強い絆と弱い絆

2024.04.04
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
仕事において、普段やりとりをする上司・部下・チームメイトなどとの信頼関係は重要な要素です。
一方で、他部門や社外など交流頻度は交流頻度こそ少ないものの別の価値をもたらしてくれる関係もまた大切です。
今回はこの2つの関係性について、強い絆と弱い絆という概念を元に整理します。

強い絆

強い絆(Strong Ties)は、人と人との間に深い信頼や親密さが存在する関係を指します。

強い絆の特徴

強い信頼関係

強い信頼関係を元に情報や感情を共有し、相手のことを理解し支援し合うことが可能です。

コンテキストの共有

お互いの共通の理解が整っていることから、細かなコンテキストを共有せずとも理解しあえる範囲が広がります。

継続が必要

関係性は短期間で一気には深まらないため時間をかけた継続的な積み重ねが必要です。
逆に信頼は一気に失われることもあるため、信頼を損なわない振る舞いを継続する必要があります。

強い絆の作り方

強い絆を作るためには、次のような振る舞いが必要になります。
  • 相手とオープンにコミュニケーションを取り、率直な意見や感情を共有すること
  • 相手の立場や感情を理解したうえでのやりとりをすること
  • お互いが困難な時に支援し合い、相手の成長や幸福をサポートすること
  • 共通の関心事を持ち、共通の目的に向けて共に活動すること

弱い絆

弱い絆(Weak Ties)は、親密さや深い関係性が少ない人との間のつながりを指します。

弱い絆の特徴

転機

自分が普段関わる範囲外とのつながりによって、転機を得る可能性を高めることができます。
社内の別部門とのつながりであれば、社内異動時の選択肢が広がり、社外のつながりであれば転職時の選択肢が広がります。

視座・視野・視点の獲得

自分が普段関わる範囲外の多様な人との関わりによって、異なる視座・視野・視点を手に入れることができます。
社内であれば、別部門の目線や異なる役割の人の目線を知ることができます。
社外であれば、異なる会社の状況や事業の目線を知ることができます。

情報のクロスポリネーション

自分が普段関わる範囲外の多様な知識や考え方を持つ人との関わりによって、異なる社会グループやネットワーク間で情報がクロスポリネーション(交差受容)される可能性が高まります。このため、新しいアイデアや情報にアクセスしやすくなります。
結果として、組織課題の解決や価値の創造につながる可能性が高まります。
なお、クロスポリネーションのもともとの意味は異なる花同士の受粉のことで、その用語をアイデアや情報の交換の文脈で転用しています。

一時的な性質

弱い絆は、一時的な付き合いや短期的な関係性が特徴です。関係が継続的でないため、時間の経過とともに薄れることがあります。
そのため、関係性が完全に消えてしまわないようにある程度の頻度での交流を保つ必要があります。

弱い絆の作り方

弱い絆を作るためには、次のような振る舞いが必要になります。
  • 情報発信等を通して社内外の異なるバックグラウンドの人々とつながるきっかけを作ること
  • 異なるバックグラウンドや興味を持つ人々と積極的に交流し、新しい人と出会う機会を作ること
  • 自分の知識や経験を積極的に共有し、他者との関係を構築すること
なお、地道に少しずつ広がる弱い絆とは別に、自身の認知やつながりが一定以上に広がると一気につながりが広がりやすくなる側面があります。このあたりは、六次の隔たりやティッピングポイントについて考えると想像できます。詳細が気になる方は以下の記事をご覧ください。

まとめ

強い絆と弱い絆についてまとめました。
おそらく、強い絆については特別意識しなくても普段から大切にする動きは発生しやすいかと思います。
弱い絆については特徴を踏まえつつ、自身の交流を広げたり、自身も他者の弱い絆を広げる媒介をしたり、つながった結果得た情報を強い絆の範囲に共有するなどするとよいでしょう。