定型データ移動処理のスケジュール自動化設定サービス『AWS DataPipeline』の構成要素をひと通り整理してみた

AWS Data Pipeline

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aws-datapipeline-top

AWSをお使いの皆さん、『AWS Data Pipeline』というサービスを御存知でしょうか?そしてAWSをお使いの皆さん、AWS Data Pipelineをお使いになられているでしょうか! ( °д°) クワッ!!

『AWS Data Pipeline』のフレーズで検索を掛けてみると、国内はもとより海外でも、そこまで(AWSの他サービスと比べて)言及数や情報共有されている形跡が無いようなイメージです(笑) 昨今、ビッグデータや統計・分析がもてはやされている(とは言え最近は以前よりは落ち着いて来たでしょうか)中で、データ連携の重要性がより一層認識されている現在、比較的リリースされてから時間の経つこのサービスがクローズアップされていないのは勿体無いな〜と思っておりました。

思っておりましたが、私自身も興味は持ちつつそこまでAWS Data Pipelineに対する知識や利用経験・ノウハウは持ち合わせておりませんでした。そこでこのタイミングを機に、当エントリでAWS Data Pipelineはどんなものなのか、現状何が出来て何が出来ないのか、実利用を進める上で気を付ける点にはどのようなものがあるのか、使い勝手等について当ブログ上で検証・確認・横展開して行ければな〜と思っております。どうか長い目で見守って頂ければと思います。m(_ _)m

目次

 

AWS Data Pipelineとは

aws-datapipeline-doc

AWS Data Pipelineは各種データ移動や定型処理を自動化したり、自動化したタスク間の制御等も行えるサービスとなっています。S3やRDS、DynamoDB、Redshiftと言ったデータソース等の連携もサポートしているので、AWS環境上で日々実行しているバッチ処理等がある場合はAWS Data Pipelineへの移行も検討の価値があるのかなと思います。

 

AWS Data Pipeline 現在の対応リージョン

現在AWS Data Pipelineが利用可能なリージョンは以下の通りです。東京もバッチリ対応しています!

  • US East (N.Virginia) / us-east-1
  • US West (Oregon) / us-west-2
  • EU (Ireland) / eu-west-1
  • Asia Pacific (Tokyo) / ap-northeast-1
  • Asia Pacific (Sydney) / ap-southeast-2

aws-datapipeline-regions

 

AWS Data PipelineがVPC環境内で使えるようになったのは、実は最近のお話。

...がしかし。

VPC環境内でAWS Data Pipelineを使おうとした場合、一部制約により十分な利用が出来ない状況でした。下記フォーラムで通知があったように、AWS Data Pipelineが(現在のAWSでのEC2起動時構成のデフォルトとなっている)VPCに対応したのは2014年03月以降(2014年03月16日)のお話。実際自分も(VPC対応前の時期に)使ってみようと思ったものの、EC2リソースを伴う処理を組もうとしてこの壁に当たり、断念した経緯がありました。VPC対応が為されてから1年経っていない、という状況ももしかしたら情報やノウハウの横展開が十分でない要因の一つなのかも知れません。

We are pleased to announce that AWS Data Pipeline now supports Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC). With Amazon VPC, you can define a virtual network topology and customize the network configuration to closely resemble a traditional network that you might operate in your own datacenter.

AWS Data Pipeline has always provided optimized resource utilization of EMR and EC2 compute resources. Resources for an Activity are started only when all the dependencies are satisfied and they’re shut down as soon as all Activities are completed, thereby reducing idle time and unnecessary usage costs.

This release lets you take advantage of the resource management and workflow orchestration benefits of AWS Data Pipeline in your own isolated network to support common scenarios such as running transforms on your private Redshift, RDS or EMR clusters behind your firewall. All it takes to get started is to create a pipeline with Ec2Resource and/or EmrCluster with VPC-specific subnetIds.

