突撃!隣の開発環境 パート14【SAP Palo Alto Labs編】 in シリコンバレー

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こんにちは。しんやです。ちょっと期間が空いてしまいましたが、2015年10月中旬に米国シリコンバレーに滞在していた際に企画していた『突撃!隣の開発環境』シリーズ特別編の続編エントリが出来上がりましたのでお届けしたいと思います。

突撃!隣の開発環境とは

技術事例やノウハウなどは、ブログや勉強会などで共有されることが多いと思います。しかし、各社の開発環境開発体制などは意外と共有されていないこと多いと思います。ノウハウの流出になるかもしれませんが、それ以上に、より良い開発を目指している会社さん同士で情報交換を行い、良いチーム、良いプロダクトを作っていくという志の会社さんの為の情報共有のための企画になります。開発環境や開発体制なども技術領域によっても変わってくると思いますが、この突撃!隣のシリーズでは様々な会社さんのイケてるツールの使い方や、仕事が捗る開発体制についてインタビューを行っていく予定です。

今回ご訪問させて頂いたのは『SAP Palo Alto Labs』と呼ばれる場所です。SAPに於けるイノベーションセンター(Center of Innovation)』として米国カリフォルニア州パロアルトに設立されました。詳しい内容については後述するインタヴュー等で触れますが、色々なものを見せて頂けるとの前情報も伺っており、期待も高まる訪問となりました。インタビューの人数、訪問場所、掲載した写真の枚数等を1エントリに詰め込んだのでかなりのボリュームとなっております(笑) では、御覧ください。

もくじ

 

SAP Palo Alto Labsに向かうまで

まずは訪問場所の位置確認。SAP Palo Alto Labsはこの辺りにあります。

当日訪問まではサンフランシスコに滞在していました。4泊程停まったダウンタウンのホテルを出発し、

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サンフランシスコ駅からカルトレインで目的地へと向かいます。さらばサンフランシスコ!

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そして着いたのがこちらの駅、Menlo Park。(ちょうど家族連れが近くに居て子供達がはしゃいでましたが躍動感あって良かったのでこちらの写真を採用しました)

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駅から少し歩いた所にあるホテルにチェックイン後、Uberで目的地へ向かいます。

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目的地へ向かう際の光景はこちら。目的地付近ともなると、辺り一面草原だったり、途中馬も居たりでかなり荒野感はありました。車移動が大半で徒歩の人は殆ど見られず。こういう部分からも、アメリカは『車社会』なんだな〜と実感した次第でした。

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到着。敷地内には幾つもの建物が立ち並んでおり、その中はとても静かな、落ち着いた雰囲気。日差しもすごい良い感じです。

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インタビュー:SAP 小松原 威氏
(Japan Liaison Office, Business Development Specialist)

今回のSAP Palo Alto Labs訪問に関する御対応、各所御案内、そしてインタビューをさせて頂くのはSAPの小松原 威さん。SAPには7年程お勤めになられていて、こちらのLabsに来たのはつい最近の事だそうです。ちなみに、Labsに在籍している日本人はとても少なく、インド人や中国人の人数がとても多いそうです。雑談と建物を簡単にご紹介頂いた後、会議室の一室を使って小松原さんとのインタビューが始まりました。(※以下、敬称略)

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横田:
小松原さんはSAPに7年、そして現在はこちらのPalo Alto Labsでお仕事をされている訳ですが、小松原さんの眼から見て、今のビジネスの状況はどのように見えて、感じていますか?
小松原:
一昔前であれば、高価なソフトウェアを売り切って保守を続ける形がメジャーでしたが、クラウドが主流になりビジネスモデルが変わり、今はサブスクリプションモデルが増えてきたと感じています。
横田:
安く月額課金などで始めつつ、利用状況に合わせて機能追加の優先順位を変えるなど、 常に顧客の声をサービスに反映するモデルになってきたかもしれませんね。
小松原:
このSAPの研究所がある"シリコンバレー"は述べ60km程の小さな地域。米国全体における人口割合で言っても1%に満たない状況です。ですが、GDP換算で行くとシリコンバレーは世界の国別ランキングでおよそ50位に相当。ニュージーランドやベトナムよりも多いそうです。
シリコンバレーが何故注目されているのか。昨年、全米の12%のパテントがここで生まれています。また、昨年全米のIPOした会社の11%がシリコンバレーの会社です。ベンチャー系の数字で言うと全米のベンチャーキャピタルの40%がここに投資されています。IT企業がベンチャーキャピタルを持っているのは大きい。集まるからこそ儲けがあるんです。

