コスト削減の具体的な手順が学べるワークショップ「Continuous cost and sustainability optimization」に参加しました #AWSreInvent

2023.12.01

re:Invent 2023 において、Amazon EC2, EBS, EFS, S3 といった主要なサービスに関する多様なコスト削減方法を学べるワークショップ「Continuous cost and sustainability optimization」に参加してきました。

ワークショップ概要

タイトル

Continuous cost and sustainability optimization

概要

In this workshop, learn best practices for cost and sustainability optimization. Shift costs and sustainability responsibilities from the Cloud Center of Excellence (CCoE) to end users and application owners aided by automation and monitoring at scale. Explore how to use AWS services designed to optimize your infrastructure and your workloads with the aid of AI/ML algorithms to detect anomalies. Building upon real-world use cases, learn about cost efficiency implementing mechanisms that empower application owners to have clear, actionable tasks for cost and sustainability optimization. You must bring your laptop to participate.

SPEAKERS

Francesc Sala

Enrico Bonaccorsi

LEVEL

300

学んだこと

EBS, EC2, EFS, S3 といった主要な AWS サービスのコスト削減方法や考え方について学びました。

その中で、特にためになったのは EBS を gp2 → gp3 に変更する際の IOPS とスループットの確認方法です。

gp3 では IOPS とスループットを設定で変更できるため、どのように適正な値を算出するのか気になっていたのですが、ワークショップ中では次の方法で考えられており、今後の検討時の参考になりました(必ずしもこの方法が正しいわけではない認識です)。

  • Amazon CloudWatch で EBS メトリクスを確認
    • IOPS はVolumeWriteOps, VolumeReadOpsから算出(加算した値を期間で乗算)
    • スループットはVolumeWriteBytes, VolumeReadBytesから算出(加算した値を期間で乗算)
  • スパイクが発生している部分の IOPS、スループットに 20% のマージンを追加した値で gp3 に変更


もう一つ、S3 の不完全なマルチパートアップロードのオブジェクト数を確認して削除する方法もためになりました。Strage Lens の「上位 N の概要」から確認できることを知りませんでした。

もし不完全なマルチパートアップロードのオブジェクトが存在する場合は、ライフサイクルルールを利用して削除できます。ワークショップでの設定内容を下記に示します。

いずれも具体的な手順として用意されていたので、自身のアカウントで実施するイメージが湧きました。

ワークショップの内容

参加者は CCoE の一員である想定で行われるワークショップであり、次の AWS サービスに関するコスト削減を実施していきます。手順がすべて用意されていました。

  • AWS CloudTrail
    • 不要な証跡の削除
  • Amazon EBS
    • gp2 から gp3 への移行
    • スナップショットのライフサイクル管理
  • Amazon EC2
    • インスタンスの自動起動・停止
    • 適切なサイジング
    • Graviton への移行
  • Amazon EFS
    • 階層化
  • Amazon S3
    • 不完全なマルチパートアップロードオブジェクトの削除
    • S3 Intelligent-Tiering の利用
  • Amazon Athena
    • Parquet の利用による圧縮率の改善
  • AWS Lambda
    • Graviton への移行
  • Amazon SageMakaer
    • アイドル状態の SageMaker インスタンスの自動停止
  • Amazon RDS
    • Graviton への移行


各内容はコスト削減に対する次の 4 つのキーコンセプトに沿った内容になっています。

  • リサイズ
  • スケジューリング
  • ライフサイクルポリシー
  • エネルギー効率


4 つめのエネルギー効率は印象に残っており、削減策の最後に「エネルギー消費量が ◯ % 低減した」といった情報がありました。これまで、あまり意識したことがなかったことでした。

ワークショップで用意されている AWS アカウントでは、事前に EC2 インスタンスや S3 などのリソースが作成済みであり、それらのリソースに対してコスト削減策を順番に実施していきます。時間は 120 分(最初の 10 分は説明)だったのですが、半分も終わらせることはできませんでした。それくらい濃厚な内容でした。

さいごに

コスト削減について手順レベルで学べるとても有益なワークショップでした。コスト削減の学習では、対象のリソースを用意することが難しい場合もあるため、ワークショップ側で事前に過剰なキャパシティのリソースなどを用意してくれているのはうれしいポイントでした。

2022 年の re:Invent でも同様のワークショップがあり、再開催の内容でした。残念ながら、EFS のコスト削減について、アップデートされたアーカイブ層の活用が反映されていなかったため、最新化されるとさらに有益なワークショップとなりそうです。

今後も同様のワークショップがあれば、是非参加してみたいです。