To learn more about how to use AWS Data Pipeline with Amazon VPC, see the documentation for a step-by-step example:
http://docs.aws.amazon.com/datapipeline/latest/DeveloperGuide/dp-resources-vpc.html

 

AWS Data Pipelineの構成要素

ここからはAWS Data Pipelineの中身について見て行きたいと思います。AWS Data Pipelineで定義されているオブジェクトは以下の通り。それぞれ階層構造を持った形で整理されています。

awsdatapipeline-object_hierarchy

主なオブジェクトとしては以下の通り。以降のスペースで各種オブジェクトについて内容を解説して行きます。

データノード(Data Nodes):
タスクに対する入力データ、または出力データが格納される場所。
アクティビティ(Activities):
計算リソースと入出力データノードを用いてスケジュールに基づいて作業を実行ための定義。
前提条件(Preconditions):
処理実行時に真(true)となるべき条件文。
スケジュール(Schedules):
『アクティビティがいつ実行するか』のような、スケジューリングされたイベントの日付時刻定義。
リソース(Resources):
パイプラインが定義した作業を遂行するための計算リソース。
アクション(Actions):
『アクティビティ失敗時』のように、指定の条件に合致した際に実行されるアクション。

 

TaskRunner(タスクランナー)

タスクに対応したAWS DataPipelineをポーリングし、それらのタスクを実行するアプリケーション。AWSで提供されているTaskRunnerまたはカスタムTaskRunnerを選ぶ事が出来ます。

         

DataNodes(データノード)

AWS Data Pipelineでは、データノード(DataNodes)が、pipelineアクティビティが入力または出力として使うロケーションとデータタイプを定義しています。AWS DataPipelineは以下のデータノードをサポートしています。

オブジェクト 説明
DynamoDBDataNode HiveActivityEmrActivityで扱うようなデータを含むDynamoDBテーブル。
( ※日本語ドキュメント )
MySqlDataNode Pipelineアクティビティが使うデータをMySQLのテーブルやデータベースクエリ。
( ※日本語ドキュメント )
RedshiftDataNode RedshiftActivityが使うデータを含むAmazon Redshiftのテーブル。
( ※日本語ドキュメント )
S3DataNode Pipelineアクティビティが扱う1つ以上のファイルを含むAmazon S3のロケーション。
( ※日本語ドキュメント )

       

Databases(データベース)

AWS DataPipelineでは以下のデータベースをサポートしています。

オブジェクト 説明
JdbcDatabase JDBCに対応したデータベース。
( ※日本語ドキュメント )
RdsDatabase Amazon RDSのデータベース。
注)RdsDatabaseはMySqlDataNodeにのみ関連付ける事が出来ます。
( ※日本語ドキュメント )
RedshiftDatabase Amazon Redshitデータベース。
( ※日本語ドキュメント )

                 

Activities(アクティビティ)

アクティビティ(Activity)は、実行する作業を定義するコンポーネントです。AWS Data Pipelineでは、『ある場所から別の場所へデータを移動する』『Hiveクエリを実行する』と言った様な、一般的なシナリオに対応する幾つかの事前パッケージされたアクティビティを提供しています。

アクティビティは拡張可能です。独自のカスタムスクリプトを作成する事も出来ますので、アイデア次第では無限の組み合わせがサポート可能です。AWS DataPipelineでは以下のアクティビティをサポートしています。(幾つかのアクティビティについてはステージング用のデータとデータベーステーブルをサポートしているものもあるようです。詳細については以下ページをご参照ください)

オブジェクト 説明
CopyActivity ある場所から別の場所へとデータをコピー。
( ※日本語ドキュメント )
EmrActivity Amazon EMRクラスタを起動。
( ※日本語ドキュメント )
HiveActivity Amazon EMRクラスタ上でHiveクエリを実行。
( ※日本語ドキュメント )
HiveCopyActivity Amazon EMRクラスタ上でHiveクエリを実行。※高度なデータフィルタリングとS3DataNodeDynamoDBDataNodeをサポートするクラスタに限る。
( ※日本語ドキュメント )
PigActivity Amazon EMRクラスタ上でPigスクリプトを実行。
RedshiftCopyActivity Amazon Redshiftとのデータコピーを実施。S3→Redshift/Redshift→双方に対応している模様?
( ※日本語ドキュメント )
ShellCommandActivity アクティビティとして、Unix/Linuxシェルコマンドを実行。
( ※日本語ドキュメント )
SqlActivity データベース上でSQLを実行。
( ※日本語ドキュメント )

