Alteryxで本当に「橋を渡ると魔物が強くなる」のか検証してみる

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こんにちは、小澤です。

「橋を渡って遠くに行くほど魔物が強くなる」、これRPGの常識ですね(※ 違います)

実際にはドラクエ1で採用されているシステムで、このシステムはほぼこれっきりでしょう。 というか、ドラクエ1をやったことのない人にとってはなんのこっちゃ?って話ですね。

まずは川を

では、早速検証してみるに際して、まずは川の情報を描画してみましょう。

今回は国土数値情報を利用し、 RPGのように野を越え山を越えした先に町が出てくる北海道の情報を利用します。

まずはダウンロードしたzip内に含まれるshpファイルを読み込んでそのまま表示させてみます。

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北海道全体を塗りつぶしたようなものが表示されました。拡大してみると

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こうなっており、どことなく気持ち悪さがありますが、線の数が多すぎて塗りつぶされたような状態になっていたようです。 このままでは見通しが悪いので、一部の川のみに絞りましょう。

データの情報にある属性情報から、区間種別という項目が「1.級直轄区間」になっているもののみに絞ってみます。 ついでにカラム名が怪しかったので付け直しています。

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結果は以下のようになります。 減らしすぎた感じもしますがだいぶすっきりしました。

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国・都道府県の機関データを重ねてみる

次にここに同じく国土数値情報から手に入る「国・都道府県の機関データ」を重ねてみます。 この単体では以下のようになっています。

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これと先ほどの川を重ねてみます。

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川の近くにいくつかの施設が固まっている様子がわかります。 というか道内の大きめの町で絞り込んだ結果川がなくなったのは函館くらいですねw

さて、これらを拡大してみてみましょう。 まずは札幌です。

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豊平川より左側に施設が集中しているようです。 施設が集中しているのは、札幌駅周辺で、川を挟むと少なくなるようですね。

次に旭川周辺をみてみましょう。

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こちらは札幌よりも件数が少なくなりますが、左右でみると右側に、右側の中でも真ん中あたりにやや施設が多い気がします。 私は旭川に関してはあまり詳しくないので詳細まではわかりません。

続いて釧路です。

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川の情報を絞った結果抜け落ちている大きい川の存在が地図から確認できますが、右側に施設が多い結果となっています。

最後に帯広をみてみます。

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こちらも川を挟んで左側に偏っていることがわかりました。

これらの結果からわかること

施設や町の中心機能を集まる範囲の境目としての1つとして、川は有効な指標のようです。 このデータからは橋がどこにかかっているかまではわかりませんが、橋を渡って向こう側に行くと新しいエリアで、新しい町があり、新しい装備品が買えることに違いないでしょう。

当然これを1つの境目として新しいモンスターともエンカウントしそうです。

積雪量と合わせてみてみる

次に「豪雪地帯(気象データ等)データ」と合わせてみてみましょう。 今回は、このデータ内にある「01_気象観測点 > 01_最深積雪」で確認します。 2013年のデータを利用し、「※欠測の場合:99999998 統計資料がない場合:99999999」という記載があるため、この2つはとりあえず除いてしまいます。

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各観測点での積雪量がデータに含まれています。 地図上にマッピングした際のBrowse ToolのProfileをみると四分位数が以下のようになっていようなので、それを区切りとしていくつかの地域に分けてみましょう。

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  • 積雪量 >= 177
  • 177 > 積雪量 >= 115.5
  • 115.5 > 積雪量 >= 75
  • 積雪量 < 75

で分けたとき、そのぞれ以下のようになっています

上位75%以上

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75%〜50%

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50%〜25%

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下位25%

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大まかに、左上はよく雪が降り、右下に行くほど減っていくという傾向があるようです。 これらと、川の情報を重ねてみます。

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どうにも川との関連はなさそうですね。 雪の降りかたはどちらかというと、大雪山などの中心部にある山の影響の方が大きいようです。

考察と結論

さて、施設の情報と、積雪の情報を川の情報と重ねた結果何が分かったでしょう?

通常動物などは、気候に応じた住み分けが行われます。 なので、施設周辺ごとに生態系が異なるというよりは積雪量に依存して異なる確率の方が高いでしょう。

一方人間は地域のわかりやすい区切りの1つとして川を利用するようです。 そのため、川を挟んで向かい側にはあまり施設がないという状態になりやすいのでしょう。

その結果わかることとしては、 「モンスターは実は人工物なんじゃないか?」という可能性です。

人間に害なすモンスターが実は人間の手によって作り出されて、しかも人間である勇者が倒しに行くなんて、なんというマッチポンプでしょう。 知ってはいけない恐ろしいことをデータから見つけてしまったのかもしれません。

また、このデータを利用することで地域特性を活かした武器屋や防具屋の品揃えといったことも考えられるでしょう。

終わりに

今回は、モンスターだのなんだのと称して、Alteryxを使って国の公開するデータを利用した分析を行いました。 今回はやり方としては簡単なものでAlteryxには様々な地理情報分析用の機能がありますが、 このように簡単なことであっても可視化するだけでも知見が得られ、Alteryxでは比較的簡単にデータを操作しながら地図上での可視化が可能ということが分かっていただけたかと思います。

また、実際には、TableauなどのBIツールを利用することで、積雪量なんかは4つの地図に分けなくても色分けなどができたりといった部分もあります。 うまく連携させることでより様々な知見が得られるのではないでしょうか。