今日から使える文章校正テクニック

eyecatch
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渡辺です。

昨日のエントリーが結構反響大きめだったので、第二弾です。 文章校正をしていてよくあるパターンを幾つか抽出してみました。 ただし、前回紹介しているパターンは除外していますので、あわせて確認ください。

重複を減らす

文章校正の基礎は 重複を減らす ことです。 次の文章を見てみましょう。

AWSを使い慣れている人にとっては簡単な作業ですが、使い慣れていないと戸惑う所も多いところです。

この文章がくどく感じる理由は、「使い慣れている」が重複していることです。 前後関係もありますが「ところ」がなにを指しているのかも曖昧ですね。

後半の「使い慣れている」を削除し、バランスを取るために作業を後ろに移動しました。 さらに、前の文章を受けるため、「これは」を追加します。

これは、AWSを使い慣れている人にとっては簡単ですが、そうでないと戸惑う作業です。

スッキリしました。 しかし、「慣れていると簡単」ということはあまり重要な情報ではありません。 削ってしまうのも良いでしょう。

これは、AWSを使い慣れていないと戸惑う作業です。

大切なことは、 簡潔で読みやすいこと です。

連続して同じ語尾を使わない

同じ語尾が連続 すると、読むテンポが悪くなります。

ELBは各ウェブサーバの死活監視を行います。片方のウェブサーバが故障して応答がなくなったならば、そのサーバへのリクエスト転送を停止します。利用者は継続してシステムを利用できます。

この文章では、すべての語尾が「ーます」です。 連続しないように語尾を工夫すれば、格段に読みやすくなります。 語尾を変えるには、今回のように比定と肯定を切り替える、能動態と受動態を切り替えるといった方法が簡単です。

ELBは各ウェブサーバの死活監視を行います。片方のウェブサーバが故障して応答がなくなったならば、そのサーバへリクエストを転送しません。利用者は継続してシステムを利用できます。

ありがちなのが、操作を説明するブログです。 どうしても、「ーします」が続く傾向があるでしょう。 色々な表現に散らしている文章を読むと、この著者は文章力高いなと感じるポイントです。

メニューからEC2メニューを開きます。 サイドバーから「EC2インスタンス」の項目をクリックしてください。 EC2インスタンスの一覧が表示されるので、対象インスタンスのチェックボックスをクリックします。 続けて、「モニター」タブを開き、CPU使用率を確認しましょう。

いかがでしょうか?

修飾節で説明をしない

機能や用語の 説明を修飾節でおこなう のは避けましょう。 これは、技術ブログなどでよく見かけます。

例えば、次の文章をみてください。

最後に、ポートやIPアドレスによってEC2インスタンスへのアクセス制御を行うセキュリティグループを設定します。

この文章では「セキュリティグループを設定する」という操作の説明と、セキュリティグループ自体の説明を同時に行っています。 「ポートやIPアドレスによってEC2インスタンスへのアクセス制御を行う」がセキュリティグループにかかることは明確です。 文章としては問題ありませんが、 読むときにストレス を感じます。

読み手にストレスを感じさせないためにも、分割してみます。

最後にセキュリティグループを設定します。セキュリティグループとは、ポートやIPアドレスによってEC2インスタンスへのアクセス制御を行う仕組みです。

読み手としては「セキュリティグループ」が何かは解りませんが、「設定する」ということが頭に入ってきます。 そして、次の文章で「セキュリティグループとは」と続くため、「セキュリティグループってなんだろう?」と考える時間を与えずに次の文章を読むでしょう。

なお、「セキュリティグループ」が重複して出現します。 一般的には、 重複を避けるため同じ単語が2回連続で出現するとき、指示代名詞で受ける ことが推奨されます。 自分の場合、技術ブログなど、 専門用語を扱う場合、あえて指示代名詞を避け ています。 専門用語を強調することで、読みやすく感じるケースが多いからです。 このテクニックは、講演などで話す場合にも非常に有効です。 講演などでは文章と違い前の言葉を聞き直すことができないからです。

逆説ではない「が」を避ける

たまに「エンジニアは否定からはいる」と言われることがあります。 文章でも、無意識に「が」を使うことがあります。 しかし、逆説ではない「が」は文法的にも間違っています。 文章を分割しましょう。

Jenkinsで継続的インテグレーション(CI)を運用していると、ディスクの容量不足となることがありますが、ビルドやテストの成果物がJenkinsによって継続的に蓄積されることが主な要因です。

そもそも文章が長いですね。 不必要に「が」で文章を連結していますが、前後の文章に逆接の関係はありません。 とっぱらいましょう。

Jenkinsで継続的インテグレーション(CI)を運用していると、ディスクの容量不足となることがあります。ビルドやテストの成果物がJenkinsによって継続的に蓄積されることが主な要因です。

接続詞は多用しない

「そして」「したがって」「なお」「つまり」「しかし」といった接続詞を多用すると、文章全体の流れがくどくなります。

リクエストはELB経由で、複数のウェブサーバで処理されます。この時、ELBはデフォルト設定で、すべてのサーバに負荷が均等になるように処理を分散します。したがって、1,200のリクエストがあったならば、600ずつ分散されて処理されます。つまり、各サーバの処理能力が1,000リクエストであったならば、充分に余裕をもって処理できると言えるでしょう。しかし、片方のインスタンスに障害が発生すると、キャパシティを超えてしまいます。

各文章の関係と接続詞の選択は間違っていないのですが、読んでみるとなにか引っかかります。 実は、すべての接続詞を削っても違和感がありません。

リクエストはELB経由で、複数のウェブサーバで処理されます。この時、ELBはデフォルト設定で、すべてのサーバに負荷が均等になるように処理を分散します。1,200のリクエストがあったならば、600ずつ分散されて処理されます。各サーバの処理能力が1,000リクエストであったならば、充分に余裕をもって処理できると言えるでしょう。片方のインスタンスに障害が発生すると、キャパシティを超えてしまいます。

スッキリしました。

それでは接続詞の効果的な使い方はどんな状況なのでしょうか? それは、 強調したい部分で接続詞を使う ことです。 この後の文章がキャパシティ不足の対策などに繋がるのであれば、最後の文のみ接続詞を追加し、読者が読むリズムに変化を与えると効果的です。

リクエストはELB経由で、複数のウェブサーバで処理されます。この時、ELBはデフォルト設定で、すべてのサーバに負荷が均等になるように処理を分散します。1,200のリクエストがあったならば、600ずつ分散されて処理されます。各サーバの処理能力が1,000リクエストであったならば、充分に余裕をもって処理できると言えるでしょう。しかし、片方のインスタンスに障害が発生すると、キャパシティを超えてしまいます。

まとめ

今回は頻出の文章校正パターンを紹介しました。 どれもちょっとしたことで、数十秒で修正できるものばかりです。 読者に完読されやすい記事を書けるようにちょっとだけ校正してみましょう。

なお、弊社社員は今日から使ってください!