[update] Amazon IVSのLow-Latency Streamingでマネジメントコンソールからストリーミングができるようになりました!

マネコンからIVSに映像のストリーミングができるようになりました。OBS Studioなどを別途準備せずにさくっとストリーミングの確認ができます。はじめてIVSでストリーミングをしてみる、といった場合にもおすすめの機能です!
2023.10.13

はじめに

清水です。本エントリでお届けするAWSアップデート情報はこちら!AWSのマネージド型ライブストリーミングソリューションであるAmazon Interactive Video Service (Amazon IVS)のLow-Latency Streamingでマネジメントコンソールを使ったストリーミングが可能になりました。(2023/10/02付でポストされたアップデート情報になります。)

IVS Low-latency Streamingでライブストリーミングを行うにあたり、これまではOBS StudioなどのStreaming Softwareか、IVS Broadcast SDKを使用したアプリケーションなどが必要でした。最もお手軽に配信をしようとするとWeb broadcast SDKでのストリーミングになるかと思いますが、それでもコードのホスティングやDemoサイトへのアクセスが必要でした。

今回のアップデートでAmazon IVSマネジメントコンソール内にストリーミング機能が組み込まれました!マネジメントコンソール内ではBroadcast(In-console broadcasting)、User Guide内ではIn-console streamingなどと表記されていますが、要はブラウザで使用できるカメラとマイクを使って映像をAmazon IVS Channelへ打ち上げること(Ingest)が可能になります。マネジメントコンソールでIVS Channelを作成したらすぐに、ブラウザを使用してPCに接続されているカメラとマイクからライブストリーミングができるわけですね。

このマネジメントコンソール内のストリーミング機能を本番配信に使用するのはあまり現実的ではありませんが、IVSを使った配信のテストやデモなど際に、他のサイトに移動せずにお手軽にストリーミングが可能になります。また、はじめてAmazon IVSをさわってみる場合、どんなことがAmazon IVSでできるのか確認したいといった場合などに、これまでよりもずっと簡単にライブストリーミングが開始できるかと思います。

本エントリでは、実際にAmazon IVSマネジメントコンソールのストリーミング(In-console streaming)機能を使ってLow-Latency Streamingをやってみたのでまとめてみたいと思います。

IVSのマネジメントコンソールからストリーミングしてみた

実際にAmazon IVSのマネジメントコンソールからストリーミング(Broadcast)を行ってみます。マネジメントコンソールへのアクセスにはMacBook Pro(14インチ、2021)上のGoogle Chromeブラウザ(バージョン117、arm64)を使用しました。

コントロールプレーンを東京リージョンとして、IVSのLow latency streaming、Channelリソースを作成します。Channel nameのみ設定、そのほかの項目はデフォルトで進めます。

Channel作成後の画面です。General configurationの下にPlaybackの項目があります。ここにBroadcastタブがありますね。クリックしてみましょう。

ブラウザからカメラとマイクの使用許可を求められるので[許可する]を選択します。

MacBook Proの内蔵カメラの映像が映りました!(顔部分はアイコン画像でマスクしています。)そのまま[Start broadcasting]ボタンでストリーミングを開始します。

配信が開始できました!カメラ映像の右上に(LIVE)が表示されていますね。

マネジメントコンソールの上部にも、以下のように配信中である旨の表示がされています。

実際にこのマネジメントコンソールからストリーミングしている映像を、配信画面から確認してみましょう。ブラウザで別ウィンドウを開き、視聴ページ(Playback)タブを確認してみます。以下、左側が配信画面(Broadcast)、右側が視聴画面(Playback)としてスクリーンショットを撮ってみました。

マネジメントコンソール内でさくっとライブストリーミングを行いつつ、IVS Low-Latency Streamingのメリットである3秒未満の低遅延配信が行えていることが確認できますね!

このIn-console streaming、今回は新規のChannelで確認してみましたが、既存のChannelでも問題なく動作します。

コントロールプレーン変更時の注意事項

IVSのIn-console streaming機能を使ってマネジメントコンソールからお手軽にストリーミングを開始できることが確認できました。このIn-console streamingですが、コントロールプレーンを変更した場合に再度カメラとマイクの権限が必要となる点に注意しておきましょう。(厳密にはブラウザによる挙動の注意点となります。Google Chromeブラウザでは、サイト(FQDN)ごとに別々にカメラ、マイクの使用許可を付与する、というぐあいかと思います。)

実際に確認してみます。先ほどはコントロールプレーンを東京リージョンとしてマネジメントコンソールのBroadcastタブを押下、その際にカメラ、マイクの使用許可ダイアログが現れました。いちど許可をしておけばChannelリソースやAWSアカウントなどを変更しても、コントロールプレーンが東京リージョンの場合には再度、許可ダイアログが現れることはありません。

コントロールプレーン(マネジメントコンソールのリージョン)を東京からオレゴンに変更して、Channel詳細ページのBroadcastタブをクリックしてみましょう。カメラ、マイクの使用許可ダイアログが表示されますね。

オレゴンリージョンのFQDN(us-west-2.console.aws.amazon.com)に対して、カメラ、マイクの許可を設定すればブラウザからのライブストリーミングが可能となります。In-console streaming機能でカメラ、マイクが使用できない場合、まずはブラウザの許可設定を確認してみるのがよさそうですね。

まとめ

Amazon IVSのアップデート、In-console streamingについて確認してみました。IVSのLow-Latency streamingでマネジメントコンソールからとても簡単にストリーミングができるようになりました。これまでOBS StudioなどのStreaming SoftwareやIVS Broadcast SDKなどが必要でしたが、ブラウザで利用できるPCに接続されたカメラ、マイクがあればすぐにストリーミングがスタートできます!IVSを使ったテストやデモがやりやすくなるほか、IVSをはじめて触る場合の敷居がぐっと下がったのではないでしょうか。

なお、IVS Low-Latency Streaming User Guideにも「The Amazon IVS console — This is suitable for testing streams.」と記載があるとおり、In-console streamingについてはあくまでテスト的な使用用途に留めるべきかと思います。留意しておきましょう。