 

前提条件(Preconditions)

AWS DataPipelineでは、前提条件(Precondition)も用意されています。アクティビティ実行前に『真(true)であるべき』条件文を含むパイプラインコンポーネントです。例えば、あるアクティビティかそれをコピー処理する場合、その対象となるソースデータが存在するか?という前提条件をチェック出来ます。

AWS Data Pipelineでは『共通のAmazon S3のキーが存在するか』『データベーステーブルが存在するか』と言ったシナリオに対応するための幾つかの事前パッケージ済みされた前提条件を提供しています。また、事前条件は拡張可能です。

前提条件には『システム管理の前提条件』と『ユーザー管理の前提条件』の2種類があります。

  • システム管理の前提条件:AWS Data Pipeline Webサービス側であなたに代わって実行を行います。処理に用いるリソースは必要ありません。
  • ユーザー管理の前提条件:利用ユーザがrunsOnworkerGroupフィールドを指定するリソース上で実行を行います。

AWS Data Pipelineでは以下の『前提条件』を提供しています。

       

システム管理の前提条件
オブジェクト 説明
DynamoDBDataExists 指定のDynamoDBテーブル内にデータが存在するか否かを確認。
( ※日本語ドキュメント )
DynamoDBTableExists 指定のDynamoDBテーブルが存在するか否かを確認。
( ※日本語ドキュメント )
S3KeyExists Amazon S3のキーが存在するか否かを確認。
( ※日本語ドキュメント )
S3PrefixNotEmpty Amazon S3のPrefixが空であるか否かを確認。
( ※日本語ドキュメント )

   

ユーザー管理の前提条件
オブジェクト 説明
Exists データノードオブジェクトが存在するか否かを確認。
※これでは無く、システム管理の前提条件を代わりに利用する事をお勧めします。詳細はPreconditionsをご参照ください。
( ※日本語ドキュメント )
ShellCommandPrecondition 前提条件として実行可能なカスタムUnix/Linuxシェルコマンド。
( ※日本語ドキュメント )

パイプラインコンポーネント間の依存について

AWS Data Pipelineでは、『他のシステムやタスクの作業に依存するタスク』の様な、依存性を持つパイプラインを作成する事が可能です。

パイプラインが特定のリソースを必要とする場合、前提条件(precondition)を使ってそれらの依存性をパイプラインに追加します。前提条件にてデータノードとタスクを関連付ける事で、よりデバッグが簡単になり弾力性も得られます。可能であれば、依存は単一のパイプラインに留めておいた方が良いでしょう。クロスパイプラインのトラブルシューティングは厄介です。

 

スケジュール(Schedules)

スケジュール(Schedule)は、『アクティビティをいつ実行するか』と言った、スケジューリングされたイベントの時間を定義します。AWS Data Pipelineはスケジュールパイプラインコンポーネントを介して、この情報を公開しています。

 

時系列形式のスケジュールとCron形式のスケジュール

スケジュール(Schedule)は、『アクティビティをいつ実行するか』と言った、スケジューリングされたイベントの時間を定義します。AWS Data Pipelineはスケジュールパイプラインコンポーネントを介して、この情報を公開しています。AWS Data Pipelineでは、[時系列(Time Series)形式][Cron形式]の2種類のパイプラインスケジュールを提供しています。

スケジュールタイプを使用する事で、パイプラインコンポーネントインスタンスが、インターバル(またはピリオド(period))の開始をいつ始めて、いつ終わらせれば良いのかを指定出来るようになります。