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横田:
今回ご訪問させて頂いたこちらの『SAP Palo Alto Labs』は、どの様な場所になるのでしょうか?ご紹介頂けますでしょうか。
小松原:
はい。こちらのSAP Palo Alto LabsはSAPに於けるイノベーションセンター(Center of Innovation)として、シリコンバレーの中心地であるPalo Altoというところに位置しています。SAPにおいては世界で14あるR&Dの内、ドイツ・インドに次ぐ3番目に大きな拠点となります。40以上の国籍、約2,000人が現在勤務しており、『Design』『Co-Innovation/IoT』『HANA』『Cloud』といった分野に注力しています。
『Design』については、2つの"Design"をリードしています。1つはProduct Design。SAPにおいてはUser Experience(UX)を意味し、UXのDesignの中心地として、多数のDesignerが在籍しています。d.studioと呼ばれる非常にOpenでスタイリッシュなWork Spaceをご覧いただけます。
もう1つのDesignがDesign Thinkingです。「人」に焦点を当てたInnovationを起すメソドロジーであり、Palo Alto LabsのいたるところでDesign Thinkingが活用されています。またDesign Thinkingを教える場として、SAPの創立者で会長でもあるHasso Plattnerの寄付の元、d.schoolが2005年にスタンフォード大学内に設立されました。非常に人気の高いd.schoolの見学ツアーも実施しています。
小松原:
Co-Innovation/IoT』の分野では、単なる研究開発に留まらず、Co-Innovationの製品開発を実施するチームがお客様と一緒になってプロジェクトを進めています。特に近年はIoTがテーマとして熱いですね。Smart City, Predictive maintenance, Healthcare, Connected Vehicles等など。一部のものについては、実際の給油機や自動販売機を使ったデモをお見せする事も可能です。
横田:
今回の訪米で幾つかの企業を訪問させて頂きましたが、会社の雰囲気やエンジニアの年代は当社に近いなと感じました。創業メンバー、エンジニア、デザイナー、投資家、ビジネス、セールス、マーケなど様々な背景の人たちが、和気あいあいと楽しく働いているなと感じました。
小松原:
最近は、シリコンバレーはIT関係者のものだけでは無くなってきたなと感じます。シリコンバレーを発祥としたテクノロジが実世界に影響を及ぼしています。実はここに訪問される60〜70%が、IT関連の人ではない方々なんです。
横田:
うちも最初はアプリだけ作っていたのですがだんだんそれだけでは物足りなくなり、より『価値をお客様に届けたい』と思うようになって来ていました。そこで出会ったのがクラウド。この仕組みは面白いなと。最近はIoTの波も来ていますし、スピード感がまるで変わって来ています。
小松原:
ITと実ビジネスの垣根が無くなってきたのはありますね。デジタルエコノミーの世界。自分の業界だけの戦いだったのが、今では他(の業界)から一気に攻勢をかけてくる。タクシー/配送/ホテル/倉庫業...そういう業界は完全に中抜きされている状況ですね。ちなみこれ(下記スライド画像の右上の車)はGoogleの自動運転車ですが、街中で御覧になりましたか?(注:私はちょうど、TreasureData社に向かう際に目撃してました!)
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このクルマ、緊急停止のボタンだけしか無いんです。ハンドルもアクセルも無い。周囲のものを3Dで視認する技術がもの凄くて、勝手に動くんです。街では制限速度を絶対守るので、教習車みたいな感じですね。(ちなみに小松原さんはこのクルマ、既にもう見飽きたそうですw)
自動運転は当然実現するとして、今の議論は、車での移動中に運転ではなく「何をして過ごすか」ですね。各サービス企業にとってはこの時間の取り合いになると思います。
他には配送サービスのUPS。ここでは配送する品物を自社の3Dプリンタで作って渡すなんてこともやっているので、製造業にとっては脅威です。
また、GEは巨大なコングロマリットの象徴でしたけど、今はソフトウェアに力を入れています。3年間で1700億円。IoTの世界で、GoogleはBtoCですが、GEは産業用に展開しているんですね。GEの会長は5年以内にソフトウェア業界でのTop5に入ると言っているらしいです。
このようなDigital Economyにおいて破壊的なイノベーションが起きる一方、日本企業は連続的なカイゼンが得意です。こんな話を聞いたことがあります。以前アクセンチュアがグローバルCEO1500人にとったアンケートによると「この先、12ヶ月以内に市場を一変させる脅威が現れるか?」という問いに約70%が“Yes”と答えたそうです。一方の日本人CEOは16%。この割合、どちらが正しいかではなく、少なくとも我々日本人のライバルは、それだけ危機感を持っているという事を認識すべきだと思っています。(参考:ASCII.jp:日本の経営者はデジタル化で市場が一変する脅威に気づいていない (1/2))
小松原:
このようなイノベーションを継続的に起すためのメソドロジーがDesign Thinkingであり、シリコンバレーにおいてはAppleやGoogle、Facebookも採用している、共通言語です。簡単にご説明すると、通常の事業計画や製品開発はテクノロジー(Feasibility:技術的に可能か?)とビジネス(Viability:お金になるか?)だけを考えがちです。Design Thinkingは『人』に焦点を当て、テクノロジーとビジネスを考える前に、まずその人が何を欲しているのか(Desirability)を徹底的に考え、早期にプロトタイプを試行します。このテクノロジーとビジネスと人の三つの交点が交わって初めて、Innovationが生まれます。
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横田:
SAPさんは最近の印象だと、ERPの会社では無く、社会実験の会社になってるな、という感じがするんですが...
小松原:
そうですね。ERPは全体の売上の4割を切るほど、会社は変貌しており、プラットフォームや企業間ネットワークを提供するようになってきています。たとえば、コネクテッドカ―では、コーヒーショップ、駐車場、ガソリンスタンドと自動車メーカを企業間ネットワークで繋ぎ、最適なタイミングで最適な情報を通知し、快適な乗車体験を提供します。
横田:
その辺りをひとつのエコシステムとして繋げられる人材やノウハウを持った会社はあまりいないですよね。
小松原:
そこに、ERPでビジネスをやってきた我々の顧客基盤・業務プロセス・ソフトウェアの知見が強みになると思います。ゆくゆくは本当に二分化される、Digital対応できないところは淘汰される世界になってくると思います。

