「映像と放送と通信のプロフェッショナル展」Inter BEE 2018 レポート #interbee2018
今年も Inter BEE が開催されたので行ってきました。昨年に引き続き レポートします。
Inter BEE 2018 は今年も 3日間開催で、本日と明日も開催されています。幕張と言うことで、都心からはちょっと距離がありますが、もし興味のわかれた方がいたらぜひ足をお運びください。
ちなみに今年の AWS は「映像制作/放送関連機材」カテゴリとして、ホール 6 の真ん中くらいに、大きめのブースを構えていました。
ブースでは採用活動も行ってるとのことです!
【 #AWS採用 情報】幕張メッセ Inter BeeイベントでOpen House を開催!放送・メディア業界向けSolutions Architect を募集中 https://t.co/HtHjI3FqSK
#AWS ブースにて放送やメディア業界に特化したSolutions Architectの役割と働きがいをご紹介します。ぜひ上記よりお申込みください。 pic.twitter.com/DgcSfe1lFa— AWS / アマゾンウェブサービス (@awscloud_jp) 2018年11月13日
会期
- 11月14日(水)10:00~17:30(終了)
- 11月15日(木)10:00~17:30
- 11月16日(金)10:00~17:00
見所(個人的見解)
個人的に一番目立っていたと思ったのは SONY のブースでした。なにしろ約 9.7m x 5.5m の 8K HDR ディスプレイが圧巻の迫力です…!
来月から 4K8K放送が始まるくらい、もう 4K も 8K も会場内では当たり前なのですが、このサイズでこの色域と解像度は圧倒されます。正直これを見てしまうと、他のウォールサイズスクリーンが(文字通り)色あせて見えてしまうほどで、早くこのスペックのスクリーンで映画が楽しめる時代になってほしいものだと思いました。
それからこちらは時代によるものか、機械学習系の技術を利用した製品もあちこちで見かけました。これは上記の SONY ブースや AWS ブースでも大きく扱われていて、用途としては 映像メディアのタグ付け・メタデータ作成(誰が/何が映っているか、またはスポーツの得点シーンなどのハイライト検出など)が目立っていましたが、後述する KKStream さんは ストリーム品質を上げるため の映像解析に使っているとのことでした。
VR はもう当たり前というか、いろんなところでゴーグルをかぶってる姿が見られました。制作向けの展示も多く、VTuber 向けの実演 もしてましたw
AWS ブース
AWS ブースは大きく4つのコーナーを設け、それぞれにパートナー会社の紹介を行っていました。
- コンテンツ制作&ポストプロダクション
- コンテンツ&ワークフロー管理
- コンテンツ配信&送出
- 機械学習&データ分析
後述するステージでも触れられていたのですが、AWS では映像制作のワークロードをこの 4つのセクションに大別して考えているとのことです。去年は 8つ だったので、Media 5兄弟 の登場にあわせて整理統合したのかも知れません。
ブース内ミニステージレポート
AWS ブース内で行われたミニステージの中から、拝聴できたふたつについてレポートします。
「AIテクノロジーによるリニアストリーミングの更なる飛躍」
メディアストリーミングを扱う KKStream Limited. 社の Jennifer Yamazaki 氏より、同分野への AI 技術の応用についてプレゼンテーションがありました。OTT 事業者として、提供サービスのコスト削減と品質(ユーザ体験)の向上を目的に、以下の取り組みを行っているとのことです。
- タイトルエンコーディング(PTS)
- コンテンツの複雑さを ML で判定し、それに応じて割り当てる帯域を変える
- 機械学習と「人の目」の両方で対応
- 知覚ストリーミング(PSE)
- ML を利用して解析を行うことで、低ビットレートであっても品質の高い動画を再生可能にする
- こちらも、機械学習と「人の目」の両方で対応
なお KKStream としては上記の二つに加え、AWS Elemental MediaTailor を使った「サーバ側広告挿入(SSAI)」や、スポーツ中継での配信遅延を CMAF を活用して低く抑える「低遅延ライブストリーミング」もアピールしていました。
PSE については詳細が気になったのでプレゼンの後でブースで聞いてみたのですが、残念ながら技術的な詳細はほとんど聞くことが出来ませんでした(技術部隊は台湾にいるとのことです)。ただ既に au ビデオパスなどで使われている技術と言うことで、実績はあるとのことです。
「End to End クラウドメディアワークフロー」
こちらは AWS ソリューションアーキテクトの Yuta Ishii 氏から、AWS についての紹介と、AWS が提供するメディアワークフローについての紹介がありました。
Amazon のビジネスモデルとカルチャー
- 顧客重視と長期的視点
- 1997年の株主へのレター
- 「お客様への徹底的なフォーカス」
- 「長期的視点での投資」
- 2017年
- 「お客様中心に考え、創意工夫」
- AWS = Amazon のビジネスの基幹システムを支える技術
AWS 概要
- 必要なときに、必要なだけ、低価格でサービス(コンピュート能力)を提供
- 継続的な値下げと機能追加
- 機能追加の多くは顧客からの要望によるもの
- AWSサービスの本質は「ビルディングブロック」
- サービスを組み合わせることで、素早くアプリケーション構築が可能
End to End クラウドメディアワークフロー
- Netflix、Amazon Prime、huru は AWS を使っている
- 実績豊富
- コンテンツ制作&ポストプロダクション
- 働き方改革
- どこでも映像編集可能
- リモートデスクトップ
- 高画質化
- 4K / 8K
- GPU / FPGA
- クラウド編集環境の進化
- WorkSpaces Graphics Pro / G3 Instance
- 働き方改革
- コンテンツ&ワークフロー管理
- 複雑なワークフロー
- 豊富なパートナーソリューション
- マイグレーション
- 専用線接続 / 専用デバイス
- DirectConnect / Snowball
- AWS 放送アーカイブパートナー
- miniMAM、eVERY、Taskee
- 複雑なワークフロー
- コンテンツ配信&送出(OTT、放送、パブリッシュ)
- 安定配信
- インフラ管理不要の配信基盤
- 収益化
- SSAI(サーバサイドの広告挿入)ソリューション
- AWS Media Services
- 安定配信
- 機械学習&データ分析
- サービス
- Rekognition、Polly、Lex、Transcribe、Translate、Comprehend
- AWS が構築した機械学習モデルを従量課金で提供
- プラットフォーム
- SageMaker、Mechanical Truk
- お客様所有のデータやアルゴリズムから、独自の機械学習モデルを構築
- フレームワーク&インフラ
- サードパーティ、GPU、ML AMIs
- 必要な環境を迅速に構築
- サービス
- 詳細はブースにて!
まとめ
Media Services がリリースされてから初の Inter BEE ということで、AWS 内の位置づけがどう変わったか興味があったのですが、複雑だった「8つのワークフロー」を整理しつつ、機械学習に重点を移した感じの方向性になっていました。
Inter BEE は映像的にも体験的にも分かりやすいものが多いので、これまで興味の無かった方でも行ってみると楽しめると思います。例年どおり大型スピーカーの爆音が体験できる場でもありますので、是非一度足をお運びください。