[レポート] 東京おもちゃショー2016の先に見える未来とIoT

[レポート] 東京おもちゃショー2016の先に見える未来とIoT

Clock Icon2016.06.16

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はじめに

東京おもちゃショーとは、毎年東京ビッグサイト西館で行われている玩具見本市です。
主に初夏〜夏休み、秋口までをターゲットとした玩具の新製品が、一同に会する機会です。
また、一般社団法人日本玩具協会が選出した「日本おもちゃ大賞」の発表もあり、今後の玩具業界の展望を知ることが出来ます。
今年度は、2016年6月9日と10日をビジネスデー、11日と12日をパブリックデーとして、4日間開催されました。

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今回触れたいのはハイテク系トレンドトイと呼ばれるもの

2015年度の玩具の国内市場規模は8003億円で、前年度比では99.0%の前年度並みという成長でした。
が、その中でもハイテク系トレンドトイと呼ばれる分類のものは、2013年度は39.6億円の市場規模だったものが、2014年には45.1億、2015年に至っては59.4億と、確実に成長してきています。2014年度比で131.8%と、最も成長している分野と言えます。
併せて、男児玩具分野も451億の市場規模が526億と116.7%の成長がありました。
ちなみに、このハイテク系トレンドトイと呼ばれるジャンルには、ロボットやカメラ・パソコン関係、アプリ系が含まれており、男児玩具にはミニカーやトイR/Cが含まれております。
ハイテク系トイではリニアモーターカーの理論を自宅で体感できる「リニアライナー」や、コミュニケーションに重点を置いた「オハナス」、ロボット玩具などの話題商品が貢献しました。

2016年も、このハイテク系トレンドトイは成長を続けるという見込みがあります。
今回のおもちゃショーでも、その片鱗が見れました。

ここからは、実際の商品を元に、今後玩具業界とクラウドやIoTをどう結びつけていけば良いのかを妄想し、検討したいと思います。

商品紹介

プラレール スマホで運転!ダブルカメラ ドクターイエロー (タカラトミー社)

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長年愛されているプラレール。プラレールは一切レール幅が変更されていないので、昔のプラレールは現代でも再利用可能って知ってましたか?

そんなプラレールに、ユーザーリクエストの高かったカメラ機能を搭載した製品が、16年ぶりに復活します。
正面運転席に「運転士カメラ」を、側面ドアに「車窓カメラ」の2つのカメラを搭載。
正面カメラ映像ではリアルな運転士気分を味わえ、側面カメラ映像は電車から見る景色のような臨場感を味わえます。
この映像が、リアルタイムでスマートフォンで視聴しながら、この2つのカメラの切り替えと、車両の操作ができます。
車両はJR西日本のドクターイエロー(T5編成)をモデルにしています。

スマートフォンとの連携はWi-Fiを利用し、プラレール側は電池を入れて電源を入れるだけ、スマートフォン側はWi-Fiアクセスポイントをサーチして接続するだけで、カメラ映像が見れたり、車両操作したりできるようになる専用アプリケーションを起動して終了。
後は、録画した動画を各種SNSでシェアができるシロモノです。

現段階では、このプラレール製品がIoTとは言い切れません。
まだ、プラレール車体そのものがインターネットにつながっているわけではないからです。
ここから先、プラレールの車窓動画をインターネット経由でリアルタイムで見たり、プラレールの走行データをセンサーデータとして取り込んだり出来ないかなーと。
そんな妄想を抱いてしまいます。

「プラレール スマホで運転!ダブルカメラ ドクターイエロー」2016年10月13日発売予定で、希望小売価格12960円です。

Smapon スマポン (タカラトミー社)

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スマホの画面上に置いたキューブ型の表情を持ったロボットが、ゆるーい会話で癒やしてくれる、そんなコミュニケーション玩具がスマポンです。

