RDS for SQL ServerのMulti-AZの変更方法が変わってた

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ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。

本日東京リージョンでAmazon RDS for SQL ServerがMulti-AZに対応しましたが、Multi-AZの変更方法が変わっていたので注意点をまとめてみます。

Release: Amazon RDS on 2016-06-09

今までのSQL ServerのMulti-AZの設定方法

RDS for SQL ServerのMulti-AZは、他のDBエンジンと異なっています。通常はファイルシステムレベルのレプリケーションで別のAZへデータを連携しているようなのですが、SQL ServerについてはSQL Serverのデータベース ミラーリング機能を使用しています。

Oracle、PostgreSQL、MySQL、MariaDB DB インスタンスのマルチ AZ 配置では、Amazon テクノロジーが使用されますが、SQL Server DB インスタンスでは SQL Server ミラーリングが使用されます。

高可用性(マルチ AZ)

実装が異なることの影響だと思われますが、今までSQL ServerのMulti-AZはDBインスタンスの変更ではなく、オプショングループの変更で設定を行っていました。

RDS_·_AWS_Console

DBインスタンスの起動時には、Management Consoleでは他のDBエンジンと同様に指定しているように見えていましたが、結局はMirroringが有効なオプショングループ自動的に作成していました。

RDS_·_AWS_Console 4

これからのSQL ServerのMulti-AZの設定方法

これからは他のDBエンジンと同様にオプショングループを使用しなくてもMulti-AZの可否を変更することができるようになりました。

以前はDBインスタンスの変更でマルチ AZ 配置がグレーアウトされており変更ができなかったのですが、現在は変更可能です。

RDS_·_AWS_Console

注意点

ここからが重要です。 元々SQL ServerのMulti-AZをサポートしていた以下の4リージョンでは、オプショングループによる変更も可能です。

  • バージニア北部
  • オレゴン
  • アイルランド
  • ソウル

しかし、今回追加された以下の3リージョンでは、オプショングループによる変更ができず、他のDBエンジンと同様にDBインスタンス自体の設定変更のみがサポートされています。

  • シドニー
  • 東京
  • サンパウロ

つまりリージョンによってMulti-AZの変更方法が異なっているということです。基本的にはDBインスタンスを変更する方法に移行していると思いますが、既存にリージョンについては互換性のためオプショングループによる変更も可能の様です。
新しいリージョンでは既存の方法で変更ができないので、スクリプトや手順書がある場合は修正が必要になるかもしれません。

リージョン Multi-AZサポート オプショングループの変更 DBインスタンスの変更 備考
バージニア北部
北カリフォルニア
オレゴン
アイルランド
フランクフルト
東京 NEW !
ソウル
シンガポール
シドニー NEW !
サンパウロ NEW !

2016年6月10日現在の情報

さいごに

Multi-AZの指定方法はRDS for SQL Serverだけ異なっており混乱を招いていました。今回のアップデートにより、他と同じ設定方法になったのでシンプルになりました。
しかし、今回新しく対応したリージョンでは古いオプショングループの設定方法がないので、東京でRDS for SQL Serverを利用するときには十分に注意しましょう。