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小松原:
ちなみに、破壊的イノベーションにはシグナルがあるんです、それって何だか分かりますか?...それは『おもちゃ』なんです。
横田:
確かに!うちもそうでした。4〜5年前は『クラウド』について話をしても、誰も見向きもしなかった。そしてIoT。こちらも最初は『そんなの、おもちゃでしょ?』という声も多かった。それが今では...。
小松原:
仰る通りです。そして最近ではドローンや3Dプリンタなど、興味深いものが沢山ありますね。後程、この研究所で取り組んでいる興味深いプロジェクトについて御案内致します。
横田:
楽しみです!

 

Labs見学ツアー

小松原さんとのインタビューの後は、研究所内に散らばるワークスペース各所を見て回るという何とも贅沢なプランが用意されていました。以降の内容でその部分についてご紹介して行きたいと思います。

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d.Studio訪問 - Eliad Goldwasser氏によるDesignerスペースの紹介

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まず始めに訪れたのが『d.studio』。

Design & Co-Innovation Center(通称DCC)にて、お客様毎に特化したUXのデザインを行っているというEliad Goldwasserさん(Director of Strategic Design Services, Design & Co-Innovation Center(DCC))がフロアの案内とインタビューに応じてくれました。

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最近では、UI設計の為のツールとして『axure』というプロトタイピングツールを活用されているそうです。

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ミーティングルームの紹介。御覧の様に、壁一面に付箋が貼られています。これらの取り組みには、デザイナーだけでなくエンジニアやビジネスエキスパートといった面々も参加しているとの事。1ヶ月から3ヶ月を掛けて、3〜4人の少人数で行なうそうで、小松原さんもそう言った光景を良く目にするそうです。

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ペルソナについて:Design Thinkingは『人に焦点を当てる』というのが根幹にあるので、必ずペルソナを立てて、この人が実際に課題として抱えているのは何だろう、それを解決したら何が嬉しいんだろう...といった形で掘り下げていくようにしています。彼にとってのゴールはこれ、彼女のスキルはこういう感じと、色々な人物を作り上げてこの作業を進めています。

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ユーザーストーリーマッピングの成果物。幾つかあった中でこれは一番長いやつでした。

