Zendeskでエージェントのスキルを使ったチケット自動割り当て

Zendeskでのエージェントのスキルとスキルを使った自動割り当てについて詳しく見ていきます。オムニチャネルルーティングでのスキルベースルーティングは2023年8月にProfessionalプラン以上でサポートされるようになった機能になります。
2023.08.18

こんにちは、昴です。
今回はZendeskでのエージェントのスキルとスキルを使った自動割り当てについて詳しく見ていきます。

はじめに

Zendeskには業務を効率化する様々な機能があります。 今回紹介するスキルは、効率化する機能というよりも効率化するために必要な要素となります。スキルはエージェントがどのような問い合わせに対応できるのか、技術面や言語、ロールなどを定めたもので、チケットを自動割り当てしたいときに役立ちます。

スキルの作成

スキルは、管理センターのオブジェクトとルール > ビジネスルール > スキル で作成することができます。
まず「スキルタイプを作成」からスキルタイプを作成します。スキルタイプはスキルをカテゴリ分けしたものです。 次にスキルタイプ内にスキルを作成していきます。「スキルを作成」を選択し、スキル名を入力するとスキルが作成されるので、作成したスキルの編集を選択します。

スキルの設定では、チケットの条件、つまり「〇〇のチケットは担当できます、〇〇のエージェントがこのチケットを担当できます」の条件を設定します。例えば、特定のフォームを選択した場合や、カスタムチケットフィールドで特定の選択をした場合、エージェントのロールが管理者である場合、特定の言語が扱えるエージェントの場合です。 この条件を元にチケットを自動割り当てすることになります。
今回の設定では、条件を以下のように設定し、またエージェントは私のみを割り当てます。
優先度 = 緊急
商材(カスタムフィールド) = 商材A
この設定では、チケットの「優先度」が緊急で「商材」で商材Aを選択した問い合わせを担当できるスキルセットとなっています。 最後にこのスキルに当てはまるエージェントを選択して、スキルの作成は完了となります。今回このスキルでは私のみを選択しました。

スキルを使った自動割り当て

チケットの自動割り当てにはトリガを使ったものと、オムニチャネルルーティングによるものがあります。トリガを使った自動割り当ては、条件に当てはまるチケットに対してトリガのアクションで特定のグループやエージェントを担当者として割り当てます。
一方、オムニチャネルルーティングの場合、特定のグループやエージェントに割り当てるのではなく、エージェントの空き状況やキャパシティによって最善のエージェントに自動的に割り当てられます。 オムニチャネルルーティングの内、スキルを使った自動割り当てがあります。 スキルに割り当てられているエージェントの内、キャパシティに問題がないエージェントやオンラインのエージェントに割り当てられ、また一人のエージェントにチケットの担当が集中しないように均等に割り当てられます。

準備

スキルを使ったチャネルルーティングを使用するには、いくつかの準備が必要となります。 1つずつ順番に見ていきます。(今回エージェントのキャパシティは考慮しません)

  • オムニチャネルルーティングが有効になっている
    管理センターのオブジェクトとルール > オムニチャネルルーティング > ルーティング設定 へ移動し、「オムニチャネルルーティングを有効にする」を選択して有効にします。また、有効にした際に、オートルーティングタグというタグを設定しますが、後ほどの自動割り当ての際に使用するのでコピーしておきます。

  • トリガを設定する
    オムニチャネルルーティングを使用するには、自動割り当てを行いたいチケットに対して先ほどのオートルーティングタグを追加します。またそれに加えて、スキルを使った自動割り当てを使う場合、チケットにスキルを追加する必要があります。 今回のトリガの設定では、特定のフォームを選択してチケットが作成された際に、チケットにオートルーティングタグとスキルが追加されるようになっています。

  • エージェントのステータスが「オンライン」または「離席中」になっている
    オムニチャネルルーティングでチケットの自動割り当てを行う場合、割り当てられるエージェントのステータスは「オンライン」または「離席中」である必要があります。
    エージェントがオフラインの場合、チケットはスキルが該当する他のエージェントに割り当てられます。該当するエージェントが全員オフラインの場合、担当者未割り当ての状態でチケットが作成され、エージェントが「オンライン」または「離席中」の状態になったらその時点で更新することでチケットは割り当てられます。

やってみよう

それでは実際に問い合わせ画面からチケットを作成し、エージェント(私)に割り当てられるか見ていきます。
まず、カスタマーでログインし、Zendesk Guideの「リクエストを送信」ボタンから問い合わせフォームへ移動し、「スキルルーティングテスト用フォーム」を選択します。 次に件名と本文には見分けがつきやすいように「test(離席中orオンライン)」と入力し、優先度の項目で「緊急」、商材の項目で「商材A」を選択し、送信します。

エージェントでログインし、自分に割り当てられているか確認します。

「未解決のチケット」のビューに送信したチケットがオープンの状態であるため、自動的に私に割り当てられたことが分かります。(「未解決のチケット」ビューはデフォルトのもので、自分が割り当てられた未解決のチケットが表示されます。)

次にエージェントのステータスをオフラインにして、もう一度チケットを作成してみます。 件名と本文だけ「test(オフライン)」に変更し、他は全て上記と同じ状態で送信します。

すると、「test(オフライン)」のチケットは「未割り当てのチケット」ビューに表示されています。このことから、該当するエージェント(今回は私のみ)が全員オフラインの場合、担当者が割り当てられずにチケットを受け取ることが確認できました。

また、この状態からステータスをオンラインにして更新することでチケットを割り当てることもできます。

まとめ

今回はエージェントのスキルについて詳しくまとめてみました。 スキルによる自動割り当てはトリガよりもやや準備が大変のようにも思えますが、設定後の効率や作業負荷の分散を考えると、とても簡単な設定だと思います。スキルによる自動割り当てやトリガなど細かく設定していくことで、さらなる業務の効率化が狙えます。是非お試しください。

参考記事

Zendeskヘルプ > オブジェクトとルール > オブジェクトとルール関連のドキュメント > ルーティング > チケットのスキルの追加と管理
Zendeskヘルプ > オブジェクトとルール > オブジェクトとルール関連のドキュメント > ルーティング > オムニチャネルルーティング設定の管理
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