AWS Cloud Storage Day 取材レポート(1).[基調講演] AWS クラウドストレージサービスのご紹介

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イベントセッション午前の部は、基調講演3連発。1人目はAWSシニアマネージャーのJoe Lyons氏。今回のイベント前後でも多くのお客様とお会いになっていたそうで、移動中の東京の地下鉄で迷ってしまい、困ってしまった...と言うエピソードから始まったこのセッションは、AWSの現在の立ち位置、今回のテーマでもある『ストレージ』を切り口とした各種サービスの概要をメインに解説する内容となりました。以下参加メモと講演資料を元にレポートして行きます。関連する参考情報についても適宜盛り込んで行こうと思います。

講師・概要紹介

講師

Joe Lyons氏(Sr. Manager, Global Storage Business Development, Amazon Web Services, Inc.)

概要

AWSはお客様の様々なご要望にお応えするために、複数のストレージサービスをご提供しています。本セッションにおいては、AWS クラウドストレージがバックアップ、アーカイブ、ディザスタリカバリ、ファイル共有、といった様々なユースケースにどのように適用可能か、ご紹介いたします。また、お客様がクラウドストレージを利用してどのようにビジネスを加速しているか、事例を交えてご紹介いたします。

セッションレポート

AWSについて

AWSがユーザーにどのように利用されているか。この点については、大きく3つの用途が考えられます。1つ目はオンプレ上の既存のITリソースを、クラウドを使って増加させるために使う。2つ目は既存アプリケーション&データの移行。そして3つ目は新規事業。クラウド上で新しいアプリケーションやウェブサイト等を構築して行く際に使っています。

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(Joe Lyons 氏)

AWSではお客様のニーズに応えるべく、全世界グローバルにデータセンターを開設し、現在もその規模を全世界に拡大しています。2003年時点で年商52億ドルだったAmazon.comが必要だったサーバーの量を、現在2013年に於いては毎日追加しています。多くのインターネットサービスがAWSを活かしてサービスを展開し、世界中のエンタープライズ企業においてもAWSは活用されています。また世界中の政府機関や教育機関に於いても、様々な場所で活用されています。必要な時に必要な投資を行い、時には実際にイノベーションを促進、競合他社を打ちのめしている状況が起きているのです。

AWSを研究している、という方が居るのでしたら、ガートナーの情報を見てみるのが良いでしょう。この図では、AWSはかなり突出した形で『右上』に配置されています。この評価はお客様の声に耳を傾け、要望を実現し続けているからに他なりません。

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AWSは、イノベーションの速度についても傑出しています。お客様のフィードバックに基づき、毎週のペースでほぼ何らかの製品や機能を2〜3つ、リリースし続けています。

5つのクラウドの特徴

AWSに於けるクラウドの特徴としては、以下の5つが挙げられます。

  • 1.必要とするインフラに対する支払いのみ、初期投資は不要:利用開始時の料金は0ドル。使用量に応じた従量課金がされていく仕組みとなっています。
  • 2.より安価なITのトータルコスト:"規模の経済"により、継続的にAWSのコストを削減しています。ここ7年間で34回の値下げを行い、先のre:Inventで発表したS3の値下げについては何と25%減を実現。(これかな?)
  • 3.需要予測が不要:従来の場合であればキャパシティ調達は硬直的であり、対応が困難な面がありましたが、AWSでは実際の需要に基づいた柔軟なインフラの対応が可能となります。
  • 4.イノベーションの増大:低コスト、低リスクに素早く実験:イノベーションコストを下げる事でお客様の要望やより大きな成功を実現に導きます。頻繁に、且つ低コストでお試しが可能で、すぐにその結果が判明し、より多くのイノベーションを起こす事が可能になっていきます。
  • 5.付加価値を産まない『重労働』の削除:AWSがあらゆる煩わしさの基となるリソースを管理する事で、ユーザーはその分楽になり本来注力すべき作業に注力して行く事が出来るようになります。

昨今では、伝統的なエンタープライズ企業や組織に於いても、イノベーションが加速しています。この後発表のあるNASDAC、火星探査機キュリオシティで大きな話題となったNASA、そして日本国内でも東芝等が積極的にクラウド・AWSを採用しています。

NASDACについては、金融業界に於けるケースとなります。金融業界は『新しいサービスをローンチしたい』という場合、非常に規制の厳しい業界です。NASDACは金融データを長期間(7年等)保存しなければならないデータの対応方法に対して調査をした際に何百万ドル、何ヶ月も掛かってしまう!という事を知る事になります。そしてAWSにやってきたというわけです。NASDACと協業してから僅か6ヶ月でリリースへとこぎつけました。1000ドル程度でアプリを開発し始め、今では数PB規模に拡大しています。

NASDACに於いては、これまで重労働となっていた『ストレージ管理』に関する様々な苦労があったはずです。これは大変な事です。しかもこれらを3〜5年に亘って行わないといけません。

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AWSでは、このクラウドストレージに於ける『重労働』を削除します。重労働に割く時間が減る事で、より多くの時間をデータ管理や付加価値の創出に費やす事が可能となるのです。

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大事なことは、データの管理です。しかし現実には、データそのものでは無く、ストレージの管理に多大な時間を費やしてしまっている事が多いのです。

AWS Cloud Storageのサービス群

AWSサービスに於けるクラウドストレージのサービスは以下のものがあります。

  • Amazon S3:インターネットスケールのストレージ
  • Amazon Glacier:アーカイブ・バックアップ用のストレージ
  • Amazon EBS:Amazon EC2用のブロックストレージ
  • AWS Storage Gateway:オンプレミスとAWSストレージを接続