時系列形式のスケジューリングはそれぞれのインターバルの終わりにスケジュールが予定される事を意味し、Cron形式のスケジューリングはそれぞれのインターバルの始めにスケジュールが予定される事を意味します。例えば、時系列形式のスケジューリングで開始時刻が22:00 UTCでインターバル/期間が30分に設定されていた場合、パイプラインコンポーネントインスタンスはまず最初に22:30 UTCに実行されます。(22:00 UTCではありません)

もしインスタンスを期間/インターバルの最初に実行させたい場合(先の例で行くと22:00 UTCに実行させたい場合)、Cron形式を使います。

注:スケジューリングのインターバルの最小単位は15分です。

CLIでは、時系列形式:timeseries、Cron形式:cronで扱われています。

スケジュール形式を無視するリソースについて

AWS Data Pipelineはパイプラインのスケジュール形式設定(時系列orCron形式)に依存する形でスケジュールの開始・終了時にアクティビティやデータノードインスタンスを作成します。

しかし、AWS Data PipelineEC2ResourceEmrClusterのようにパイプラインスケジュールの形式内容に関わらず、インターバルの開始時にリソースインスタンスを作成するものも存在します。

パイプラインが時系列形式のスケジューリングに設定されている場合、AWS Data Pipelineはリソースインスタンスを作成し、WAITING_ON_DEPENDENCIESステータスを、アクティビティ又はデータノードが開始するよりも早く設定するかも知れません。(ここでの時間=スケジュール間隔の長さです)

 

埋め戻し(Backfill)タスク

過去時間での開始時刻でスケジューリングされたパイプラインを定義した場合、AWS Data Pipelineはパイプラインでの『埋戻し(backfill)』作業を行います。 この状況下に於いて、AWS Data Pipelineはそれらのタスクが開始〜終了時刻の間に実行するであろう実行回数に追い付くために直ちに多くのタスクインスタンスを起動します。これらの事が起きると、パイプラインを作成した際の指定した期間での値よりも高い頻度でパイプラインコンポーネントが実行される様を見る事になるでしょう。AWS Data Pipelineは過去実行数に追い付いた時に、定義された期間にパイプラインを返します。

開発環境またはテストフェーズでの埋め戻し作業を最小化するためには、startDateTime..endDateTimeに比較的短い間隔を設定します。

AWS Data PipelineはパイプラインコンポーネントのscheduledStartTimeが1日前よりも早く設定されている場合、パイプラインの活性化(activation)によって偶発的な埋め戻し作業を防ごうと試みます。この動きを上書きするには、CLI経由で--forceパラメータを使います。

パイプラインをすぐに起動する場合、開始日時を過去1日(以内?)の日付に指定します。AWS Data Pipelineは作業のバックログとして知覚するものを対処するための試みで『延滞(past due)』作業をすぐに実行するために起動を開始します。この埋戻し作業は、AWS Data Pipelineが最初のクラスタ起動を表示するのには待つ時間が無い事を意味します。

 

スケジュールを使用した最大限のリソース効率化

AWS Data Pipelineを使用すると、リソースやリソースに関連するアクティビティに対する異なるスケジュール期間をサポートする事が出来るのでリソースの効率性を最大化する事が出来ます。

例えば、20分のスケジュール期間でのアクティビティを考えてみましょう。もしアクティビティのリソースが20分スケジュール期間で設定されていた場合、AWS Data Pipelineは1時間で3つのリソースインスタンスを作成し、タスクに必要な3つのリソースを消費します。代わりに、AWS Data Pipelineを使用すると(例えば、1時間のスケジュールに対して)様々なスケジュールとリソースを構成出来るようになります。

20分のスケジュールでアクティビティを組み合わせる場合、AWS Data Pipelineはリソースを1つだけ作成します。1時間でアクティビティの3つ全てのインスタンスにサービスを提供する事で、リソースの使用率を最大化するのです。

 

タイムゾーン

AWS Data PipelineはデフォルトでUTC/GMTのYYYY-MM-DDTHH:MM:SSの日付時刻フォーマットをサポートしています。例えば、以下はScheduleオブジェクトのstartDateTimeフィールドに1/15/2012, 11:59 p.m.の値をUTC/GMTタイムゾーンで設定した内容になります。

