[Storage Gateway] ファイルゲートウェイがHyper-Vで起動可能になりました

2017.06.26

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちは、菊池です。

Sorage Gatewayのファイルゲートウェイでは、NFS経由でS3オブジェクトへのアクセスが可能です。昨年末にリリースされたこの機能、当初、ゲートウェイが起動できるのはオンプレミスのVMware ESXiだけでした。その後、今年2月にEC2での起動もサポートされ、利用の幅が広がっています。

そして今回、新たにMicrosoft Hyper-Vでの起動もサポートされました!

試してみた

さっそく試してみました。

公式ドキュメントでは、Microsoft Hyper-V 2008 R2(Hyper-V Ver. 2.0または3.0)、Microsoft Hyper-V 2012(Hyper-V Ver. 4.0)とありますが、今回はWindows 10に搭載のHyper-V(Ver. 6.2)で検証しています。

手順サマリー

  1. ゲートウェイの作成
    1. ゲートウェイイメージのダウンロード
    2. イメージのインポート・起動
    3. ゲートウェイの有効化
  2. ファイル共有の作成
  3. NFSのマウント

Hyper-V環境独自の手順となるのは、1-2. イメージのインポート・起動のみで、それ以外はこれまでのVMware ESXi、EC2の場合と同様です。

1. ゲートウェイの作成

マネジメントコンソールから、ゲートウェイの作成に進みます。

sg-file-001

ゲートウェイの種類で、ファイルゲートウェイを選択します。

sg-file-002

ホストプラットフォームに、Microsoft Hyper-V 2008 R2/2012が追加されています。

sg-file-003

Microsoft Hyper-V 2012を選択し、イメージをダウンロードします。ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、任意のフォルダに保存します。

sg-file-004

ゲートウェイのイメージをインポートします。Hyper-Vマネージャーで、[仮想マシンのインポート]を選択します。

sg-file-005

インポートのウィザードが起動しますので、指示にしたがって進めます。

sg-file-006

ダウンロードしたイメージのフォルダを選択します。

sg-file-008

[AWS-Storage-Gateway]が認識されました。

sg-file-009

インポートの種類では、[仮想マシンをコピーする(新しい一意なIDを作成する)]を選びます。

sg-file-010

各種ファイルを保存するフォルダを選択します。

sg-file-011

仮想ハードディスクの保存フォルダを選択します。

sg-file-012

確認し、問題なければ完了です。

sg-file-013

ゲートウエイがインポートできました。

sg-file-014

起動の前に、一部設定を修正します。ますは、Network Adapterが接続されていませんので、インターネットへ通信可能な仮想スイッチへ接続します。

sg-file-015

次に、キャッシュとして利用するボリュームのため、仮想ハードディスクを追加します。

sg-file-016

以上の設定後、ゲートウェイを起動します。起動すると以下のような画面になります。初期状態ではユーザ:sguser、パスワード:sgpasswordでログインできます。

sg-file-022

ログインすると、ネットワークなどの設定が可能です。IPアドレスやプロキシの設定が必要な場合には、こちらで設定します。

sg-file-023

以上でゲートウェイが準備できましたので、マネジメントコンソールに戻ります。ゲートウェイに設定したIPアドレスを入力し、接続します。この操作時には、マネジメントコンソールを操作するPCから、ゲートウェイへ接続可能である必要があります。

sg-file-024

タイムゾーン、名前を設定し、アクティブ化します。

sg-file-025

以上でゲートウェイの作成は完了です。

ファイル共有の作成

続いてファイル共有を作成します。ゲートウェイを選択し、[ファイル共有の作成]に進みます。

sg-file-026

S3バケットを作成し、ストレージクラス/IAMロールを選択します。

sg-file-027

問題なければ作成を実行します。

sg-file-028

作成完了しました。

sg-file-031

NFSマウント

作成したゲートウェイをNFSでマウントし、動作確認します。NFSクライアントは、同じHyper-Vで稼働するCentOS 7.3です。

NFSサービスをインストールします。

# yum -y install nfs-utils

ゲートウェイをマウントします。マウントコマンドは、マネジメントコンソール上にも各プラットフォームごとに表示されています。

# mount -t nfs -o nolock 192.168.99.131:/s3.xxxxxxxxxxx /sg

マウントできました。8エクサバイトのストレージに見えるようですw

# df -h
ファイルシス                   サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
/dev/mapper/cl_vm-root            39G  1.2G   38G    4% /
devtmpfs                         874M     0  874M    0% /dev
tmpfs                            884M     0  884M    0% /dev/shm
tmpfs                            884M  8.3M  876M    1% /run
tmpfs                            884M     0  884M    0% /sys/fs/cgroup
/dev/sda1                       1014M  182M  833M   18% /boot
/dev/mapper/cl_vm-home            19G   33M   19G    1% /home
tmpfs                            177M     0  177M    0% /run/user/1000
192.168.99.131:/s3.xxxxxxxxxxx   8.0E     0  8.0E    0% /sg

ファイルを書き込むと、S3からも認識されていました。

sg-file-033

まとめ

以上です。

S3オブジェクトをNFS経由で直接読み書きできるファイルゲートウェイが、VMware/EC2/Hyper-Vで起動可能になりました。

ファイルゲートウェイ経由で書き込んだファイルは、通常のS3オブジェクトと同様に扱えます。S3をデータ保存先とすることで、堅牢性・安全性を確保しつつ、多くのAWSサービスと連携した活用が可能です。ファイルゲートウェイは、オンプレミスで利用しているファイルサーバのデータをAWSに移行する、有効な手段となるでしょう。