スマートフォンに専用アプリをダウンロードして、起動したら、無線LANとかBluetoothとかでの接続など一切必要なく、 画面に表示されたデータを読み取って、スマポンがいろいろな表情を見せてくれます。
画面上には、正方形のQRコードのカラー版、カラーコードのようなものの上に、センサーが付いているスマポンを置きます。
すると、スマポンの裏側のセンサーが読み取って、表情をドット絵で表示するというシロモノです。
(裏面の撮影を行おうと思ったのですが、撮影しないで欲しいとのことでしたので画像はありません。)

この商品の構造上、スマポンは完全な「出力デバイス」として使われており、センサーが付いていて数値が撮れるとか、入力デバイスとしては使えないみたいです。
その分、このスマポンには電池が不要とのことで、割り切りのいい商品ですね。
どう動いてるのか非常に興味が有るところです。

スマポン 2016年7月上旬発売で、余暇は1500円です。値段も安めなので、私も買って試そうと思います。

BotsuNew VR [ボッツニューVR] (メガハウス社)

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2016年10月に発売予定のPlayStation VRをはじめ、Oculus RiftやGear VRなど実売が始まって、いよいよ普及しそうなVR(ヴァーチャルリアリティ)ですが、玩具の世界でもこの波は訪れています。

今回紹介するのは、メガハウス社から発売予定のBotsuNew VRです。
ヘッドマウントディスプレイ部分と、左右の中指にはめて使うボッツニューコントローラーから構成される本製品は、VRを安価に楽しめる商品となります。
ディスプレイ部分はスマートフォンを利用(4インチ〜6インチの端末が利用可能とのこと)することで、コストをおさえています。
そういう意味では、Gear VRなどと同じなのかもしれません。
頭の動きに合わせて360度視界が動き、コントローラーの装着で、専用アプリを操作できます。
スペースシューティングやホラーシューティング、からあげキャッチなどのアプリが順次リリースされるそうです。

2016年8月下旬発売予定で、予価9250円と1万円を切っているのは魅力的です。

JOY!VR 宇宙の旅人 (タカラトミー社)

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こちらもVR商品です。
自宅で宇宙旅行が楽しめるをコンセプトに、前出のBotsuNewVRを観光用にしたような商品です。
スマートフォンと付属のコントローラー(体感スティック)をBluetoothで同期し制御できるところは違いますが、スマートフォンをヘッドマウント前部にはめ込んで使う点では似たような製品となります。

宇宙ツアーや惑星探査、宇宙遊泳やプラネタリウムのような、ゲームというよりは鑑賞することを目的としています。
VRでの発展に一番期待できるところとして、こうした観光や鑑賞的な分野が取り上げられています。

2016年冬に発売予定で、予価は未定となっておりますが、タカラトミーの広報の方にお話を聞いたところ、「安価でVRを体感できる商品にしたい」とのことです。

ロボティスト T.REX 他 (アーテック社)

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2020年小学校でのプログラミング教育が必修化が発表されました。
プログラミング教育の重要性は全世界に認識されています。
ただ、プログラミングは難しそうという先入観は広く持たれています。
「遊びながら学べる」という商品を作りたいというメーカーの思いから生まれたのが本製品です。

ロボットを組み立てたらあとはパソコンでプログラミングをしてロボットを動かせる商品です。
ロボットを組み上げる際に、センサーやモーターなどのパーツを組み込み、それらをプログラムして動かすという、とても組み込み系の匂いがします。
同じような製品に、レゴのマインドストームなどがありますが、これはもうちょっと玩具に特化した製品のようです。

本製品は発売中です。

その他の商品

今まで取り上げれなかった商品で、個人的に気になった玩具を紹介します。

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2016年7月から放映開始するウルトラマンシリーズの最新作「ウルトラマンオーブ」ですが、主人公が持つ変身アイテム「オーブリング(商品名:DXオーブリング)」は、歴代のウルトラマンのカードを2枚読み込むことで、様々なウルトラマンオーブに変身するそうです。
このオーブのカード読み込みですが、NFC(近距離無線)を使ってるそうです。ウルトラマンのカードをNFCカードとして、フュージョン変身遊び、必殺技遊び、怪獣リード遊びなどが楽しめます。

