(レポート) CMP203: Amazon EC2のエンタープライズ強化について #reinvent

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エンタープライズ向けの強化

EC2がリリースされてから長く時間が経っていますが、今も進化を続けています。最近の例ですと、自動ドメイン参加、SQL Server Enterpriseライセンス対応、高性能インスタンスの登場などです。そして、今回は、新たにエンタープライズ向けの機能が追加されていますのでご紹介したいと思います。

サーバーライセンスのソフトウェア

AWSクラウドを使う上で、エンタープライズの顧客から多く寄せられる意見が、サーバーライセンスソフトウェアについてです。EC2は仮想コアやvCPUと呼ばれる仮想環境で動作しますが、一部のソフトウェアは仮想環境上でのライセンス携帯に当てはまらなかったり、非常に高額になってしまいます。

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ライセンス利用におけるありがちな要求としては、独立したサーバー、物理サーバー、90日はライセンスを移動できない、コアやソケットに適応する、サーバーの性能管理などです。

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EC2 Dedicated Hosts

これらを解決する方法として、新しい機能を出します。「EC2 Dedicated Hosts」です。これは、他のリソースから隔離された物理サーバーとして利用することができ、オンプレミス用のライセンスを適応できる新しいサーバータイプです。これにより、オンプレのライセンス体系によってクラウド上で利用できなかったソフトウェアが対応または安価になります。

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BYOLの4つのステップ

「EC2 Dedicated Hosts」を利用したオンプレのソフトウェアをクラウドに移行するには、4つのステップを進めていきます。まずはじめに、VMインポートします。次に、AWS Configを使って設定管理やライセンス監査をします。そして、「EC2 Dedicated Hosts」に登録して、起動の手順です。

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Microsoftのライセンスオプション

例えば、マイクロソフトのライセンスだけを見ても適応の仕方はいくつかありますが、「EC2 Dedicated Hosts」の登場によって選択の幅が広がるかと思います。

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EC2 Run Command

エンタープライズ向けの強化は、ライセンスのみならず、リモートからの管理についても新機能が発表されています。「Run Commend」は、ひとことでいうと、Ansibleのようなものです。管理コンソール、CLI、APIなどから、安全にEC2内部にコマンドを発行することができます。

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具体的なコマンド例は、MSIのインストール、Windows Update、PowerShell DSCモジュールインストール、ドメイン参加、CloudWatch Logs設定、PowerShellコマンド実行などです。

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コマンドを実行できる環境については以下になります。Windows Server系で米国とヨーロッパからスタートです。

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まとめ

オンプレのライセンスをクラウドに持ってこれるオプションが増えたことで、より一層のインフラ移行が進むと思います。また、Windowsサーバーの状態をリモートから管理できるようになることで、より一層の自動化を進めることができ、コスト削減、スピード、セキュリティなどの一見すると相反する課題をうまく解決しようとしています。Lambdaなどのサーバーレスの方向性と、どエンプラのセキュリティ&スピード化の方向性をについて、両方のマーケットを獲得しようと動いていることがよく分かりました。

参考資料

(CMP203) New! Amazon EC2 Enhancements for the Enterprise