目的と目標と手段

2023.10.27
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
仕事において欠かせない要素である、目的・目標・手段についてそれぞれ整理します。
また、目的と手段は連鎖構造になっているため、その点についても整理します。

目的と目標と手段

目的

目的は目指す対象の事柄です。目的は抽象的です。
例えば会社にとって一番大きな目的はMissionという形で定められることがあります。

目標

目標は目指す状態です。目標は具体的であり、到達を定量的に確認することが可能です。
目標は目的を実現するためにその期間で目指す到達水準です。
目標の例としては
  • 売上の目標 - 2023年度は2022度の1.5倍の売上にする
  • 開発速度の目標 - 2023年度末の段階でデプロイ頻度を1回/週以上にする
  • 採用の目標 - 2023年度、年間100名の採用を実現する
などがあります。

手段

手段は目標を達成するための行動です。
例えば先程の目標の例であげた「開発速度の目標」を達成するための手段としては
  • CI/CD基盤を整備する
  • 自動テストを整備する
  • 週次のイテレーションでの開発プロセスを整える
などがありえます。

目的と手段の連鎖

目的と手段は連鎖します。
例えば、こんな感じです。

 

ある手段は、次の階層における目的になります。
そのため、例えば「目的と手段の取り違い」という話題が時折ありますが、実は目的と手段は表裏一体なのです。
では、何が適切な目的と手段なのかというと、「その目的・手段を扱うのがどのレイヤーなのか?」「個人の場合は、どんな役割でどの水準の成果を求められる人なのか?」「それらに合わせた対象、水準の目的になっているか?」が重要になってきます。

個人のグレードごとの目的、目標、手段の例

ジュニアな担当者の例

ジュニアな担当者の場合、まずは一人前の担当者になることが必要になります。
一人前の担当者としての成果を出すために現状だと経験、スキルが不足している部分に対して成果を出していけるような目標を立て、それを実現するための手段を講じることになるのが一般的です。

一人前の担当者の例

一人前の担当者の場合、担当する役割における目的や今年度の方針を踏まえ、その活動の質や効率を高めるような目標を立て、それを実現するための手段を講じることになるのが一般的です。
担当者の場合、取り組む領域自体は大枠で決まっていて、そのHowをどのように磨き上げるか、というケースが多いでしょう。

小規模のチームや領域のリーダーの例

小規模のチームや領域のリーダーの場合、担当するチームや領域における目的や今年度の方針を踏まえ、その活動の質や効率を高めるような目標を立て、それを実現するための手段を講じることになるのが一般的です。
小規模のチームや領域のリーダーの場合、取り組む領域は一定範囲で決まっているものの、その範囲内においては何に対して取り組むかを決めるところから担うケースが多いでしょう。そのため、担当者よりも、事業として生み出す価値について自ら考え、判断する部分が多くなります。

各目標に対するマネージャーのサポート

各個人の目標について、マネージャーとして必要なサポートは変わってきます。

ジュニアな担当者・一人前担当

ジュニアな担当者・一人前担当の目標についてはマネージャーが引っ張っていく範囲が大きくなるでしょう。
一方で、あくまで目標は自ら決めてコミットしていけるのが好ましいため、「やらされ目標」にならないようにする必要があります。目標を考えるためで必要な前提情報や考え方を伝えつつ、決める部分自体は本人に委ねる事ができるのが理想です。そのうえで最終的に合意をしていくことになります。
なお、ジュニアな担当者・一人前担当だが、自発的に取り組み対象を検討・決定していける人については、ぜひそのまま取り組んでもらえるのが理想なので、無理に一律対応にせずに主体性を発揮してもらえるとよいでしょう。

小規模のチームや領域のリーダー

小規模のチームや領域のリーダーについてやリーダー自身に引っ張ってもらう範囲が大きくなるでしょう。
一方で、すべてのリーダーが円滑に目標を決めていけるとは限りません。うまく決めていけないケースの主な要因としては
  • 方針決定に不慣れ
  • 前提情報の不足
のどちらかが大まかなものと予想できます。
方針決定に不慣れな場合は、マネージャーから方針決定の考え方を実例を元に伝えていけるとよいでしょう。
前提情報の不足については、リーダーが方針を考える上で必要な事業の前提・上位方針・リーダーに対する役割の期待などを伝えていく必要があります。これはすべてのリーダーに全く同じ情報を渡せば事足りるかというとそうとは限らず、人によって咀嚼に必要な情報量は異なるため、相手の理解度に合わせて提供していく必要があるでしょう。

まとめ

目的・目標・手段やその連鎖について整理しました。
これらを踏まえつつ、前提に応じた目的・目標・手段を活用していけるようにしたいところです。