(レポート) Developers Summit 2015 Autumn S-3:エンジニア目線で見たデジタルマーケティング業界のこれまでとこれから #devsumi

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本記事はDevelopers Summit 2015 AutumnのS-3セッション、「エンジニア目線で見たデジタルマーケティング業界のこれまでとこれから」のレポートです。

レポート

エンジニア目線で見たデジタルマーケティング業界のこれまでとこれから by 株式会社ブレインパッド 下田 倫大氏

・ここ数年、マーケティング業界周辺は話題が多い、DSP/SSP、DMP、ネイティブアド... ・業界が盛り上がってきたが、今何をやっているのか、何のためにやっているのか、が腹落ちしていない人が多い ・エンジニアの素養が無いと活躍しにくい ・こういう業界の背景、これまでなにがあって、これからどうなるのか、という話をしたい ・データをどう活用していくのか、という話をする

・マーケティング業界は複雑、関わり方が変わると見え方が変わる ・業界動向に焦点を当てているが、データ量が増えたのでできることが増えた、機械学習によってやれることが増えた、の2点 ・デジタルマーケティングとは? ・日本のWikipediaでは定義されていない ・英語のWikipedia→マーケティングに関する包括的な用語、包括的な概念 ・マーケティングとは? ・これもいろんな定義があって曖昧な概念 ・デジタルマーケティング ・デジタル上でモノやサービスを普及させる手段、結果として企業の利益アップ ・アドテク?ちょっと違う。アドテクも含まれる。もっと包括的な概念がデジタルマーケティング

・代表的な施策 ・ディスプレイ、SEO、ソーシャル、マーケティング、集客したユーザーへのアプローチ。 ・最近出てきたものだとLINEとか。 ・マーケティングファネル。顧客が購入に至るまでの心理プロセスをモデル化。 ・AIDA、AIDASなど、様々なモデルがある。 ・カスタマージャーニー ・マーケティングパネルの概念をより具体化したもの。 ・カスタマージャーニーの究極系がOne to Oneマーケティング ・ある人がサイトなりモノなりに出会ってから、優良顧客に育てていく流れ ・究極的にやりたいこと。

・どんなプレイヤーがいるのか? ・代理店、事業者、メディア、ベンダー、顧客。ベンダーの立場がこのセッション。 ・事業者→顧客に対してマーケティング活動をしたい。 ・しかし、そもそもリソースが足りていない ・マーケティングを代理でするのが代理店。 ・マーケティングする手段、顧客と接点になるのがメディア。顧客に集まってもらう魅力的なコンテンツをどんどん作る。 ・事業者や代理店がマーケティングに必要なものを提供するのがベンダー。 ・事業者と代理店は効率的にマーケティングしたい。メディアはもっとマネタイズしたい。ベンダーは色々できるようになってきた。 ・タイミングよく登場して、オンライン広告が注力されるようになった。これがアドテク。

・オンライン広告 ・認知系と獲得系の2つ。認知系がディスプレイ広告(純広告)。大手メディアが枠を提供するもの。 ・認知系広告は広い人たちに知ってもらうためのもの。獲得系広告は興味を持った人を獲得するもの。 ・アドテクとして注目されているのが獲得系。

・アドテクとして流行ったことの功罪。 ・データに基づいた分析で、効果が出た。 ・データを集めて分析して活用したい、というトレンドが到来。 ・マーケッターとしては、オンライン広告に特化したところでは、PDCAサイクルを回せるようになった。 ・出来そうで出来ていなかったPDCAサイクルを回すということが実現可能に。これがブレイクスルー。

・そのためにどうなっていくのか? ・DMPなど、自社内外を問わず、たくさんのデータを集めて、統合したい。 ・自社サイトのログとか顧客データとか、持っていないデータを買うとか。 ・集めたデータを様々な角度から分析したい。 ・過去と比べて、他と比べて、いろんな軸で分析したい。 ・ビッグデータ系の技術が進歩したので、サポートできるようになった。