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この部屋は、Design Thinkingのワークショップを実際に行なう際に使っている場所との事。メソドロジーを使って、付箋をペタペタ貼ってやるようなワークショップ、日本からもお客様が来て、研究者の方が集まって、1週間ガッとここでワークショップを行なうというような事をこの場所で行っています。

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『お客様自身が、課題や問題点が分からない事がある...というケースも多いかと思うんですが、そういう時にはそれらをどう引き出すようにしているのですか?UIを作る場合でも、そこをバシッと決められないというようなケースもあるかと思います。』という問い掛けには『Design Thinkingのメソドロジーでは、課題が何なのか、というのを発掘するところに時間を掛けるようにしています。割合的にはワークショップの7割位の時間でしょうか。ソリューションは後から付いてくるものなのでこのタイミングでは重要視していません。課題さえ発掘出来れば、ソリューションは何らかの形で提供出来るだろう、という考えです。お客様が『ニーズがあるんです!』と言っていたとしても、「それ、本当ですか?」と問い掛ける作業を繰り返します。「Why?」を繰り返し、考えを突き詰めて行きます。』とEliadさんはコメント。(※通訳:小松原さん)

 

Innovation Center訪問 - Bindu Madhavan氏による音声認識・遠隔ホワイトボード等のデモ実演

続いて訪れたのは『Innovation Center』。HANAをベースにしたお客様との最新プロジェクトが紹介されているスペースとなっています。

Innovation Centerにて、大型ディスプレイにおける音声/顔認識や遠隔ホワイトボードを使って、近未来の役員会議のあり方を研究するBindu Madhavanさん(Developer, Innovation Center Silicon Valley)は、『こういった仕組みに於いても、色々なセンサーからデータを集めてどうするかと言う部分はやはり重要です』と今回ご紹介頂いたデモについて解説してくれました。

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Binduさんは『想像してみてください』と始め、『役員が部屋に来ます。するとシステムがその面々をの顔を情報として認識して、何のためにここに来たのかを把握し、必要な情報を画面に提示してくれます。参加メンバーの関連性から、適しているであろう情報を企業のデータベースから探し出すのです。極力、エグゼクティブな方々に負荷負担を掛けない様なインタフェースを目指しています。』と説明して頂きました。

小松原さんは併せて、『ERPは企業活動/業務プロセスの塊。役員会議という、企業活動における最高意思決定機関の会議の在り方を変えることをSAPは目指しています。これを我々は"Boardroom of the future"と呼んでいるんですが、画面を見て直感的に、リアルタイムで色々な視点で分析する作業を、ここでは更にもう一段階上を目指して、"声"でその辺りのアクションを認識させる、という部分に取り組んでいる。キーボードやマウスを使ったトラディショナルなものではエグゼクティブな方々は使ってくれない部分もあり、そこで手を煩わせたくない思いもある』と補足。

デモ実演。顔を認識すると認識したユーザーと関連する情報を画面に映し出し、

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合図となる言葉と併せて"Show sales for Germany"と語りかけると、

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御覧の様にドイツの売り上げが表示されました。

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弊社代表横田もチャレンジ。"Show Dashboard"と語りかけると、

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対応するダッシュボードが表示されました。

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また、別のデモとして異なる場所で手書きのホワイトボードの共有を行なうというものも披露して頂きました。手書きでスクリーンに対して絵を書くと、遠隔地にある別のホワイトボードに同じものが映し出される...という感じです。

小松原:
SAP Japanで働いていた時にも思ったんですが、我々はパワーポイントに凝り過ぎている部分があるなと。細かいディテールとか。ホワイトボードだと、パパーッと書いてしまえるし、このシステムを使えば遠隔でもリアルタイムで共有出来ます。