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女児向け商品でも、NFCの玩具が目立ちます。
今年で漫画連載開始20年を迎え、アニメ化もされて何度も再放送されている人気作品「カードキャプターさくら」の封印の杖とクロウカードも、NFCで連動します。 杖をカードにかざすことでアニメの名台詞をしゃべります。はにゃ〜んなシーンを再現できます。
アニメのシーンを忠実に玩具で再現できるようになるとは、20年前では考えられない進化です。
※流石に風を起こしたり飛んだり水を出したりは出来ませんのでご注意ください。

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女児向けで忘れちゃいけないのが日曜朝のおなじみプリキュアシリーズの最新作「魔法使いプリキュア」です。
毎回プリキュアへの変身グッズが色々なギミックを搭載しています。今作では、変身アイテムであるリンクルステッキと、それのシードとなるリンクルストーンが、NFCで通信しているようです。
キュアップ・ラパパ!楽しい仕事が沢山できますように!

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女児向けでもう一つ忘れられないのが、最近放送100回を迎えた「プリパラ」。
こちらはストーンやコーデカード。トモチケの裏側にQRコードのようなものが付いており、それを読み込んでゲーム内のキャラクターがコーデチェンジする形になっています。

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ピックアップで取り上げたプラレールの関連商品で、「プラレールアドバンス」という商品があります。
これは、従来のプラレールの片輪を走行する、ちょっと小さいプラレールです。
このプラレールアドバンスの新商品に「ALS(アドバンスリンクシステム)」というシステムが搭載されています。
センサーによってプラレールが制御されるという興味深いギミックです。
ACS(アドバンスコントロールシステム)というシステムもあり、駅舎付属のレール側からモータの制御を行い、停車と発車を行います。
玩具の世界も、無線通信やセンサで制御するのがごくごく普通に行われていますね。

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ここからはちょっと嗜好を変えまして。
私達のような年配世代だと懐かしいと思うタイムボカンシリーズの最新作「タイムボカン24(トゥエンティーフォー)」が2016年10月から放送開始されます。
今回のタイムボカンは人型ロボットに変形するようで、過去には人型ロボットに変形したレイはなかった気がします。
(逆転イッパツマンはどうでしたっけ・・・)
タツノコプロとレベルファイブがタッグを組むので話題になってましたが、こうして玩具になってみると変形ギミックは面白いと思います。

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弊社内では、雑談部屋で、日常茶飯事的にオヤジギャクが飛び交います。
そんな雑談部屋で無言リプを集めそうなロボットがいたのでご紹介します。
オムニボット 爆☆笑太郎」です。
1300個以上のギャグを搭載して、2020年まで飽きずに笑って過ごそうみたいなコンセプトです。
が、このロボットの内容を雑談部屋にボットで飛ばしたら、多分無言リプの嵐になると思います・・・。

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もう一つ、弊社内ではスター・ウォーズがまことしやかに人気です。
技術ブログなのにミレニアム・ファルコン制作日記を連載してる人がいるぐらいですから。
今回のおもちゃショーでも、スターウォーズグッズは各メーカーからいろいろな形で商品化されており、人気を伺うことが出来ました。

まとめ

おもちゃの世界にも、プログラミングの波、VRの波が少なからず訪れています。
スマートフォンと連携した玩具も多数登場しています。
玩具もインターネットと繋がるその寸前まで来ています。

しかし、まだまだ玩具はアナログ的な要素が多いのが事実です。
もっとハイテク系の玩具が増えて、子供がテクノロジーに小さい頃から触れる、情操教育が進むと良いな、と(個人的には)思います。

そんな感じで個人趣味丸出しでおもちゃショーを紹介しました。
次回があるとしたら、今度は東京ゲームショウのレポートでお会いしましょう。

(権利表記)
各玩具の商品画像はそれぞれの販売会社様、及びライセンス社様の商標・登録商標または著作物です

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