年末調整でe私書箱が意外と便利だった話

年末調整の時期、各種申請書類の扱いが面倒ですが、今は電子データも選択肢となりました。その電子データをまとめて扱えるe私書箱について書いてみました。
2023.11.08

皆さん、年末調整はお済みですか?

今年も年末調整の時期がやってきました。クラスメソッド社内でも手続きに関してあれこれと質疑が飛び交っていました。やはりわかりにくいものです。

クラスメソッドでは年末調整にSmartHRを使っていて、用紙へ手記入が基本不要となっています。そして現在は電子データ取り込みによって、契約先次第では原本提出も不要となりました。素晴らしいことです。

この電子データですが、契約先から個別にダウンロードしていたものの、実は一箇所で纏められると初めて知りました。e私書箱というサービスです。必要なものはマイナンバーカード。

初回こそ、マイナポータルと各契約先ページ間の遷移、及びマイナンバーカードでの入力の繰り返しは求められますが、一度完了すると各電子データ発行がe私書箱上で完了できる代物です。

実際にやってみた上での諸注意について書いてみました。

マイナンバーカードを用意する

前提です。4桁のパスワード入力ダイアログがこれでもかという程に表示されます。忘れずにメモしておきましょう。3回間違えると役所手続き確定になります。

マイナポータルとの接続では、スマートフォンでの読み込みかICカードリーダの2択になります。上手く読み込めない機種の場合はICカードリーダが断然おすすめです。

PCにカードリーダを接続してマイナンバーカードを差し込んでおき、あとはページ上で必要に応じて表示されるダイアログへパスワードを入力するだけです。カードリーダ及びカードに触る必要はありません。スマートフォンで読み込ませるよりも早いかもしれません。

なお、MacBook Air及びProの場合はType-Cポートが2つあるはずですが、カードリーダは必ずディスプレイに近い方のポートへ差し込みましょう。カードはそのポートでのみ正確に読み取ってくれます。

e私書箱及び契約先の登録

マイナポータルから「年末調整の事前準備」を経由してe私書箱と連携します。ポータルトップに「e私書箱と連携する」表記が見当たらないのがポイントです。

その後は個別に契約先との連携が待っています。リダイレクトとマイナンバーカード認証の嵐になります。

通し操作のスクリーンショットも撮ってはみたものの、操作するポイントはそこまで分かりにくくない上、膨大なキャプチャ数になったため省いています。

e私書箱の操作はマイナポータル経由でのログイン有無でアクセスするURLが変わってきます。認証の都合上やむを得ない処理のようです。下図はマイナポータルへのログイン認証が完了することで表示される、ログイン済e私書箱のURLが掲載されているメニューとなります。

e私書箱内の電子私書箱メニューにアクセスすることで、各種契約先の選択が可能になります。

なお、保険関係は契約先設定で証券番号等の入力が求められます。申告用書類が既に手元に届いている場合は確認してみましょう。恐らく記載されているはずです。

iDeco

今年もSmartHRではiDecoに関して手入力必須です。今回もこれのためだけに原本を会社提出する必要があります。iDecoが電子化に対応していなかったので仕方ありません。ですが、実はiDecoも変わりました。よりによって年末調整の時期真っ最中に。

iDecoオンライン手続きサービス

このタイミングで取り込み対応できているSaaSは探した範囲では見つかりませんでした。対応したとして、念のため手入力と取り込みの2パターンを用意する工数と時間の問題もあるでしょう。まぁ、来年ですね。

なお、実際に発行するとe私書箱に以下のような通知が届きます。

ふるさと納税

年末調整には無縁ですが、納税向けの手続きをサポートしてくれるサービス各社も対応しています。確定申告で必要になりそうな場合は今のうちに設定しておきましょう。

e私書箱での電子データ発行

注意すべき点があります。

  • マイナポータル経由でのログイン必須
  • 発行指示後、実際にe私書箱へ届くまで1時間〜数日程掛かる

必要になった時に即入手するのは難しいため、発行可能になった時点で実施しておくと安全かもしれません。

あとがき

e私書箱との提携が取れない契約先の場合は個別にダウンロードする必要があります。

iDecoの電子化対応が入ったことで、2024年以降の年末調整は本当に手間いらずとなりそうです。個人的に、公文書絡みで郵送用の切っ手を買う機会も、ふるさと納税を除いて不要になるかもしれません。