仕事のはやさについて考える

2022.11.01

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こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
仕事においてはやさは価値です。同じ質、同じ量の仕事であっても、よりはやく完成できたほうが
  • 最終的な価値をはやく届けることができる
  • 費用対効果としてより高くなる
という点があります。
そこで、仕事のはやさに関わる要素について整理します。

前提

仕事は価値を生み出すためにあります。そのため、あくまで仕事のはやさは「価値を生み出すまでのはやさ」が重要になります。
仕掛り状態となる中間成果物を生み出すのがいくらなやくても最終的な価値を生み出すのが遅ければそのはやさは価値につながっていないことになります。
また、あくまで「質を損なわない範囲でのはやさ」が前提です。

仕事のはやさに関わる要素

問題選定のはやさ

今、取り組み対象になりうる問題群のうち、どれが優先して取り組むべき問題か選択するのがはやい。
すばやい選択に必要となる要素としては
  • 問題選択に必要となる観点を持っている
  • 問題選択に関わる前提知識を持っている
    • 組織内の前提、制約
    • 該当ドメインに関わる知識 - 任意の事業領域、業界領域等
    • 該当専門領域に関わる知識 - ウェブエンジニアリング領域、組織開発領域等
  • 関係者との合意形成
    • お題に関して簡潔に、わかりやすい説明ができる
    • その問題が取り扱うに値する理由や他の業務との相対的な重要度を適切に説明できる
    • 日頃の関係構築ができている
あたり。

問題明確化のはやさ

選定した問題を解決する前に、問題を明確にするはやさ。
すばやい明確化に必要となる要素としては
  • 不足している情報がなにか判別する
  • 不足している情報をどうすれば収集可能か把握している or 推測できる
  • 事実と解釈を判別し、質問によって必要な事実を集めることができる
  • どこまで明確にするか決める上で諦めどころの判断ができる
あたり。

解決策の決定のはやさ

明確化した問題を解決する方法を決定するはやさ。
すばやい解決策決定に必要となる要素としては
  • 問題が未知の場合
    • 経験したことはないが、過去の経験の応用でなんとかできるかどうかの判断
    • 経験の応用でも対応できない場合に解決策がすでに存在しそうかどうかの判断
      • 存在する場合 - 既存の解決手法を見つけること
      • 存在しない場合 - 新たな解決策を自ら考えること
  • 問題が既知の場合
    • 今まで取り組んできた経験により既知の対象が増える
    • 過去の解決策が記憶以外に、社内の情報共有ツール、個人メモ、ブログ等によって参照しやすい状態になっている
あたり。

着手のはやさ

解決策が決定したあと、取り組み始めるまでのはやさ。

実行のはやさ

解決策を実施するはやさ。
領域によってすばやい実行のはやさに関わる要素は異なる。
共通要素になりそうなものとしては
  • 取り組んだ回数が多いほど習熟度が上がる
  • ふりかえり等を通して実行方法そのものを継続的に改善する
あたり。

完了確認のはやさ

実行が正しく完了したか確認するはやさ。
適切に完了確認をできているかどうかは着手時点の完了条件の明確さに依存するため、明確なゴール設定も重要となる。

報告のはやさ

実行が完了した際に必要な関係者にいち早く報告するはやさ。
仮に終わっているが誰にも報告せず、誰も終わった事実を知らない場合、仕事がはやいことが認識されない可能性があります。

要所で必要になる調査のはやさ

仕事は元から知っていることばかりでできるものばかりではありません。
例えば、未知のことがあれば調べる必要があります。
仕事で扱う情報はすべて暗記できるものばかりではありません。
例えば、利用したことはあるが暗記はしていない情報について利用時に手早く見つける必要があります。
頻繁に利用する情報はすぐに参照できるようにアクセスしやすくしておくと便利です。

要所で必要になる理解のはやさ

仕事は元から知っていることばかりでできるものばかりではありません。
知らないことを調べた後、素早く理解する必要があります。

仕事のはやさを支える要素

仕事のはやさに関わる直接の要素以外に、それらを支えるような要素もあります。

固まった集中時間の確保

  • 一定以上のボリュームのタスク
  • 関連資料を一通り用意する、など事前準備を伴うタスク
  • 熟考を必要とするタスク
などのためには、固まった集中時間の確保が必要です。
連続した時間を確保するためにスケジュール調整が必要です。

細切れの時間でも進捗をだせる単位にタスクをばらす能力

一方で、細切れの時間が仕方なく発生する場合もあります。
その際に、タスクが細かく分割してあるとすぐに着手してキリのいいところまで進めやすくなります。
この場合は、事前のタスクばらしが重要になります。
タスクばらしについては以前 Zenn Book を書いたので参考にどうぞ。

未決定で待ちが発生した部分を保留にしつつ、他のタスクをすぐ並行で動かす判断のはやさ

現時点で決定できないもの、待ちが発生しているものについて、ずっと待っていても仕方がありません。
  • 暫定案で進める
  • 保留にしつつ他のタスクに着手する
  • 学習時間にあてる
などの選択肢をすばやく判断すると結果として全体としての成果を出すスピードがあがります。
なお、前提で触れた「価値」にフォーカスする場合、待ちが発生した際に並行実施する内容に注意が必要です。あくまで価値を生み出すまでの流れのはやさを優先し、下手に他の業務に手を付けたら価値を生み出すまでが遅くなると判断したら学習に割り当てて必要なタイミングですぐに次のタスクに戻れるようにする判断も必要です。逆に価値を生み出すまでが送れない想定なら小さなタスクを並行実施するのもありです。このあたりはリソース効率とフロー効率の話になります。

人間関係の良好さ

仕事中同僚との連携は欠かせません。その際に、必要な連携をすばやく実施するためには良好な関係が必要です。

不安ごとを都度整理して、気にかからない状態にすること

不安ごとが残っているとどうしてもふとしたときに不安に思考が奪われてしまいがちです。
つい考えてしまう不安ごとがあるとき、それをどう扱うかについて決めておくのがおすすめです。
不安をどう扱うかについては以前 DevelopersIO で記事を書いたのでどうぞ。

チーム単位で考える仕事のはやさ

ここまで主に個人の仕事のはやさについてまとめました。
しかし、実際はチーム全体の連携の結果として価値が生み出されます。
そのため本当に必要なのはチームとしての仕事のはやさになります。
一旦この記事には詳細に踏み込みまないことにします。

まとめ

仕事のはやさについて考えてみました。
あくまで私が思いつく範囲でまとめてみただけなので、他にも様々な要素があると思います。