コストで差をつけろ!!re:Invent 2023 で発表された AWS Cost Optimization Hub を紹介!

2023.12.14

タイトルが「コー◯ーで差をつけろ!!(◯足)」みたいなね。えっ?コーヒー?

どうも、こんにちは kaz です。

今回は re:Invent 2023 で AWS Billing and Cost Management の新機能として発表された「AWS Cost Optimization Hub」について紹介しようと思います。

コストで差をつけろ!!ってね。えっ?

はい。始めます。

AWS Cost Optimization Hub とは?

AWS Cost Optimization Hub は「コスト最適化推奨事項を一元的に管理するための集約サービス」です!(はい、名前のまんまです)

AWS 上のセキュリティ事項を確認するために AWS Security Hub がありますが、要はそれのコストバージョンと捉えてもらって良いのかなと思います。

これまで、Compute Optimizer や Trusted Advisor、Cost Explorer などのコスト最適化を推奨してくれるサービスは色々ありましたが、それを「すべて集約されたダッシュボード上で!」、「組織内のアカウントを網羅的に!」のようにパッと確認するのが難しかった印象です。

これが、Cost Optimization Hub を使うことで上記のようなコスト最適化サービスの推奨事項を集約して表示してくれるようになりました。

具体的には、以下のリソースに関する推奨事項 を提案できるようです(2023/12 現在)。

  • Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンス
  • Amazon EC2 Auto Scaling グループ
  • Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) ボリューム
  • AWS Lambda 関数
  • AWS Fargate での Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) タスク
  • 節約プランの計算
  • EC2 インスタンスの節約プラン
  • SageMaker 貯蓄プラン
  • EC2 リザーブドインスタンス
  • Amazon RDS リザーブドインスタンス
  • OpenSearch リザーブドインスタンス
  • Amazon Redshift のリザーブドノード
  • ElastiCache 予約ノード

前提条件

まずは、AWS Compute Optimizer から推奨事項を受け取るために有効化しておきましょう。

組織レベルでの有効化方法については、以下のブログを参照してください。

AWS Cost Optimization Hub を有効化してみる

ここでは、AWS Compute Optimizer は有効化されている状態を想定して AWS Cost Optimization Hub の有効化について説明します。

AWS Billing and Cost Management」コンソールの画面左ペインから「コスト最適化ハブ」にアクセスします。

下記は AWS Organizations の管理アカウントからアクセスしてみました。

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ここでは、組織アカウントも含めて AWS Cost Optimization Hub を有効化するように赤枠の部分を選択して有効化します!

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ワクワクしていたのですが、コンソール上部にはこんな文字が。

Cost Optimization Hub にコストデータを取り込むのには最大で 24 時間かかるみたいです。残念・・・(ちなみに、取り込み後は毎日データ更新が実施されるようです)。

有効化後の操作感について

ようやくこのときがきました!!!

さっそくですが、データが取り込まれたあとはグルーピングされたデータを可視化できるようになっています。

下記は「推奨アクション」というグループを確認していますが、個人的にこの集計パターンで必要なアクションがパッと見でわかるので好きです。

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なお、集計は「推奨アクション」の他に以下の項目があります。

  • AWS アカウント
  • AWS リージョン
  • リソースタイプ
  • 実装作業
  • リソースの再起動は必要ですか
  • ロールバックは可能ですか
  • Tag value

また、表記はグラフの他にテーブルがあり項目ごとにいくらの削減が見込めそうかを確認できます。

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さらに「あるアカウント + あるリージョン + あるリソースタイプの・・・」というように、かなり細かくフィルタリングができるので便利に活用しましょう!

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次は、右下の「機会を見る」をクリックします。

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テーブル表で示され、コスト削減が見込めるリソースの詳細な一覧が確認できます。

ここでは、Savings Plans やリザーブドインスタンス、インスタンスタイプの変更等というように Cost Optimization Hub の推奨事項を網羅的に確認できます。

ちなみに、ここでの推奨事項は重複排除されているとのことです(参考)。

例えば、ある EC2 インスタンスを「停止したときのコスト」と、「インスタンスタイプを適切なサイズへ変更した際に削減できるコスト」を比較して、どちらか一方のコスト削減額が高いものを推奨するようになっているみたいです。

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さらに・・・

この表から気になる推奨事項を選択すると、推奨事項のより具体的なアクションプランを見ることができます(わぁお)。

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主な使い方はこのくらいになります。

非常にシンプルなのに具体的なアクションプランを提示してくれるので、コスト最適化サービスとしてとても頼もしい存在なのではないでしょうか!?

おまけ

左ペインにある「コスト管理の設定」から、Cost Optimization Hub のチョットした設定ができるみたいです。

詳しくは Savings estimation mode - AWS Cost Management を参照ください。

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まとめ

AWS Cost Optimization Hub の登場によって、AWS Compute Optimizer と AWS Cost Explorer を行き来することなく、組織アカウントのコスト最適化に必要なアクションを網羅的に確認することができるようになりました!

グラフィカルな表現もでき、無料で利用できるので使わない手はないでしょう。

ぜひ、有効化して「このくらい削減できそうだな」と、ニヤニヤしてください。

なお、現時点の印象だと Compute Optimizer と Cost Explorer を踏襲している印象を受けました。

例えば、Trusted Advisor のアタッチされていない EIP を集計したコスト削減額の提案は見当たりませんでした。

ですので、現実的な使い方として「AWS Cost Optimization Hub + Trusted Advisor(コスト最適化)」の 2 つでコストの最適化をしていく方法が良さそうです。

コスト削減はインパクトが大きいので一気に改善したくなりますが、推奨事項の中には削減のためにアーキテクチャを移行したりと一筋縄ではいかないものもあるので、優先順位をつけて毎月少しずつ改善すると良いのかなと思います。

目的と手段は混同しないように気をつけましょう。

参考

アノテーション株式会社について

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