Amazon S3 - インターネットスケールのストレージ

S3は、何と言ってもそのシンプルな操作方法が特徴です。

  • 9つのリージョンから1つを選択
  • オブジェクトを選択したリージョンにput
  • データの複製が不要(AWS側でやってくれる)
  • 管理が不要(AWS側でやってくれる)

また、スケーラブルである事も魅力的です。現在で2兆個のオブジェクトを格納しており、秒間110万回のリクエストを処理しています。信頼性もS3の大きな特徴です。2つの施設での同時データ喪失にも耐えられるように設計されており、耐久性は99.999999999%(イレブンナイン)、可用性は99.99%をご提供出来るように設計されています。

Amazon Glacier - アーカイブ・バックアップ用のストレージ

Amazon Glacierはデータを長期間保存する際に用いる事が出来るストレージサービスです。S3と同等の耐久性を持つように設計され、且つ運用コストはS3の10%程度で済むようになっています。その他の特徴は以下の通り。

  • 取り出しに3〜5時間程度時間が掛かる
  • バックアップ用では無く、アーカイブ用
  • ライフサイクルポリシーの設定が可能に

S3やGlacierでは、ユーザー自身がデータのライフサイクルポリシーを設定する事が可能です。

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データの保存・格納は必要だけれども、早急なアクセスは必要無い、という場合に使います。ここで、従来の『テープでアーカイブを運用している場合のデータ取り出しのケース』を見てみましょう。まずはテープを再生するドライブ探しから始まり、やっとの思いで数日から数週間掛けて対応ドライブを探しだしたものの、実際は動かない・読めないといった状態にあるものも多い…というケースは良くある事です。

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一方、Glacierを用いたデータ取り出しプロセスを見てみます。最も時間が掛かるであろうGlacierでさえも3〜5時間でデータを取り出す事が出来、テープアーカイブのケースで見られるような機会損失の場面は大幅に削減されます。結果、ビジネス上の付加価値の創出につながるアクションが起こせるという訳です。

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Amazon EBS - Amazon EC2用のブロックストレージ

こちらは他のソリューションとは異なり、EC2のコンピュートインスタンスからのみのアクセスとなります。スナップショットをS3の耐久性の高い場所に格納可能です。

Amazon Storage Gateway - オンプレミスとAWSストレージを接続

AWS Storage Gateway は、オンプレミスのソフトウェアアプライアンスをクラウドベースのストレージと接続し、組織のオンプレミスの IT 環境と AWS のストレージインフラストラクチャ間でシームレスでセキュアな統合を実践するサービスです。このサービスを利用すると、スケーラブルで経済的なストレージとして AWS クラウドに安全にデータを保管できます。

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Storage Gatewayを利用するケースとしては、主に以下の4つを挙げる事が出来るでしょう。

  • 1.遠隔地のバックアップ:既存のバックアップソフトと連動し、データをEBSスナップショットとしてS3に格納します。
  • 2.ディザスタ・リカバリ:Amazon EC2からEBSスナップショットとして取得したデータにアクセスします。
  • 3.データのミラーリング:AWS上で起動し、AWS上に格納されたデータを読み込み、活用します。
  • 4.部門毎のファイルサーバ:ローカル毎にキャッシュを行い、クラウド側にデータを保管。ファイルサーバとしての運用を可能にします。

FAQ:新規のお客様からお伺いする質問

ここからは、クラウドストレージの利用・移行に関して我々がお客様からお伺いする事の多い質問について、1つずつ解説を加えてお答えしていきたいと思います。

質問#1 クラウドストレージに自分のデータを預けても、セキュリティ上大丈夫ですか?

我々は、エンタープライズ企業のセキュリティ要件にお応え出来るようなセキュリティ対応も行っております。最大かつ保守的なお客様としてCIA(アメリカ合衆国中央情報局)を挙げる事が出来ますが、要件を満たすだけでは無く、最高のセキュリティを対策を提供しております。この点に関しては、必要な情報を見て頂ければと思います。

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また、我々は『セキュリティとコンプライアンスにおける責任分担のモデル』を採用しています。(補足:この点に関しては、横田さんの以下の弊社ブログエントリにて詳しく紹介しています。宜しければご参照ください。)

  • AWSにおけるセキュリティとコンプライアンスのベストプラクティスを読んでみた | Developers.IO
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    質問#2 クラウドストレージは本当に安いのでしょうか?

    これは比較が難しい問題です。オンプレミス1PBと、Amazon S3での1PBを比較していたりもしますが、これはフェアではありません。(下記画像の様に)同じ1PBと言っても、その内容には実際には開きがあるのです。100%、必ず容量が割り当てられるわけではありません。実際に使える容量を計算してからでないといけません。正確に予測するのはだから難しい。人のやる事なので正確には難しい。しかしクラウドなら正確に使えるし拡張も可能なのです。

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    質問#3 クラウドストレージを使うのは簡単ですか?

    簡単です。AWSでは、SDKやPlug&Play等で、様々な使用方法を提供しています。

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    まとめ

    このように、クラウドストレージ、AWSを用いる事でとても多くのメリットが得られます。

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    AWSクラウドストレージは、データの格納だけで無く、データの活用、そしてビジネス上の付加価値の創出を容易にします。是非利用を御検討頂ければと思います。ありがとう!

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AWS Cloud Roadshow 2017 福岡