前バージョンをアンインストールせずにTableau Server 10へのアップグレードを行う(単一サーバ構成)

2016.09.07

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以前投稿した下記エントリではTableau Server v10へのアップグレードに際して以前のバージョンをアンインストールした後、実施を行っていました。

ですが公式ドキュメントのアップグレードに関するページを見てみると、v10からは予めアンインストールを実施しなくても作業が進められるようです。

Tableau Server のバージョン 10.0 以降、セットアップ プログラムを実行し、既存のバージョンが検出されると、アップグレード プロセスの一環としてバックアップを作成することを選択できます。
注: バージョン 10.0 以降は、アップグレード前に Tableau Server の既存のバージョンをアンインストールする必要はありません。バージョン 10.0 以前にアップグレードする場合は、アップグレード前に既存のバージョンの Tableau Server をアンインストールする必要があります。

という訳で、当エントリでは事前に既存バージョンをアンインストールせずにv10へのアップグレード作業を行う手順について確認して見たいと思います。

アップグレード手順

まず始めに前提条件となる既存バージョン環境を準備します。ここではTableau 9.3環境を用意しました。画面上部のメニューバー、『i』マークから『Tableau Serverについて』を選択する事で現行稼働中のTableau Serverのバージョンを確認出来ます。

tableau-server-upgrade-without-previous-uninstall_01

実行前にtabadmin backupコマンドでバックアップファイルを取得。こちらの作業は後述する手順で一気にまとめて行う事も可能です。作成されるバックアップファイルの容量が大きくなるようであれば下記の様に事前にバックアップファイルを取得しておき、後述の手順ではバックアップ取得をスキップする手順で進めてしまっても良いかも知れません。

PS D:\Tableau\Tableau Server\9.3\bin> .\tabadmin.exe backup D:¥tableau-backup¥tableauserver-backup -d
===== Using as backup tmp directory: D:/Tableau/Tableau Server/data/tabsvc/temp (free space: 103.33 GB)
===== Cleaning entries from http_requests log older than 7 days
   -- Deleted 0 rows
===== Backing up database data
===== Backing up dataengine extracts
===== Backup of database data done
===== Backup of dataengine extracts done
===== Backup written to D:/tableau-backup/tableauserver-backup-2016-09-06.tsbak
PS D:\Tableau\Tableau Server\9.3\bin>

Tableau Serverの状態をtabadmin statusコマンドで確認。ここではサーバが稼働したままで進めてみたいと思います。サーバの環境が頻繁にアクセスがあるようであれば、またサーバ全体のコンテンツが大きくなるようであれば念の為tabadmin stopコマンドでサーバ停止させておく方が良いかも知れません。

PS D:\Tableau\Tableau Server\9.3\bin> .\tabadmin.exe status -v
Status: RUNNING
'Tableau Server Coordination Service 0' (3564) is running.
'Tableau Server Search and Browse 0' (3452) is running.
'Tableau Server Tabadmin Service 0' (3812) is running.
'Tableau Server Data Engine 0' (3592) is running.
'Tableau Server Application Server 0' (3028) is running.
'Tableau Server Backgrounder 0' (3420) is running.
'Tableau Server Backgrounder 1' (2300) is running.
'Tableau Server CacheServer 0' (3568) is running.
'Tableau Server Dataserver 0' (4768) is running.
'Tableau Server Vizqlserver 0' (5012) is running.
'Tableau Server Gateway' (5040) is running.
'Tableau Server Cluster Controller' (1688) is running.
'Tableau Server Repository' (7492) is running (Active Repository).
'Tableau Server File Store' (3048) is running.
PS D:\Tableau\Tableau Server\9.3\bin>

Tableau Serverのv10インストーラを入手、起動。[Next]を押下。

tableau-server-upgrade-without-previous-uninstall_02

ここが従来のバージョンとは異なる形。インストール実行時に既存環境で稼働しているものが存在する場合、以下の様な形でダイアログが表示されます。

  • アンインストールをする前にバックアップを取得
  • バックアップを実施せずにアンインストールを実施

ここは状況に応じて選択後[Next]を押下して先に進めてください。ここは試しに前者で進めてみます。

tableau-server-upgrade-without-previous-uninstall_03

サーバが起動中の場合はここでサーバ停止となります。バックアップ作業が始まり、

tableau-server-upgrade-without-previous-uninstall_04

バックアップ完了。以下の様な形で、インストール先として指定していたフォルダ(検証環境ではD:¥Tableauと指定していました)配下にバックアップファイルが作成されました。

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アップグレード作業に戻ります。従来同様インストールパスの指定を促されますので所定のパスを指定します。前述の通り、D:¥Tableauを指定し、『Tableau Server』が自動補完された形となりました。この辺りの環境設定は各自の環境で置き換えてください。(※以前のインストールパスと同じパスを指定しないとアップグレードが出来ませんのでご注意!)

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後は従来の流れと同じです。サーバのバージョンを確認してみます。ちゃんとバージョン10となっている事を確認出来ました。

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既存のTableau Serverバージョンも削除されている事を確認出来ました。

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まとめ

Tableau Serverのv10へのアップグレード手順について、従来よりちょっと便利になった手順のご紹介でした。アンインストール作業を個別に行わなくて済む分、こちらの方がオススメな手順かもしれませんね。こちらからは以上です。