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横田:
なるほど、確かに。ITにフォーカスするのではなくて、ビジネスにフォーカスしていく事が大事なんですね。
小松原:
仰るとおりです。なるべく、ITというものを感じさせない、ITで制約を掛けないようにして行きたい、という思いはありますね。役員会議に参加されるような方々は、あくまでもビジネスのデシジョンを行いたい、フォーカスを当てたいと考えていると思います。
横田:
ちなみに、翻訳、議事録などをテキストとして保存しておく、というようなプランはあったりするんですか?
Bindu:
とても良い質問ですね!もしその会議に出席していなかった場合、何があったの?話されていたのというのは当然後で見返したくなると思います。30分の動画を撮ったら、重要となるポイントを抽出し、それだけのショートビデオを作ってしまう。全ての余計な部分、無言部分を取り除いてしまう。そんな事も可能です。
横田:
そのうち、コンピュータが過去の映像からシミュレーションとかしそうですよね。
Bindu:
あり得ると思います。未来の世界では、言葉とかデータとしての資料を読んで、predictするという事は可能だと思います。ただ人間同士のコミュニケーションの場合、ボディランゲージや表情によって、同じ言葉でも意味が違ってきたりしてしまう。その辺りをどう対応していくかという部分が今後のチャレンジになるのでは、と思います。
横田:
過去の録画映像を組み合わせて、未来の情報を作り出す...なんだかSFみたいな感じですね(笑)
横田:
ちょうど今、弊社でも機械学習について取り組んでいるんですが...
Bindu:
機械学習と言えば、この動画も有名ですね。(と言いながら近くのPC端末でYouTube動画を紹介する)

小松原:
あ、これはロボットの有名なやつですね。石黒浩さんという日本人の方の...
横田:
最近、インターネット上で、不気味の谷を超えたCG、ってのが出て来てたんですよ。CGなんですけど、本物にしか見えないような...そんなのが出て来ていて、感情移入すると、もう、コンピュータなんだけど、人間の様に見えちゃう。日本人て人形好きじゃないですか。アニメとか、おもちゃとか。何か、こう、この人(石黒さん)もそうだと思うんですけど、なんかそういうのが、来そうな気がしています。

Bindu:
自動翻訳とかはたぶんGoogleを使う事になるんだと思うんですけど、これを日本語でやるのは多分そんな難しくないと思います。
横田:
先ほど、小松原さんと話していたなかで『おもちゃみたいな形で始めたものが、産業利用されていく』的な話をしてたと思うんですけど、見てて思ったのが、例えばですけど、宇宙開発とか、例えば海底探索とかも、VRでこう深く探っていく...みたいなのは想像しちゃいました。なんかこう、お金になりそうですよね(笑)
小松原:
もうそこまで考えているとは、さすがですね(笑)
横田:
(そういう場所に)本当に行くのは難しいじゃないですか、当然お金も掛かるだろうし。
小松原:
深海だけじゃなくて山とかにも使えますよね。
横田:
でも、今の話って、10年20年先の話ではなくて、多分数年先、ひょっとしたら今年来年...?位なスピード感で来てもおかしくはない話かな、とは思いますけどね。ドローンを3Dプリンタで作っちゃたりも出来てますし。
Bindu:
はい。非常に近い未来の話だと思います。

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d.shop訪問 - Julia Satsuta氏による最新のハードウェア&SAP Softwareソリューションの紹介

Labs訪問ツアー、最後の3つ目となるのはd.shop(Developer Workshop:工房)の紹介。ここは3Dプリンタやドローンなど、最新のハードウェアが置いてある工房となります。ここで最新のHardwareとSAPのSoftwareを組み合わせたソリューションを研究するJulia Satsutaさんに色々と解説や紹介をして頂きました。

ロシアでは、国土が広いので馬車みたいなもの(Juliaさん曰く、実際は馬や羊を使って引いているんだそうです)が走っていて、それがタクシーとぶつかるっていうのが今結構問題になっているそうです。なので、そういった牛/羊車がどう動くかをドローンで把握したりしているんだとか。ロシア鉄道が我々の大きなお客様なので、こういった楽しい『イノベーション』を一緒になってやっているとの事。

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こちらでは3Dプリンタでドローンを作っているのだそうです。IoTのちょっとしたプロトタイプ、例えばミーティングルームとかで"人が居るかどうか"を判定するようなセンサーを使って、最適な利用方法を提案...みたいな事もしているんですけど、その際に使うものは全部ここで作ってしまって、現場に実際に持って行っています。

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Juliaさんはこんな感じで実際に部品を組み立てて、コードを書いて...というのも行っています。『会社が秋葉原で、最近はIoTにも力を入れてたりしてますので、社内にこういうのは沢山あります。でも、こうやって本当に書くのは凄いですね...』と横田も説明を聞きながら関心しきりでした。

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3Dプリンタの実演もやってみせてくれました。実際に出来るブツはこのようなものになりますが、

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データ取りはこのようにタブレットを使って行います。

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試しに横田がモデルになり、タブレットを使って周囲をぐるりと回ってデータを撮ると...こんな感じで3Dデータの完成です!