"startDateTime" : "2012-01-15T23:59:00"

式(Expression)を使うと、異なるタイムゾーンを扱うDateTimeオブジェクトを作成する事が出来ます。(アカウント内でサマータイムを扱う場合等も含む)以下記述例はタイムゾーンを使用したものです。

#{inTimeZone(myDateTime,'America/Los_Angeles')}

以下例はDateTimeの値の中に式(Expression)を使用したものです。

"2011-05-24T10:10:00 America/Los_Angeles"

AWS Data PipelineではJoda Time APIを使っています。詳細は以下サイトをご参照ください。

 

データの上書き防止

AWS Data Pipelineを使い、繰り返しインポートを行う事を考えてみましょう。その処理では1日複数回実行し、実行毎に同じAmazon S3の場所へ出力を行います。この時、日付ベースの式(Expression)を使用しない限り、誤って出力データを上書きしてしまう可能性があります。

S3Output.DirectoryPathに対してs3://myBucket/#{@scheduledStartTime}のような日付ベースの式を指定する事で、各期間での処理毎にディレクトリを指定出来ます。詳細はScheduleをご参照ください。

 

Resources(リソース)

AWS Data Pipelineではリソースはパイプラインアクティビティが指定する作業を実行する為の計算リソースとして使われます。AWS Data Pipelineは以下のリソースをサポートしています。

   

オブジェクト 説明
Ec2Resource パイプラインアクティビティによって定義された作業を遂行する為のEC2インスタンス。
( ※日本語ドキュメント )
EmrCluster EmrActivityのような、パイプラインアクティビティによって定義された作業を遂行する為のEMRクラスタ。
( ※日本語ドキュメント )

リソースがその作業データセットに対する作業は、同じリージョンでも、また異なるリージョンでさえも実行可能です。詳細についてはUsing a Pipeline with Resources in Multiple Regionsをご参照ください。

 

アクション(Actions)

AWS Data Pipelineのアクションは、成功、失敗、または遅延アクティビティ(?)のような特定のイベントが発生する際にパイプラインコンポーネントが取る事になるステップです。

アクティビティのイベントフィールドはEmrActivityonLateActionフィールドに於けるTerminateへの参照のような、アクションを指します。AWS Data Pipelineは以下のアクションを提供しています。

   

オブジェクト 説明
SnsAlarm 所定のイベントに基づいたトピックARNに対するAmazon SNS通知アクション。
( ※日本語ドキュメント )
Terminate 保留中または未完了のアクティビティ、リソース、データノードを解除するトリガーとなるアクション。
( ※日本語ドキュメント )

 

役割と権限(Roles and Permissions)

AWS Data Pipelineでは、IAMロールが、パイプラインが何にアクセス出来て、何を実行出来るかを決定します。加えて、パイプラインがEC2インスタンスのようなリソースを作成する際、IAMロールは許可されたリソースとアクションを決定します。

パイプラインを作成する際は、パイプラインを管理するIAMロールと、その他にパイプラインのリソースを管理するIAMロール(リソースロールと呼ばれる)を指定します。これらはどちらも同じ役割を果たします。

パイプラインが作業を実行出来るように、必要最低限のアクセス許可を慎重に検討し、それに応じてIAMロールを定義します。控えめに定義したパイプラインでさえも、リソースやAWSの様々な領域へのアクションへのアクセスが必要となる点は押さえておきましょう。例えば以下の様な操作です。

  • Amazon S3のファイルへのアクセス
  • Amazon EMRクラスタの作成と管理
  • Amazon EC2インスタンスの作成と管理
  • Amazon RDSやDynamoDBへのデータアクセス
  • Amazon SNSを用いての通知送信

コンソールを使用する場合、AWS Data Pipelineは信頼出来るエンティティのリストを含む、必要となるIAMロールやポリシーを作成します。しかし、同じ作業をCLIやSDKユーザーで行う場合、所定の手順を実行する必要があります。詳細についてはSetting the Required IAM Rolesをご参照ください。

