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【新サービス】共有ストレージ(EFS)が発表!EFSの良い点、気になる点 #AWSSummit

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ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。 4月9日(現地時間)に開催れてれいるAWS Summit 2015 San Franciscoで共有ファイルストレージサービスが発表されましたので、ご紹介します。

2015/07/21 Widows用クライアントの記述に誤りがありましたので、内容を修正します。

共有ファイルストレージ

AWSでは今までストレージザービスは以下の3種類が提供されていました。

  • S3:オブジェクトストレージ(OSでマウント不可)
  • EBS:ブロックストレージ(OSでマウント可能)
  • Glacier:アーカイブストレージ(OSでマウント不可)

OSでマウント可能な物はEBSのみですが、複数のサーバで共有することができませんでした。そのため高可用性クラスタのシステムを構築するときには、独自にGlusterFSやCephでストレージを構築したり、DRBDでデータレプリケーションを行い、運用する必要がありました。そのため共有ファイルストレージが望まれていました。

EFS(Elastic File System)

今回発表されたEFSには、以下の特徴があります。

  1. ファイルの追加/削除に伴い、自動で容量を拡張/縮小する
  2. ペタバイト規模が使用可能に設計されており、数千の同時接続が可能である
  3. SSDベースになっており、大規模ワークロードに必要なスループット、IOPS、低レイテンシを提供する
  4. NFSv4でアクセス可能
  5. API、コンソール、コマンドラインで操作可能
  6. 高可用性、高耐久性のために複数AZ間でレプリケーションされ、複数AZからアクセスできる
  7. APIアクセスがIAMで制御でき、CloudTrailに対応している
  8. セキュリティグループ、ネットワークACLでネットワーク制御が可能で、ファイルに対してユーザ/グループのパーミッションが設定可能

良い点/気になる点

良い点

いろいろな特徴がありますが、以下の点が良いと思います。

  1. 自動での拡張/縮小 自動で拡張/縮小するため、実際の使用量が課金されると思われます。 まだドキュメントが出てきていないため、EBSと同様に確保したサイズ分の課金になる可能性もありますが。
  2. NFSv4でアクセスできるため、LinuxとWindowsの両方でアクセス可能 Windowsには標準のNFSクライアントがあります。 WIndows Server 2012のNFSサポートはサーバ機能であるためEFSへ接続できません。詳しくは、Amazon Elastic File System(EFS)をWindowsから使いたかったを参照ください。
  3. 複数AZからアクセス可能 一般的にEC2は複数AZに配置して冗長化するため、今までの構成でEFSを利用できると思われます。

気になる点

良い事尽くめに見えるEFSですが、以下のことに気になりました。

  1. 複数AZからアクセス可能である AZを越えるネットワークアクセスを行うので、性能がシビアなユースケースでは使用しにくいと思います。
  2. NFSv4でアクセス可能 DB用ストレージのように特定のファイルを更新するユースケースでは使用しにくいですね。iSCSI接続に対応してくれれば、HAクラスタの共有データを保存しやすくなるのですが。
  3. 価格が$0.30/GB-month EBSの3倍の価格のため、すべてのデータをEFSに置くのは止めましょう。

Storage Gatewayの代替として、多数のWorkSpaceからアクセスさせる場合に有用なのではないかと思います。また、HAクラスタで(データファイルではなく)設定ファイルを共有する場合も有用だと思います。 実際使用しているとデータファイルの共有も使用しやすいかもしれませんが。

さいごに

残念ながらEFSはまだ使用できず、プレビュー申し込みしかできません。そのため、上記の気になる点が確認できてません。 プレビューに申し込んで使用可能になったら、気になる点を検証して本番環境レディーにしたいと思います。