Windows Server on AWSにCALは必要か確認した
Windows Serverにアクセスするユーザーとライセンス
最近、Windows Serverに触れる機会が増えてきました。特にAWS上で動くWindows Serverが増えています。そこでこんな質問を受けました。
「CALの購入が必要だよね?」
答えから言います。
「CALの購入は必要ありません。なぜならばAWSがSPLAだからです。」
これから書く内容は私の個人的な意見であり、一切の保証はありません。おそらく、誰に聞いても同じ回答が返ってくると思います。
SPLA
SPLAとは、第三者にASPなどのサービスを提供するときのライセンス体系です。特徴として、ホスティングができて、社内利用ができて、CALの購入が不要で、最新のバージョン利用が可能です。
ライセンス早わかりガイド サービス プロバイダー向けライセンス
AWSはSPLAです
「SPLAのお客様のサポートは、AWSによるSPLA契約に基づいて提供されています。」と、AWSのFAQページに書いてありますね。
Support for SPLA customers is provided under the SPLA agreement by AWS.
Amazon Web Services and Microsoft
SQL Server on AWSの場合は?
AWS上でSQL Serverを使う方法は3つあります。自前でSQL Serverを用意してインストールしない限りは、AWSのEC2利用料金にSPLAのライセンスフィーも入っているのでCAL等を購入する必要はありません。
- Windows Serverに自前でSQL Serverをインストール : BYOL
- Windows with SQL Server Standard / Web : SPLA
- RDS for SQL Server : SPLA
VMImportの場合は?
VMImportは、VMWare等で動いているWindowsイメージをAWSへインポートする仕組みです。この場合、ライセンスをAWS用に置き換えるためSPLA扱いとなります。そのため、移行後に改めてCALを購入する必要はありません。あるソフトウェア事業者が、VMWare等で開発をして、納品時に特定の顧客のAWS上へVMImportしたとしても、納品先でWindows ServerのライセンスやCALを別途購入する必要はありません。また、納入後に開発元のVMにあるWindowsライセンスは残りますので再利用可能です。
VM ImportでVMwareからAWS EC2へマイグレーションする – Windowsの構成 EC2Config編
Windows Serverを使ってActive Directoryを構築した場合は?
CALの購入は必要ありません。ということは、オンプレでAD構築してUserCALやDeviceCALを買っていた方は、クラウドに持ってくるだけでCALから開放されます。ただし、リモートデスクトップ接続によるターミナルサービス利用には、アクセスするユーザ毎にライセンスが必要となっていますので気をつけてください。
ライセンスモビリティって何?
ライセンスモビリティとは、オンプレ等で購入したライセンスをクラウド等へ持ち運べる仕組みです。AWSは多数のMicrosoft製品について、このライセンスモビリティに対応しています。注目なのは、Remote Desktop Servicesも入っていることです。そうです、RDP用のCALを買わずとも、既に持っているならそのまま使えてしまいます。
まとめ
CALと聞いて、誰に聞けば回答が得られるか分かりませんでしたが、コミュニティの仲間が様々な事例を使ってライセンスについて教えてくれました。繰り返しになりますが、ここに書いてあることは私の個人的な調査での見解であり、AWS社やMicrosoft社の見解ではありません。ご参考にしていただければと思っています。ご不明な点がありましたらお気軽にご確認頂ければと思っています。