Amazon Q in Connectセルフサービスでは、チャネルが音声の場合、LexログのinputTranscriptは空になります

Amazon Q in Connectセルフサービスでは、チャネルが音声の場合、LexログのinputTranscriptは空になります

2025.09.11

困っていること

Amazon Q in Connectセルフサービスにおいて、音声通話でユーザーが発言した内容を確認したいのですが、Amazon LexログのinputTranscriptフィールドが空文字列("")になってしまい、ユーザーの発話内容を確認することができません。

通話品質の監査やトラブルシューティング、データ分析による業務改善のために、ユーザーの実際の発話内容をログから確認したいのですが、現状では困難な状況です。

回答

実際に検証した結果、音声通話ではinputTranscriptが空になり、チャットでは発話内容が記録されることが確認できました。

検証結果

Amazon Q in Connectセルフサービス(Amazon LexでAMAZON.QinConnectIntentインテントを利用する場合)において、音声通話とチャットの両方でテストを実施した結果、以下の動作を確認しました。

音声通話の場合

			
			{
    "timestamp": "2025-09-03T02:15:53.966Z",
    "requestAttributes": {
        "x-amz-lex:channels:platform": "Connect"
    },
    "inputMode": "Speech",
    "inputTranscript": "",
    "missedUtterance": true,
    ...
}

		
  • "x-amz-lex:channels:platform": "Connect"
  • "inputMode": "Speech"
  • "inputTranscript": "" (空文字列)
  • "missedUtterance": true

チャットの場合

			
			{
    "timestamp": "2025-09-03T02:13:16.446Z",
    "requestAttributes": {
        "x-amz-lex:channels:platform": "Connect Chat"
    },
    "inputMode": "Text",
    "inputTranscript": "こんにちは",
    "missedUtterance": true,
    ...
}

		
  • "x-amz-lex:channels:platform": "Connect Chat"
  • "inputMode": "Text"
  • "inputTranscript": "こんにちは" (ユーザーの入力内容が記録)
  • "missedUtterance": true

動作の違いまとめ

チャネル inputMode inputTranscript 発話内容の記録
音声通話 Speech 空文字列("") ❌ されない
チャット Text ユーザー入力内容 ✅ される

なお、他のインテントの場合は、チャネルが音声であってもLexログのinputTranscriptは空にならず、文字起こし内容が確認できます。

代替案:Q in Connect側のログを活用

音声通話でのユーザー発話内容を確認したい場合は、Q in Connect側のログのutteranceフィールドを使用することで確認できます。

ユーザー発話内容の確認方法

Q in Connect側のログでは、event_typeTRANSCRIPT_UTTERANCEのログイベントに、ユーザーの発話内容が記録されます。

			
			{
    "event_type": "TRANSCRIPT_UTTERANCE",
    "session_id": "9538c045-217c-4105-8b80-4aae0f2557dc",
    "utterance": "[CUSTOMER] メールアドレスの変更方法を教えてください",
    "session_event_id": "e24d3a34-1b08-4a85-a3b5-bb1b596913e4"
}

		

このutteranceフィールドには、ユーザーが実際に発話した内容が[CUSTOMER]というプレフィックス付きで記録されます。

コンタクトIDとQ in Connectログの紐付け方法については、Amazon ConnectのコンタクトIDごとにAmazon Q in Connectのログを確認する方法をご参照ください。

ログの特徴と注意点

Lexログの特徴

  • コンタクトごとにログストリームが分かれており、検索しやすい
  • 音声通話時はinputTranscriptが空になる
  • チャット時はinputTranscriptにユーザー入力が記録される

Q in Connectログの特徴

  • 1つのログストリーム内で全コンタクトが保存されるため、検索性が悪い
  • チャネルが音声通話やチャットのどちらの場合でも、utteranceフィールドにユーザーの発話内容が記録される
  • AMAZON.QinConnectIntentから別のインテントに切り替わる場合、Q in ConnectのロググループからLexのロググループに移動して確認する必要がある

コンタクト詳細ページでの表示について

チャネルが音声の場合、LexログのinputTranscriptが空になる点に関連して、コンタクト詳細ページにおいて、AMAZON.QinConnectIntentインテントの場合、ユーザーの発話内容の文字起こしが確認できません。

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AMAZON.QinConnectIntentの場合

他のインテントの場合は、チャネルが音声であってもLexログのinputTranscriptは空にならず、コンタクト詳細ページでも文字起こし内容が確認できます。

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他のインテントの場合

まとめ

現時点では音声通話におけるLexログのinputTranscriptは空になる仕様のため、顧客の発話内容を確認したい場合はQ in Connect側のログのutteranceフィールドを活用することをお勧めします。

音声通話時にもLexログのinputTranscriptに発話内容が記録されるよう、AWSサポートにフィードバックしました。
将来的な改善を期待しつつ、当面は代替案での運用を検討することが現実的な対応となります。

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