・一定の成果が出た、しかし...アドテクが流行りすぎたことの反動。 ・事業者が効率を追求。集めた大量のデータを細かく精緻にセグメントを切りたくなる。 ・男性、女性、年齢など、セグメントを細かくすればもっと分析できるのでは? ・セグメントの数が増加すると、セグメント毎にカスタマージャーニーを考えなくてはいけない。 ・マーケッター、代理店の業務が増えすぎて回らない。 ・セグメント200個くらい切って代理店が辛くなった...でも成果は出る。 ・成果が出たので、これまでの施策をより少ない費用で実施可能になる。 ・余った予算は別のところに回される...ベンダ、代理店は、頑張れば頑張るほど苦しくなるスパイラル。 ・リタゲライクな施策はコストパフォーマンスが良い ・そういう施策が増えることで嫌気がさす、広告に嫌悪感を持つ顧客が出てきている

・行き過ぎたデータ活用の典型例 ・セグメントを細かく切っていったが、自分たちが施策を打ちたい母数に達していない問題が発生 ・自分たちの顧客に似たユーザーをほしい→ユーザー拡張 ・興味が持ってもらいそうな顧客を無理やり広げて作る ・ターゲットされた顧客にとっては違和感があることもある

・技術の進歩によってできることは急速に増えている ・接客がオンラインできるようになった ・特に広告分野では進化がめざましい ・特に獲得系にフォーカスが当たっている、費用対効果が見えやすいから ・必然的に効果、効率化が求められるので、顧客からすると違和感、気持ち悪いと思われることもある

・今後どうなるのか? ・今面白い話題。 ・アドブロック、iOS9で話題になった。 ・マーケティングオートメーション、DMPの次にバズワードぽくでてきている。 ・ネイティブアド。 ・オンラインとオフラインの統合。言われ続けているがなかなか来ない領域。

・動画広告を獲得系広告として見た場合 ・PDCAが回らない。動画はそんなにたくさん作れない、配信コストも高い、レポーティングの指標が確立していない。 ・動画広告を認知系広告と見た場合 ・認知系の広告でPDCAを回す、という文脈がない。 ・オフライン広告と動画広告をくっつける、という話題が今出てきている。 ・オフライン広告→テレビ。大きな代理店が出てきている。

・こういった動きの意味 ・業界的に水面下で動いている。大きなイベントと連携したオフライン広告+動画広告をやり始めている ・技術的なブレイクスルーが生まれ始めている ・データの統合はわりと簡単、一意のキーがあれば統合可能 ・オンラインとオフラインの壁を越える必要、現時点での答えがSSP ・SSP(Single Source Pannel) ・リサーチデータの一種、協力者がいろんなデータを統合してくれる ・オンラインとオフラインの行動を精緻に追いかけて統合 ・パネルデータとしてデータが統合される ・オンラインのみのデータ→データ取得のコストが低いのでいろいろ取れる、たくさんあって辛い ・パネルデータ→データが少なくて辛い。協力者はリテラシーが高いため結果的にデータが歪む ・今はしっかりとデータを集めて理解する、というフェーズ ・何らかのイノベーションが起きれば、大規模なデータを機械学習でアプローチする世界がくる

・お金の話 ・獲得系広告の予算は少ない ・認知系の広告はお金をじゃぶじゃぶ使う必要がある、大きな予算が動く ・これまで大きな代理店しか入れなかったところが、エンジニアやベンダーが入る余地ができた

・オンラインとオフラインの統合が進みつつある ・コールセンター、電話する顧客をきちんと分析すればもっと効率的に電話できる ・セキュリティや個人情報など課題は多い ・マーケティングファネル、カスタマージャーニーを見ていると、できることは多そう

・まとめ ・デジタルマーケティングのトレンド、PDCAが回せるようになった ・これからのトレンド、獲得系はますます発達していく ・この業界で生き抜くために、制約と技術を理解する、気持ち悪くないことを実現していこう