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この辺りの技術については以下のプロダクトを使っているようです。

『Structure Sensor』というツールを使った3D体験デモも体験させてもらえる事に。

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専用のゴーグルを付けて、

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仮想空間にあるオブジェクトを、さもそこに実在するかのように触る事が出来ました。

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3Dプリンタ自体も3Dプリンタで作ったり(どういう仕組みで作っているのか、という所までは理解が及びませんでしたが)と、その進化は驚くばかりです。更にすごいのは、『小学校でもみんなこういうの(3Dプリンタ)を持っていて、触っている』のだそう。我々の自体はパソコンが導入された事に興奮しましたけど、それと似たような感じで今は小学校にそういった流れがあるんだとか。なので『小学校のツアーでここを紹介しても、あんまり興奮しない(笑)』とは小松原さん。

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...と言った形で、都合3つのlabs内フロアの現場リポート&インタビューでした。これら3つのインタビューについては、それぞれの担当者の方々が英語で説明して頂いた内容を逐次小松原さんに通訳して頂いたものを文字起こししたものとなります。(なので、小松原さんのコメント部分は各担当者の方々の内容を踏まえたものになっているとご理解ください)小松原さん、同時通訳して頂きありがとうございました!

 

スタンフォード大学散策&d.school訪問

Labs訪問の後は車で少し離れた場所にあるスタンフォード大学へ移動。SAPとスタンフォード大学は『d.school』を通じてソーシャルイノベーションに関する取り組みを行っています。詳しい内容については以下の関連エントリ等をご参照ください。

Labsからの距離は車でおよそ10分程度。

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小松原さん運転の車で場所移動。

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また、d.schoolのあるスタンフォード大学についてはこの辺りをご参照ください。まぁ、敢えて紹介する必要の無いくらいの、世界的にも名門中の名門な大学ですね。

しばしのキャンパス散策。映画に出て来そうなくらいの、本当に絵に描いたようなキャンパス風景ですね!(しろめ

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『スタンフォード・メモリアル・チャーチ』にも足を運んで見ました。息を飲むような美しさですね。

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途中、とある建物の中へと入っていきます。

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そして目にしたのは...何と『Googleの初期コンピュータストレージ』でした。歴史的なブツをリアルにこの目で見られるとは思いませんでした。

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そしてお目当てでもあったd.schoolに到着。詳細については以下エントリ等をご参照ください。我々が訪問した際にも、多くの人達が活発な議論を繰り広げていました。

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SAP社が開店したコーヒーショップ『HanaHaus』について

当エントリの企画で最後に訪問させて頂いた場所がこちらの『HanaHaus』になります。

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SAPが(日本でも一躍有名となった)ブルーボトルコーヒーと組んでオープンしたカフェなのですが、このカフェにもSAPの様々な取り組みが反映されています。詳細は以下エントリ等をご参照ください。

実はLabs内でも、この企画に関するワークスペースを見学させて頂いていました。実に様々な試行錯誤、チャレンジの元に成り立っているものなのだなぁというのがこれらの風景からも感じ取る事ができます。

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スタンフォード大学から再び小松原さんにナビ頂き、目的地へ移動。

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HanaHaus到着。辺りもとてもオシャレな雰囲気にあふれていました。

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HanaHaus内部もかなりに広さ、そしてとても寛ぎやすい空間でした。日本にもこんなスペース是非作って欲しいですね!

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小松原さんとはここでお別れ。時間的にも夕食時が近付いていたので、HanaHaus近くにあるハンバーガーショップで夕食を済ませ、宿泊先ホテルへの帰路へと着いたのでした。

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さいごに

以上、『突撃!隣の開発環境』SAP Palo Alto Labs編のレポートでした。普段であれば滅多にお目に掛かれないような現場や場所をフルコースで堪能させて頂き、とても濃密な時間となりました。

今回のこの企画に関しまして、SAP Palo Alto Labsへの取材許可を調整くださいましたSAP代表取締役社長 福田 譲様、現地Palo Alto Labsにてインタビュー及び各所の御案内を頂いた小松原様、快くインタビューに応じて下さった研究所の皆様、そして今回のインタビューに関して御協力・御対応頂いた皆様、ありがとうございました!

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(※『HanaHaus』内のWORKSPACE入り口前で記念写真。左から横田、小松原さん)