【書評】チーム開発研修中に読む「アジャイルサムライ」

クラスメソッド新卒研修の集大成として、チーム開発研修に取り組みました。この研修では、アジャイル手法を用いてプロダクトを開発しました。本研修中にアジャイルサムライを読んだところ、さまざまな学びがありました。今回はそれらを紹介します。
2023.06.23

はじめに

こんにちは!2023年新卒入社のおのやんです。

つい先日、クラスメソッドグループの新卒研修が終了しました。新卒研修の集大成として、新卒メンバーはチーム開発研修に取り組みました。チーム開発研修では、アジャイル手法を用いて実際にチームでプロダクトを開発しました。このチーム開発研修中にアジャイルサムライを読んだところ、アジャイル以外にもさまざまな学びを得ることができました。今回は研修の内容なども絡めて、アジャイルサムライの書評を残していこうと思います。

クラスメソッドグループの研修について

クラスメソッドグループの新入社員は、入社してから約3ヶ月の間、新卒研修を受けることになります。4月から5月の間は、ビジネスマナー講習、ストレングスファインダー研修、Git、Linux、ソフトウェアテストなどの、ビジネスやIT技術に関する知識を学びました。

新卒研修ラストの6月には、新卒メンバーでチーム開発研修に取り組みました。ここでは新卒メンバーでチームを組み、アジャイル手法を使ってプロダクトを開発していきました。

この研修が終わった後に、それぞれの部署へと配属されていく予定です。

アジャイルサムライについて

アジャイルサムライの概要は、オーム社の書籍紹介ページから引用します。

動くソフトウェアを素早く開発するための「アジャイルソフトウェア開発手法」を、実際に導入するにはどうすればよいかを、豊富な図を使い親しみやすい言葉で解説しています。経験豊かな著者が具体的なノウハウをまとめた本書は、アジャイル開発を導入したいと考えている組織や人のための「現場のマニュアル」として役立ってくれることでしょう。

アジャイルサムライは、アジャイル開発の方法やマインドセットを解説している入門書です。毎年さまざまなブログで「これは読んでおけ!」とおすすめされる書籍のひとつです。アジャイル関連ではもっとも有名な書籍だと思います。

チーム開発研修の初日はアジャイル開発についての説明がなされました。そのスライド資料の参考書籍としても本書は紹介されていました。

実際に読んだ流れ

それでは、実際に研修の中でアジャイルサムライを読んだ流れを紹介します。

アジャイル開発難しくね?

チーム開発研修が始まったばかりの頃は、見よう見まねでアジャイル開発を進めていました。今までアジャイル開発の経験がなかったため、ファシリテーターとして会を進める時にもいろいろ至らない点が目立ちました。デイリースプリントプランニングの時間にその日のゴールの確認を忘れたり、メンバーに対するフィードバックがぜんぜん足りていなかったり... 最初の1週間くらいは進め方の勘所が分かりませんでした。初めてのアジャイル開発に相当苦戦していたと思います。

読むのは今しかない...!

こうして1週間近くアジャイル開発に取り組みました。その中で「こんな感じであと2週間チーム開発を続けるのか?」と危機感を覚えるようになりました。そしてチーム開発研修2周目の帰り道に「読むのは今しかない!」と本屋に駆け込んで、アジャイルサムライを購入しました。スライドの参考資料として一番上に書いてあったため、どの本を買おうか迷うことはなかったです。

読める!読めるぞ!

それから3日くらいでアジャイルサムライを読み進めました。チーム開発研修で経験のある手法が多く解説されていたため、「これやったことある!」「研修まんまじゃん!」となり、ガンガン読み進められました。と同時に、アジャイル開発に取り組むマインドセットも学べました。今回は、本書の中から印象に残った一節を紹介します。

誰かの見積もりがすごく小さくて、他の誰かの見積もりがとても大きかったとしても、どちらが正しいかは問題じゃない。こうした齟齬はおのずと収束していくからだ。そこから実のある話し合いにつながっていくことが大事なんだ。

アジャイルサムライの解説の中では、こうしたチームメンバー間でコミュニケーションを取る重要性が繰り返し説かれていました。メンバー間での対面のやりとりを増やしていくことが、優れたアジャイルサムライになるための心構えの一つだというのです。アジャイルの手法以上に、私はこういったマインドセットも重要だと感じました。

なんとか研修終了

アジャイルサムライを読んだ後は、いくらかアジャイル開発の回し方が分かった気がします。アジャイルサムライを読んでからは、チームメンバーの進捗などに対して積極的にフィードバックをするようにしました。また、研修時間内は基本的にオンラインコミュニケーションツールのGatherに在中して、なるべく即レスできるようにしました。このように、コミュニケーションが取れる状態を研修中は常に意識していました。

最終的に、私たちのチームは最後の1週間で怒涛の追い上げを見せました。当初想定していた機能はほぼ実装できましたし、かなり "イケてる" デザインにすることもできました。チームメンバーには本当に感謝です。アジャイルサムライでコミュニケーションの重要性を認識していなかったら、もうちょっと結果は変わっていたと思います。

最後に

アジャイルサムライで学べるのは、アジャイル開発のことだけではありません。複数の人間が集まって同じゴールを目指す際の心構えも身につけることができます。チーム開発に限らず、グループワークやチーム作業で困っている時は、アジャイルサムライが重要な示唆を与えてくれるかもしれません