             

データフォーマット(DataFormat)

AWS DataPipelineで定義されているデータフォーマットは以下の通り。

オブジェクト 説明
CSV Data Format カラムの区切り文字が『カンマ(,)』、レコードの区切り文字が『改行文字』となるデータ・フォーマット。
( ※日本語ドキュメント )
Custom Data Format 特定のカラム区切り文字、レコード区切り文字、エスケープ文字列の組み合わせにより定義されたカスタムデータフォーマット。
( ※日本語ドキュメント )
DynamoDBDataFormat Hiveクエリによってアクセス出来るように、DynamoDBテーブルに対してスキーマを適用。DynamoDBDataFormatはHiveActivityオブジェクトやDynamoDBDataNodeの入力・出力で使用されます。DynamoDBDataFormatではHiveクエリ内の全ての列を指定する必要があります。HiveクエリまたはAmazon S3がサポートする特定列のより柔軟な指定については、DynamoDBExportDataFormatをご参照下さい。
( ※日本語ドキュメント )
DynamoDBExportDataFormat HiveクエリによってDynamoDBテーブルにアクセス出来るように、スキーマを適用。HiveCopyActivityオブジェクトやDynamoDBDataNode・S3DataNodeの入力、出力でこのフォーマットを使います。このフォーマットには以下の利点があります。

  • DynamoDBとAmazon S3サポートの両方を提供。
  • Hiveクエリ内の特定列でデータをフィルタリングする事が出来る。
  • まばらなスキーマ定義であったとしても、DynamoDBから全ての属性をエクスポート。

( ※日本語ドキュメント )

RegEx Data Format 正規表現によって定義されたカスタムデータフォーマット。
( ※日本語ドキュメント )
TSV Data Format カラムの区切り文字が『タブ』、レコードの区切り文字が『改行文字』となるデータ・フォーマット。
( ※日本語ドキュメント )

 

オプションフィールド(Optional Field)

これまでご紹介してきた各種要素の他にも、AWS Data Pipelineでは『オプションフィールド』(Optional Field)として様々な要素を提供しています。以下ざっくりとご紹介。

aws-datapipeline-optional-field

Attempt Status

確実なデータ管理を実現する為に、AWS Data Pipelineは失敗した操作についてリトライを試みます。許可された再試行回数のMAXに達するまで設定が可能です。Attemptオブジェクトは様々な試みの内容、結果や(該当する場合は)失敗理由等について追跡を行います。本質的にはそれらは"回数"のインスタンスです。Amazon EMRクラスタとEC2インスタンスのような過去に実行を試みたリソースを使ってAWS Data Pipelineはリトライを遂行します。

...っていう内容がPipeline Components, Instances, and Attemptsに記載としてあったのは確認出来たけど、じゃあこの『Status』にはどのような文字列が入るのか、何を入れておくとどう作用するのか?という所まではいまいち分からず。

aws-datapipeline-optional-field-01-attempt-status

要素を展開すると表示されるツールチップや、そのリンクから展開されるEMRアクティビティの該当箇所文言(attemptStatus/The status most recently reported from the object./String →『オブジェクトから通知される最も最近のステータス』)から内容は読み解く事は出来ますが...うーむこの辺はひとまず保留で。

Attempt Timeout

一転してこちらは分かり易いですね。関連する要素の実行に関するタイムアウト設定が行えるようです。

aws-datapipeline-optional-field-02-attempt-timeout

Depends On

要素が他の実行可能な要素に依存する場合、指定します。

aws-datapipeline-optional-field-03-dependson

Input / Output

実行に入出力要素を伴う場合、各々指定します。

aws-datapipeline-optional-field-04-input-and-output

Late After Timeout

オブジェクトの実行を開始しなければならない期間。オブジェクトがスケジュールされた開始時間+この時間間隔以内に実行を開始しない場合、それは"遅い"とみなされます。(みなされるとどうなる?)

