【社内資料公開】40歳中堅サポートエンジニアが文章作成時に気をつけている5つのキーワードを紹介します

【社内資料公開】40歳中堅サポートエンジニアが文章作成時に気をつけている5つのキーワードを紹介します
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はじめに

こんにちは植木和樹@上越妙高オフィスです。クラスメソッドではAWSを始め、弊社で取り扱っている製品・サービスに関するサポート業務を行っています。

サポートでは日々様々なお問い合わせを受け付けるわけですが、ご質問に対する回答内容は正しくても、言葉が足りないためにお客様が不満に感じてしまうことがあったりします。「正しいことを伝えたのに、どうして不満と感じたんだろう?なにが足りなかったんだろう?」と対応を振り返る際に、私はキーワード/パターン/フレームワークに当てはめてみて考えるようにしています。

今回はサポートメンバーがよりよいサービスが提供できるよう、自分のアンチョコから5つのキーワードをご紹介したいと思います。

1.安心してもらう

自分で書いた回答内容を見返してみましょう。文章の内容がお客様に安心を与えているでしょうか?

最後に「安心です」がつくように意識しましょう。また「文章のなるべく早い段階で」お客様に安心してもらうような文章の流れを心がけましょう。

  • 「◯◯が問題としてありましたが、対策済み(なので安心)です」
  • 「◯◯の傾向を確認するとシステムは安定稼働していることが見てとれます(なので安心です)」
  • 「◯◯には対策が必要であり現在対応を検討中です(ちゃんと把握・検討しているので安心してください)」
  • 「◯◯については現時点でご案内できる内容がございません。現在調査中で XX月XX日 までには回答させていただきます(遅くともいつまでに回答しますので安心してください)」

特に障害発生時にお客様はピリピリしていますし、不安を感じています。詳しい障害状況が分からなくても調査を優先せず、まずは「問い合わせを認識し、対応を開始している」ことだけでもお伝えしましょう。

2.次のアクションがわかるように

あなたの回答をお客様が読んで次に何をすればいいかを明らかにしましょう。問い合わせに対して事実だけを書いた回答はしないようにしましょう。

例えば

「OpenSSLに脆弱性があるとのニュースを見ましたがうちのシステムに影響はありますか?」

という質問に対して

「はい、お使いのバージョンは 1.X.X なので影響を受けるバージョンになっています」

という回答では十分ではありません。ちゃんと質問には答えていますが次のアクションがないためです。

私はこんな感じの回答をしています。

「はい、影響を受けます。ライブラリのアップデートとOSの再起動が必要になりますので、作業日時の調整をお願いします(作業見込は30分程度)。また対象サーバーは2台の冗長構成になっていますのでサービスの停止はございません。」

相手に作業日時の調整というアクションを依頼しています。またサービスの停止がないことも伝えているため安心もしてもらえるかと思います。

相手に次のアクションを伝えることはボールをどちらが持っているか分かりやすくなるというメリットもあります。

ところで「相手に次のアクションを伝える」という話をしたところ「エンジニアが伝えるのは事実のみ、どうするかを考えるのはお客様の仕事」と言われたことがあります。そういう職場もあるんですね。

3.小学5年生にわかるように

エンジニアの書く文章は専門用語が多く難しくなってしまうことがあります。技術に詳しくない相手に伝える時には10歳の子どもにも分かるようにを一つの目安としています。

お客様を10歳児と同列にするのは失礼な感じもしますが、私自身テレビを見て分かりやすい説明だなーと聞いていると、我が家の小学生の子どもも関心を持って聞いていたりします。

なるべく平易な言葉で、一文は短く。私のお手本は池上彰さんや、平成教育委員会のよくわかる解説ぅ!です。あと結城浩さんの文章が好きです。

4.現原対変

これは文章の組み立て方のコツになります。それぞれ「現状、原因、対策、変化」を示しています。主に提案書や、障害時の再発防止策を書く時に使っています。

この文章構成でおなじみなのは健康食品のテレビ通販番組や、NHKの「ためしてガッテン」です。

  1. (現状)「最近疲れやすいと感じていませんか?」
  2. (原因)「これは年齢とともに体の◯◯が失われているからなんです」
  3. (対策)「でもこの1粒には失った◯◯を補う成分がなんとセロリ100本分!」
  4. (変化)「毎日無理なく続けられていつまでも若々しく過ごせます!」

私もツール導入等を検討していると、対策(ツール)と変化(効果)ばかりに目がいってしまいがちになります。そんな時にはこのキーワードを思い出して「そもそもなにが問題だったんだっけ?」と振り返るように心がけています。

5.5W1H

これは説明不要ですね。「誰が、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように」です。広く知られている情報整理のポイントです。

お客様からサポートにくる質問は「できますか?どうやったらいいですか?」とHowの形でくることが多いです。この質問をそのまま受け取って返答してしまうと「回答は正しいけど、対応が間違っている」状況が発生します。

例えば「ApacheでのSSLの設定方法」について問い合わせがきた時に、お客様が求めていることWhyが「サイトをHTTPS対応にしたい」であればmod_sslの設定方法でなく「ELB+ACMを紹介する」のが正解です。

私の場合は、問い合わせを受けたら「お客様はなぜこの質問をしてきたんだろう?」「なにがしたいんだろう?」と疑問を持ちながら、もう一度文面を読み直すようにしています。

まとめ

今回は非技術ネタとして私が意識している5つのキーワードをご紹介しました。このネタを書こうと思ったのは先日小学6年生の長男に提案を目的とした作文の書き方を教える機会があり「現原対変」を伝えたのがきっかけです。せっかくなので、それに普段仕事でくり返し伝えている4つのポイントも加えてノウハウとして公開してみました。

冒頭にも書いたように「内容は正しいのだけれどお客様が不満に思ってしまった」となってしまうと、せっかく時間をかけて調べて回答したのに相手に伝わらず残念な気持ちになります。そんな時はここに書いてあることが見直しのきっかけになってくれれば幸いです。