理想と現実のギャップ「リアリティショック」への対応 メンバー編

2024.01.26
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
企業に所属している各従業員にはそれぞれが思い浮かべる組織・チーム・業務・役割などに求める期待があります。
この期待と現実に大きな乖離が発生した場合、大きなショックを受けます。
このショックを表す概念である「リアリティショック」に対してどのように対応するのかについて、メンバー本人の目線でまとめます。

リアリティショックとは?

リアリティショックとは、従業員が働く環境において思い描く期待と実際に体験した現実に大きなギャップがあったときに受ける衝撃のことです。

リアリティショックが発生する場面の例、発生原因、影響について

リアリティショックが発生する場面の例、発生原因、影響については、マネージャー目線の記事に記載しています。

リアリティショックへの事後対応

リアリティショックに至ったメンバー本人が後から行うことができる対応としては以下の内容があります。
必要な対応手順としては
  1. ギャップの伝達
  2. 解消・緩和可否の確認
  3. 判断
があります。

1 ギャップの伝達

リアリティショックに至った場合、まずは自分が期待していた内容と現実に対するギャップを伝えることから始まります。
基本的には直属の上司に伝えるのが本命ですが、ギャップの原因に上司が関わっていて伝えにくい場合は他の信頼できる関係者に伝えて相談に乗ってもらうケースがありえるでしょう。そういった背景もあり、所属組織内で上司以外のチーム内外に信頼できる相手が複数いると理想です。

2 解消・緩和可否の確認

リアリティショックの内容を伝えたら、そのギャップの原因に対して影響を与える事ができる人とやりとりをし、ギャップを解消したり、緩和する余地があるかどうかを話し合います。
例えば、学習熱心で技術力の高い同僚と働けると聞いて入社したが、配属されたチームには学習に関心のない同僚しかいなかった場合、即解消は難しいかもしれませんが
  • 組織改編のタイミングでより学習熱心で技術力の高い同僚のいるチームへの異動をする
  • 異動するまでの間、余力がある時間で他部門の学習熱心で技術力の高い同僚と勉強会などで交流できるように取り次いでもらう
などの解消、緩和案がありえます。これらは、実現できるかどうかも含めてその時の状況によりますが、こういった相談・交渉などをすることになります。

3 判断

ギャップの解消や緩和が可能な場合、本人や関係者で選択肢をとる最終判断をします。

リアリティショックの予防

リアリティショックが発生した場合、事後対応ではリカバーできない場合や、その状況を作ってしまったマネージャーの目線でそもそも発生しているかどうか発見できない可能性があります。
そのため、予防ができると理想です。
リアリティショックは期待と現実のギャップから起こります。
そのため、常に自身の期待をマネージャーに明示的に伝えることがメンバー本人目線での予防になります。
例えば、
  • 選考過程で自分が所属組織に期待する内容を明示的に伝える
  • 入社後にマネージャーに期待する内容を明示的に伝える
  • 異動やマネージャーの変更などで上司が変わる場合、新しい上司に期待する内容を明示的に伝える
  • 定期的な1on1などを通して、自身の期待が満たされているのかどうか、満たされていない場合どのような部分が懸念かを継続的に伝える
などの対応がありえます。
ありがちなのが、上司が変わる際に前任と新任の間での引き継ぎが漏れて、メンバーが大切にしていることや前任の上司との間で握っていた約束が抜け漏れてしまうことです。上司の引き継ぎの質に依存しないように、メンバー自身からも伝えておけると確実です。
リアリティショックで対策が一番難しいのは、そもそも自分が望む期待を誰にも全く伝えていない状態です。
たまたま満たされることもあるかもしれませんが、そうとは限りません。人は他人の頭の中を覗き見ることができません。
伝えていない期待を元に不満を持っていても相手は気づきようがありません。

対応できないリアリティショック

リアリティショックは期待と現実のギャップから発生しますが、仮に内容を把握できたとしても期待が過大であったり、企業の方針と大きくズレている場合は満たすことができません。
この場合は、リアリティショックの内容がわかったとしても対処することができません。
そのため、自分が不満に思っていることが妥当な期待かどうかについてフラットに意見をくれる第三者に話してみるのがおすすめです。相談相手としてはマネジメントや人事の経験者などがおすすめです。これらの人たちは会社目線で期待の妥当性や実現難度を想像することができるためです。
逆に身近な同僚や友達の場合、あなたが不満を持っていることに対して同調したり、慰めたり、応援するためし、フラットに内容を検討してくれないかもしれず、自分の期待の妥当性を確認できません。

まとめ

「リアリティショック」にどのように対応するのかについて、メンバー本人目線でまとめました。
人は案外相手に伝えていない暗黙の期待を元に不満を持ちがちです。
まずは日頃から自分の考え、求めていることを伝えることで予防をするのがギャップを防ぐ自衛の入り口になります。
また、全てにおいて自分の期待通りに物事が進むとは限りません。ギャップが発生したときにセルフケアできる手段を持っていると、仕事生活の不満を解消、緩和しやすくなるでしょう。

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