aws-datapipeline-optional-field-05-late-after-timeout

Max Active Instances

コンポーネントにおける同時実行アクティブインスタンスの最大数。アクティビティにてこの値を"1"に設定すると、インスタンスは厳密に時系列に沿って実行を行います。2以上を設定すると異なるインスタンスを同時に実行する事ができます。(設定の際は、指定したアクティビティが同時実行可能であるかを確認する必要はあるでしょう。)

aws-datapipeline-optional-field-06-max-active-instances

Maximum Retries

リトライ回数の最大数。

aws-datapipeline-optional-field-07-maximum-retries

On Success / On Fail / On Late Action

所定の操作が条件に合致した場合に連動させるアクションをそれぞれ指定可能。

  • On Success:処理成功時
  • On Fail:処理失敗時
  • On Late Action:設定したトリガーが実行されず、処理完了しない場合

aws-datapipeline-optional-field-08-on-xxx-action

現状、提供されている実行可能なアクションは以下2つとなっているようです。

Parent

現在対象となっているオブジェクトが継承する要素。

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PreCondition

実行に必要な前提条件

aws-datapipeline-optional-field-10-preconditions

Report Progress Timeout

ReportTaskProgress APIに対する、タスクランナーからの連続呼び出しの期間。もしタスクランナーやその他タスクを処理するコードが指定した期間内に進捗状況を報告していない場合は、オブジェクト試行をリトライ出来ます。

aws-datapipeline-optional-field-11-report-progress-timeout

Retry Delay

リトライする試み(Attempt)間のタイムアウトとする実行間隔を指定。

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Runs On

オブジェクトが実行する際の環境を指定。

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Schedule Type

オブジェクトが実行を行う際に従う、スケジュールの形式

aws-datapipeline-optional-field-14-schedule-type

Step

実行するクラスタに対する、1つ以上のステップ。2個以上の指定も(255個まで)可能で、JARファイル名の後にカンマ区切りで追記する事で対応が可能となる模様。(例)s3://example-bucket/MyWork.jar,arg1,arg2,arg3

aws-datapipeline-optional-field-15-step

Worker Group

タスクをルーティングする為に使用されます。runsOnの値が設定してあり且つこの値が存在する場合は、この値は無視されます。

aws-datapipeline-optional-field-16-worker-group

 

式と関数

AWS Data Pipelineを扱う上でキーとなるのがこの『式と関数(Pipeline Expressions and Functions)』だと思っています。S3からのデータコピーや各種バッチ処理、SQL処理を行う上で、全ての処理が『全件削除、全件投入』で済むタスクであれば、それらを実現するリソースの組み合わせ、処理構築は比較的楽かも知れません。しかし現実は業務仕様やその環境下で実現可能な対応策というものも限られてしまい、任意の条件で処理を行う必要性が必ず出てくる事と思います。その際にこの『式と関数』を上手く活用する事がキーになると考えます。

このテーマについては別途深堀りして行く必要があると思っていますので、機会を見て進めてみたいと思います。

 

まとめ

以上、AWS Data Pipelineを構成する要素についてひと通り眺めてみました。ひと通りの要素を1エントリにまとめたところ画面スクロールがクッソ長くなってしまった点については御了承頂けますと幸いです...|ω・)

このエントリを書いていくに当たって、個人的にはどのような要素があるのかという点についてある程度把握出来たような気がします。GUIベースでの処理フロー設計が行えるというのもAWSの他サービスには無い特徴ですし、我々が思い描くアイコンを並べて処理を繋げて...という様なパイプライン作成の際の"コツ"についても、各種オブジェクトの特徴や機能を把握した上で設計を置き換えるような、ある種の『慣れ』が必要になってくるのかな、と関連ドキュメントを読み解き、実業務を置き換えてみよう、となった際に感じた思いでした。

今後は個別のオブジェクトで設定出来る内容、及び実際にどこまで細やかな設定/対応で行いたい処理が組めるか、が気になるところ。その辺りについても今後のエントリで言及して行ければな〜と思います。