関性の高い行動とその行動回数や行動タイミングはいつか」などの複雑な分析もGUI上で行うことが可能です。

BIツールは複数のデータをGUI上で組み合わせて様々なグラフの形で可視化することが可能です。
ただ、mixpanelのように行動を起点に深掘りした分析をしたい場合は、専門スキルや複雑な定義決めが必要になります。

データの反映時間

mixpanelのSDKからデータを取得する際は、「リアルタイムでの反映」が可能です。
BIツールは「連携しているデータ元の設定と連携時のデータ送信頻度」に依存します。

データ元のデータ反映がリアルタイムであっても、そのデータ元からBIツールに連携される間隔がリアルタイムでない場合は、その連携される時間感覚に依存します。

それぞれどういう人が扱うのか

mixpanelはGUI上でほとんどの操作が行えることから「誰でも簡単に深いデータ分析ができる」のが1つの特徴としてあります。
また取り扱うデータは「オンライン上のユーザー行動」がメインになるので、オンライン上のユーザー行動分析をして、プロダクト改善につなげる業務を担うすべての方が扱いやすいツールと言えるかと思います。

BIツールは「企業内の既存データを集約、組み合わせたりして、様々な形に可視化する」のに適しているツールです。
mixpanelと比べると、データの範囲がオンライン上の行動だけでなく「企業が持つすべてのデータ」になるので、オフラインも絡めた分析や売上管理、予算管理のデータの分析をする方はBIツールが扱いやすいツールかと思います。
ただ、分析における定義の変更が発生した場合などはそちらを扱えるスキルが必要になります。

選ぶ際に考えるべきポイント

ここまでの内容を聞いて、なおmixpanelとBIツールでどちらを選べばいいか悩んでいると言う方がおりましたら、以下の部分を社内のメンバー間でも話し合って認識を合わせてみるのがおすすめです。

  • 現状の課題は何か?
  • 事業をどうしていきたいのか?

現状の課題が「技術的な専門スキルがないマーケッターでもユーザーの行動分析がしたい」であったり、今後の目指すべき事業の方向性が「アプリやWEBサイトのLTVを改善して売上を向上させたい」などであれば、プロダクト分析ツールのmixpanelが要望に合う可能性があります。

逆に「分析のリソースは十分にあるが、社内に散らばったデータの整理や統合に課題がある」「オンラインだけでなくオフラインの動向も含めた多角的な分析をしたい」などであれば、BIツールが要件を満たす可能性もあります。

クラスメソッドではmixpanel、BIツールであればTableau、Lookerの製品も取り扱っており、お客様に合ったご提案や技術的な支援も行っております。
製品に関してご興味がある方はぜひ一度お問い合わせください。

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また今回紹介したmixpanelについては以下概要を細かく書いた記事も展開してます。
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